読書日記②「また、同じ夢を見ていた」-住野よる

この方の本を読むのは「君の膵臓をたべたい」以来2冊目だ。Amazonのレビューと作品紹介、表紙の雰囲気に何となくひかれて読むことにした。
読み始めて最初の感想は、

思ってたんとちゃう…。

だった。表紙の雰囲気から主人公は勝手に高校生だと思っていたら小学生だったし、文体がですます調だった。文体がですます調の物語を読むのなんて絵本ぶりな気がする。

だが、次第にストーリーに引き込まれていき、かなりのスピードで読み終えてしまった。

以下、考えたことをまとめておく。

①自分の子供の頃のこと
読み始めは主人公の女の子にほとんど共感出来ず、生意気な子供程度にしか思えなかった。しかし、読み進めるうちに自分の子供の頃と共通点があることに気づく。必要以上に賢くあろうとしてしまうところや正義を振りかざしてしまうところが。でも、主人公は素直さがあり、人と関わることで傷を負うことを理解した上でそれを恐れない強さがあるところが自分の子供の頃とは違うと思った。素直さは大事とか、新人は素直が1番とはよく言われるけれど、それを改めて強く感じる本だった。

②幸せとは何か。
この本のテーマは何かと言われたらこの言葉だろう。この本の最後に提示された1つの答えは共感できるものだった。主人公は人と関わりながら、幸せの中でも「人との関わり合いからしか得ることの出来ない幸せ」を学んでいった。私は人と関わることでストレスを感じてしまう。精神的に追い込まれたら人と関わる時間から削っていってしまうところがあり、それで安定を保てるところはメリットだと考えている。でも、「人との関わり合いからしか得られない幸せ」をもっと感じてみたいと思わせてくれた。

人と関わることに疲れたなと感じた時、疲れているから人に会うことをやめておこうかなと思った時この本のことを思い出したいと思う。

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