読書日記115「コンサバター 幻の《ひまわり》は誰のもの」−一色さゆり

主人公達が大英博物館を退職し、独立後すぐの様子から物語が始まる。組織から距離をとったことで、大きな事件に巻き込まれることが減るかと思われたが、全くそんなことはなかった。

今回は前の巻よりも作品の盗難にスポットがあてられていた。多くの人の思惑が複雑に絡み合う中で起こった事件は、一切展開が読めず、面白かった。それぞれの正義がぶつかり合う中で、何を選択するかはとても難しい。現実で解決できない問題が多くある理由もそこにあるのだと改めて考えさせられた。

最後には次の巻への伏線がはられていた。今まで間接的にしか描写されていなかったクセのありそうな人物が登場しそうで楽しみだ。

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