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【教えた話】 20歳以上の年齢差を埋めるものとは

先日からKids PresenStationの講座がスタートし、小学生に向けてパワポを教えてます。

完全オンライン・遠隔でレクチャーするのって、意外と難しくてですね。
私の画面を共有し操作の手順を説明して「じゃあやってみよう!」と投げかける。画面上の小さな枠から見える表情は、どこか不安そうで、でも真剣で、その顔をじっと見て、タイミングを見計らって声をかける。それを繰り返して、理解を深めていくという感じで進めていきます。

できたかなー?の声に「や、ちょっと待ってください」と冷静な返答が来て、ごめんごめん。ゆっくりやってね〜と返して。
なんか昔の自分と母のやりとりに似ていて、思わず笑ってしまったり。
日常の9割が大人とのコミュニケーションを占める私にとって、この90分はえらく新鮮な経験になりました。

心を開くのは「○○なもの」と、「○○点」

生徒のみんなは小学5年生。10才です。先生のわたしは30代もそろそろ半ばに差し掛かるお年頃、実に年齢差は20才以上。
20才上の人と話すことは、社会人を経験してればなんとかなりそうですが、逆って経験がない人も多いのでは。
わたしも画面上で「はじめまして」と挨拶をしてから、どういう接し方がいいのか、話しながら思考を巡らせました。
今回の講座の生徒とは、接していると「あ、心開いたな」と思う瞬間が明確にありました。

ひとりめの子は女の子。とても社交的で笑顔が素敵でした。
最初からハキハキと話して、緊張もあまりしていない様子。すばらしい。
そんな彼女がさらにスイッチが切り替わったのが、自己紹介プレゼンで「好きなもの」の話をした時。
"鬼滅の刃"が好きです!という発言に、「へ〜、いいね!どんなところが好きなの?」と聞くと、その瞬間彼女の表情がパーっと明るくなって、「えっと、登場人物だと、○○と、○○と、〇〇がとても好きです!理由はね...」と話し出したのです。そこから席を外して、そのキャラクターが表紙の単行本を持って来て、画面上で見せてくれました。
自分が好きなものを話す時って、なんかスイッチ入りますよね。さらに聞き手が興味を持ってくれると、嬉しくなって、もっとこの人に伝えたいってなる。すると心理的な距離も縮まる。プレゼンテーションで大事な要素に相手との「共感」があるのですが、それを今回伝える側が感じたことで心を開いてくれたんだなと感じた瞬間でした。

もうひとりは、ちょっとシャイな男の子。緊張と不安が入り混じった面持ちでの参加でした。大人だってオンライン会議で発言するのは緊張するんだから、めちゃくちゃ気持ちがわかります。それでも自分なりに伝えようとする姿を見て「彼を安心させられるポイントはどこだろう」と思いながら会話をしていきました。
そのポイントは意外なところで生まれました。彼が自己紹介でぽそっと言った誕生日の日付が、なんと私と全く一緒。
思わずテンション上がって「え、マジで!私と同じ日だよ!」と伝えたら、画面の向こうで彼も驚き、ちょっと笑ってくれたのです。
そこから一気に打ち解けて...!という上手い具合にはいかなかったのですが、その一瞬の笑顔をきっかけに、ちょっとずつ会話を広げ、授業終了後にはコミュニケーションが取れるようになりました。
共通点」があると、「あ、この人も一緒なんだ」というちょっとした心理的安心が動きます。出身地や出身校もそうだし、偶然同じ時間に同じ場所にいたとわかっただけでもなんか嬉しいときってありますよね(これは、人によるかもだけど)。その共通点はキッカケにすぎないかもしれないけど、彼の心へのドアノックになりました。
今回は誕生日という偶然の共通点でしたが、会話の中で「私も好き」「私もそう思う」ポイントをひろって相手に返すことで、徐々に「あ、この人も一緒なんだ」が生まれて打ち解けていけるんだな、と思いました。

初めましての瞬間、とくに年齢差が大きいほど打ち解ける方法がわからないなと思っていたけれど
・好きなものの話
・共通点

が、心理的距離を縮める一つのツールになるんだなと気づいた1日でした。

こんな感じで、自分が教えることで教わることが日々たくさんあります。そんな感じを記録に残していこうかな〜と思っています。