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キャメロンへの返信11  ワシの瀬戸内海

キャメロン。
海は楽しまれてらっしゃいますでしょうか?暖かくなってきましたね。

海といったら瀬戸内海。
わたしの中で海とはどこから見ても無波なもの。ムハムナミ。

橋の上(瀬戸大橋/しまなみ海道)から見ても、海岸沿い(映画『とんび』のロケ地青佐鼻海岸沿い)を走っても、香川のゴールドタワーの展望台(高さ158m)から見たってたぶんMUHAなのですが。

岡山在住の友人にそれこそボードが好きな子がいて、そういえば彼女はこの瀬戸内海のどこの波に乗るのかしら?(supならわかるのですが。)いややはり波求めて遠出してるのかしら?今度聞いてみよう。

岡山の牛窓は昔から『日本のエーゲ海』とか呼ばれてますが本物のエーゲ海を見たことのないわたしはなんとなく「(笑)」と牛窓に失礼としか言いようのない反応をかましてしまう、地元愛の無さ(反省)。

アウトドアの「ア」の字に憧れはありつつも、生粋のインドアーな上に体力がなくまた怠惰ときた。『私をスキーに連れてって』じゃないですが、基本他力のもぐらです。内へ内へと探求してばかり。

それでもたまに外に引っ張り出されるのですが、方向音痴な上に段取りが悪く思いつきで行動するので、ショッピングモールの駐車場ですら迷子になる始末。まずどこに停めたか覚えていないのが致命傷。優しく外に連れ出してくれる優しい人を募集中です(他力かつ依存的)。

車で10分ほど走れば海ですが、割れて鋭利になった貝殻とワカメの流れ着いた海岸は、「ここから船で漕ぎ出せば絶対鬼ヶ島につくんだろうな」っていう渋さを間違いなく含んでます。そもそも方向音痴なわたしは、鬼ヶ島に着く前に間違えて上陸してしまいそうな島が瀬戸内には多すぎる!

以前笠岡諸島へ日帰り旅行に(やはり友人の誘いでw)行きました。小さい子どもを連れていたというのもありますが、わたしの行動範囲は波打ち際からせいぜい7m。この冒険心の無さ!平成の桃太郎にはなれなかった理由ここに見たり!

こんなわたしに似てしまったのか、娘たちもかなり警戒心が強く。昨年夏、海沿いのかき氷屋さんに行ったついでに海岸に寄りましたが、砂浜の表面に空いた無数の穴、そこからヒューと何かが(貝?)出てきたのを目撃してしまったが最後、それが怖くて一歩も踏み出せない娘たち。もはや海水に足を浸ける前に海岸に入れないという異常な警戒っぷり。やはり娘たちも令和の桃太郎にはなれないことでしょう…

幼い頃、スイミングスクールのインストラクターをしていた母と一緒に、沖に向かって泳いだことが一度だけあります。わたしは小学生でした。浮き輪をつけていましたが、深くなってくると足の先に当たる水が冷たい。それがすっごく怖くって。

岸にいる妹と父親がどんどん小さくなる。今に大きな波が来て、戻れないほど沖の方に流されてしまうのではないか(基本MUHAだからそんなわけないのですが)と不安で不安でたまりませんでしたが、あまり不安をあらわにすると、母から軟弱者となじられるのが常。口にはできず。わたしの浮き輪を後ろから平泳ぎで押しながら泳ぐ母は「ヘーキヘーキ」と明るかったのですが、その根拠なきヘーキがますます不安な幼き日のもぐら。浮き輪にしがみつく手にいっそう力込めたことをわたしは忘れない。

「そろそろ戻ろう」の母の一言にはほっとしたのを覚えています。結局岸から50mほど泳いだ(というか浮き輪押されただけ)でしょうか、それがわたしの海の冒険最高記録。一番最初に外の世界に優しく連れ出してくれた優しい人、それは母だったのかもしれません。
(強引くらいがちょうどいい!)


クララより。



※危ないところでした。
キャメロンの中でわたしが危うくクララからナンシーになってしまうところでした。奇遇にも“ナンシー関”関連を読んでいたところであり…ナンシー関にならむしろなりたい。こんなにも才能のあるお方がすでに亡くなってしまっているのは全く残念。読んだのは「なんの因果で」(1999角川)ですが、あの調子で現代のもろもろもバッサバッサと斬っていただきたかったです。


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