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キラキラ家族キャンペーンで少子化を食い止めろ!

ツイッターを眺めていると、『異次元の少子化対策』や『2025年が少子化対策のラストチャンス』といった勇ましい文字を流れて来た。ついに政府が少子化問題に本腰を入れて立ち向かっていくぞ!という明確な意思を示したのである。

政府がこのタイミングでこれまでにない少子化対策をぶち上げているのは、先日も記事にしたゆとり世代の年齢が理由であろう。世代として数の多いゆとり世代の先頭集団が2025年から40代に突入していく。つまり今がまさにゆとり世代が結婚し子供を設けるためのラストチャンス期間なのである。政府もなんとかゆとり世代に結婚、子育てをして貰い、Z世代がその名の通り最後の世代にならないようにしなければ日本の未来は危ういことを理解している。

ロスジェネ世代が大方の予想通りどうにもならないまま焼け野原になり、慌ててゆとり世代をターゲットに”異次元の少子化対策”を打ち出してくるのが大日本帝国の末期と被るが、とにかくこのままでは本当にヤバイことになる。出生数50万人の超少子化時代がもうすぐそこまで迫ってきているからだ。神風は今回もどうも吹いてくれそうにもない。

政府は何とかして子供の数を増やそうとやっきになっていて、それは子育て支援政策からも見て取れる。駅からも遠く築年数も古いが部屋の広さだけはある市営団地を今風にリフォームし、若い子育て世帯向けの住居として提供していく方針を打ち出したのだ。確かに40㎡の1LDKで子供を二人以上育てることは難しい。古くても内装を綺麗にした75㎡3LDKの方が子供を2人3人育てていくには良い環境かもしれない。

しかし筆者は声を大にして言いたい。違う、そうじゃない。

確かに結婚して既に子供を設けていて、これから2人目3人目を考えている『結婚と出産のハードルを越えた』人々にとっては意味のあることではある。しかし少子化の原因はまさに今書いた”結婚”と”第一子出産”のハードルを越えられない若者が増えていることが原因なのだ。最初の高いハードルはそのままに、その後ろにあるハードルを下げても少子化を改善する効果は小さいだろう。

まず第一にやるべき少子化対策は、結婚と第一子出産という高い高いハードルを若者にどうやって超えてもらうのか?ということである。

難しいのが金銭的な支援だけではあまり結婚や第一子出産を促す効果がないことである。欧米や日本含め、先進国の多くが結婚や出産、育児へ向け金銭的な支援をしてきたが劇的に少子化を改善することはできなかった。もちろん効果は0ではないし続けていくべきではあるものの、金銭的な支援以外の方法も模索しなければ少子化を改善していくことはできないだろう。

お金を支援していくら結婚や第一子出産のハードルを下げても、そのハードルを飛んでみよう、と若者に思ってもらわなければ何も始まらないからだ。

安全志向でコスパや自分の時間を大切にするZ世代以下の若者に『お金や住居支援するので頑張って結婚して子供を3人以上産んで育ててくださいね!』と政府が推奨したところでやるわけがないのである。なぜならハイリスクだからだ。

そうなるともう少子化は止められないのであろうか?ゆとり世代もロスジェネ世代と同じく焼野原になってしまうのか?いや、そうではない。実は方法は存在している。

少子化を解決するための最も簡単で効果的な日本向けの方法、それは『人は結婚し子供を育てて一人前。中年独身は半人前で恥ずかしい』というカビの生えた昭和の世間体をもう一度流行らせ、世間様ルールに再登録させることだ。昭和の再登板である。

昭和の時代には『人は結婚して育児をして一人前、中年以降も独身でふらふらしている男女は半人前で世間知らず』という価値観が浸透しており、いつまでも未婚の男女はとても居心地の悪いなかで生活していかなければならなかった。そんな社会から疎外されるという不安から逃れ、社会に認められるために人々はこぞって結婚に向かっていった。親族も自分の息子や娘が社会から疎外されないように必死にお見合いなどを企画し、結婚するよう圧をかけた。あの不自由な昭和を復活させれば、また若者たちは結婚せざるを得なくなるだろう。

安定が大好きでリスクを負うことを嫌うZ世代の抜け目ない若者たちにとって、結婚と出産というリスクを背負い結婚を決断するコストを払うことは難しい。社会が決断を肩代わりしてくれる昭和の価値観をリバイバルさせることで、「みんや結婚してるから」「結婚しないと恥ずかしい」「子育てしてないと異常者と思われる」といった同調圧力もまた復活するだろう。

令和の時代に昭和のような世間様の同調圧力なんてもうないだろう、と筆者は思っていたので、結婚出産しなければ非国民扱いだった昭和の再登板なんて荒唐無稽な話だと考えていた。しかしコロナ禍の日本社会の変貌ぶりを見て考えを改めた。日本人にはまだ一億総火の玉になった大日本帝国のDNAが息づいている。時計の針が巻き戻る可能性は十分にあるだろう。

しかし筆者は頭リベラルなので、出来ることであれば時計の針を戻さずに少子化を解決したいと願っている。正直言うと頭では昭和の再登板しかないやろ…と思ってはいるが心ではもやもやしている。そこで提案したいのが世間体という”恐怖”により結婚出産のハードルを飛ばせるのではなく、結婚生活に”夢”をもって自らの意思で飛んでもらう方法だ。

その入り口として提案したいのが”正の一人っ子政策”『夫婦二人と子供一人のキラキラ結婚生活』だ。

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