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資格を取ったらラボが貰える!?_サラリーマンが研究所を創ってみた_#3.Materials and Methods (1)

さぁ、研究所を創りましょう

 子供の頃の知的好奇心の延長線上に自分の研究所を創ろう!と思った新人サラリーマンが、いろいろ作戦を練ってバイオ系の研究所を創ってみたら、知的好奇心を満たしただけでなく、仕事にやりがいを見いだし、知識や人脈を広げ、収入までアップし、新しい研究者像を確立できそうな気がしている!という話をしました。気になる方は是非そちらも読んでくださいね。

 いよいよこのNoteでは、実際に研究所を作り、経済的にも精神的にも自由な研究活動を行うために、私が実践したノウハウをご紹介いたします。参考になれば幸いです。

研究所を創る最もお勧めの方法

 ”研究所を作ること”と、”研究所で稼げるようになること”は似て非なるものですから、将来的に認知度や信頼性を高められるように、自称の研究所ではなく、何かしら承認を受けた研究所を創る必要があります。賛否両論あると思いますが、私が最もおすすめする方法をお伝えしますね。

図1

 一体全体なんのこっちゃという話かと思います。技術士(ぎじゅつし)という言葉自体初めて聴いたという方も多くいらっしゃると思いますので、ゆっくり説明していきたいと思います。

 まず、技術士について簡単に説明します。日本技術士会のホームページには、下記のようにあります。

「技術士」は、国によって科学技術に関する高度な知識と応用能力が認められた技術者で、科学技術の応用面に携わる技術者にとって最も権威のある国家資格です。...「技術士法」により高い技術者倫理を備え、継続的な資質向上に努めることが責務となっています。

 また、技術士法の第二条には、下記の記載があります。

「技術士」とは、第32条第1項の登録を受け、技術士の名称を用いて、科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価またはこれらに関する指導の業務を行う者(他の法律においてその業務を行うことが制限されている業務を除く。)をいう。

 つまり、プロフェッショナルな技術者を国が認証するものです。博士との違いについては、詳細を別記事でまとめようと思いますが、簡単に言うと、博士が研究能力を大学が認める学位であるのに対し、技術士は研究を含めた科学技術に関する専門的応用能力を国が認める職位であると言えます。

 ではなぜ、技術士になることが研究所を作ることと関係があるのでしょうか?実は技術士になると研究所を創る権利が与えられるのです!厳密には、技術士登録の際には、事務所を設置しなければならないというルールがあるのですが、思い出してください。技術士の職務は事務作業だけに留まらず、研究や設計、分析も業務の範疇でしたよね? ですから、事務所名を登録する際は、”技術士研究所”でも、”技術士分析センター”でも、問題ないはずです。ここで、研究所と命名することによって、社団法人 日本技術士会に登録を受けた研究所(事務所)を構えることができるのです。

 この研究所を創れるというところが、私が技術士資格を取得した大きなモチベーションの1つでした。

 何も努力せずに自称で名乗る研究所とは異なり、国が所長の能力を認めているという点で、アドバンテージがあります。また、今後仕事を研究所としてとっていく上でも有利です。私の周りでも何人かが同じように技術士の研究所を開設していますが、実は技術士資格を持っている人の中でもあまり知られていない裏技とも言えます。

 また、技術士は事務所を設置しなければならないと申し上げましたが、厳密には、①自分で作る、②勤務する会社を事務所にする、③他社を事務所にする、の3択になります。そして、独立自営の方は①を、企業に勤務している技術士は②を選ぶのが普通です。ここで、企業に勤務しながら①の選択肢を選ぶことができれば、サラリーマンでありながら研究所の所長になることができます(ただし、記事の最後に記載の諸注意はご確認ください)

 さて、ここまで読んだ皆さんの中には、1つ疑問がわくはずです。どうして皆が知っている博士でなくて、知名度の低い博士の方が研究所を創るのに向いていると言えるのかという疑問です。技術士研究所の強みとはなんでしょうか?それは、また次回以降にご説明します。

*諸注意

 技術士研究所を創るうえで、注意が必要なポイントが2つあります。
①公印が必要;技術士第二次試験を受けるとき、そして合格後に事務所を作るときは、会社から公印を貰わなければなりません。公印を貰うのは、会社や上司によっては、ハードルが高い場合があります。このあたりを回避するノウハウやケーススタディーは、別途まとめられたらと思います。なお、第一次試験の受験時には面倒はありません。そのため、現状公印を貰うことが厳しい状況であっても、明日は明日の風が吹くので、気にせずに第一次試験を受験しておきましょう。
②不動産の制限賃貸のアパートなどは事務所として登録することが難しい場合があります。大手を振って所長活動ができるよう、あらかじめ不動産の規定を確認しておくと良いでしょう。お薦めは、文字通り研究所を建てることです。ポンヌフは二世帯住宅のような建物を建てて、1階を住居として使い、2階を研究所にしました。大きな家を建てて大変そうだなぁと思いますよね?このあたりも別途まとめられたらと思いますが、一軒家を建てるよりも経済的なんです。

まとめ

研究所を創るお薦めの方法は技術士になること。
技術士登録の際に、公的機関に登録を受けた研究所をGETする方法あり。
国が所長の能力を認めてくれるので、認知度や信頼性を高められる。
技術士になれば、サラリーマンでも研究所を持てる。
 ただし、①会社の公印、②不動産の規定パス、が必要

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