読書日記118「帝国ホテル建築物語」−植松三十里

どこか面白い企画をしている美術館はないかとXで探していたら「フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」という展示があることを知り、予習としてこの本を読むことにした。

帝国ホテルには行ったことがあったが、自分が行ったことがあるのは3代目帝国ホテルで、この物語は2代目帝国ホテルの話であるとのことだった。帝国ホテルについても建築についても知識がない状態で読み始めたが、面白かった。

最初に読み始めた時、あまりにも人物同士のつながりがうまく出来すぎていて、フィクション比率が高い作品なのかと思い途中で調べた。しかし、ほとんどが史実であった。そのことに驚かされ、ストーリーに引き込まれていった。

帝国ホテルを世界に誇れる日本のホテルとするべく、奮闘する人々の姿に心を打たれると同時に、今となってはその姿を見ることができないことが残念に思われた。建物を文化として遺していくことは負担が大きく、難しいのだと感じた。

今までホテルに泊まる時は接客などの面に注目が行きがちだった。今度ホテルに泊まる際には建築やそこに隠された意図にも注目するようにしたいと思った。

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