読書日記114「コンサバター 大英博物館の天才修復士」

地元の本屋さんでおすすめコーナーにあったこの本の表紙で美術品を修復する修復士という仕事を知った。

以前国立西洋美術館に行った際、修復について紹介されていたため、美術品が修復されていることは知っていた。しかし、その時はプロセスの方に興味がいき、それに携わる人についてはあまり考えなかった。この本を読めば、修復士という仕事について知ることが出来そうだと思い、読むことにした。

まず、修復士にはそれぞれ専門分野があるということに驚いた。美術品にはさまざまな種類があるから展示の幅が広ければ広いほど、修復に人手がかかるのだろう。

この本で考えさせられたのは美術品の盗難問題だ。元々その美術品を持っていた側からすれば、盗難されたことはもちろん、盗難した側がそれで収益を得ていることに憤りを感じるのは当然だ。でも、盗んだ側にも自分たちが適切に管理してきたことで作品の価値が保たれたという言い分があるということを知った。個人的には返還されるのが筋だと思うが、そのことでその作品が失われてしまうことがあれば、取り返しがつかなくなってしまう。なかなか難しい問題だと思った。

思っていたよりも仕事そのものよりも仕事周りのトラブルがメインの描かれ方だったが、面白かった。

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