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「具体と抽象の往復」は手段。捉えるべきは、その真ん中。

こんにちは。

「具体と抽象」というこちらの本、ご存知でしょうか。

僕が内定者だった7年前、「入社前にこの本は読んどけリスト」みたいなのがあって、あれやこれやと読んだ中の一冊でした。
とても学びのある本で、今でも若手の子にオススメすることがあります。

社内でも多くの人が読んでおり、「具体と抽象の往復」というキーワードは何度も耳にするのですが、

  • 「具体と抽象の往復」って手段であって、目的じゃないよね。

  • 正しくは、「具体と抽象の真ん中」の設定の仕方に、成果を生み出すレバーがあって、それを模索するために「具体と抽象の往復」が必要なんだよね。

という、考えになっています。
今日はそれについて、整理してみたいなと思います。

「カルボナーラとか」食べたい妻

さて、あなたには、フルリモートの妻がいます。
あなたは会社から帰る途中で、妻にLINEを送ります。

あなた:「もうすぐ帰るよ~」
妻:「OK!あー、お腹すいたな。」
あなた:「ん、なんかスーパーで買って帰る?」
妻:「あ、うん!ありがとう!」
あなた:「何がいい?」
妻:「んー、そうだな…カルボナーラとか?
あなた:「OK!なかったら、それっぽいの買って帰るね」
妻:(OKのスタンプ)

スーパーに寄ると、閉店間際だからかお目当てのカルボナーラがありません。そこで、横にあったミートソースを買って、お家に帰りました。

あなた:「ただいま~」
妻:「おかえり~」
あなた:「ごめん、カルボナーラなかった。ミートソース買ってきたよ」
妻:「え、、、!」「あー、ありがとう。明日食べるわ!」
あなた:「、、、!」

なんかありそうな話ですよね。
何が起こったのでしょうか。

図解:「カルボナーラとか」食べたい妻

あなたは、カルボナーラを買いに行きました。しかし売っていなかったため、「横のミートソースでいいか」と思ってそれを手に取りました。
これは「パスタ」という括りで、ミートソースを、妻の言う「カルボナーラとか」に入れたことになります。

つまり、あなたの考える「カルボナーラとか」は、「パスタ」という抽象度で括られたもの、ということになります。

パスタで括られている

一方で妻は、クリーミーなものが食べたかったようです。たぶん、お昼にさっぱりしたものを食べたんでしょうね。

つまり、妻の考える「カルボナーラとか」は、「クリーミー」という抽象度で括られたものになります。

カルボナーラとか、でクリーミーを想像するのは難しい

というわけで、あなたの考える「カルボナーラとか」と、妻の考える「カルボナーラとか」の不一致が、今回の問題を引き起こしていたわけですね。

ちなみに、よく見ると「麺類」というカテゴリに、どちらもいます。つまり、この抽象度では一致していたようです。
でも、また別の日に尋ねると「クラムチャウダー」が答えになるかもしれませんね。

クラムチャウダーでも「あったかい」では一致。冬だもんね。

「具体と抽象の真ん中」を捉えられるか

さて、結局、あなたはどこで間違ってしまったのでしょうか?

それは、「カルボナーラとか」の抽象化の仕方でした。
ここを「パスタ」ではなく「クリーミー」としていれば、妻も大喜びしたはずです。

これは、下の図で言うところの、「具体と抽象の真ん中」です。

では、どうしたら「具体と抽象の真ん中」を捉えられるのでしょうか?

僕の観察している限り、2つのパターンがあるようです。

1. 具体からちょっとずつ抽象に登って、真ん中にたどり着く

一つ目は、具体からちょっとずつ抽象に登っていくパターンです。
なんとなくですが技術職の方に多いイメージで、僕もこれに当てはまります。

先程の例でいうと、妻に色々と質問をすることで、少し抽象度の高いところから食べたいものを探っていきます。

・パスタがいい? → こだわってない
・チーズin? → 入ってても良い
・ベーコン食べたい? → そういうわけじゃない
・さっぱりはやだ? →まあ、そうね
・もしかして、、、クリーミー? → うん!

⇒ふむふむ、どうやらクリーミーがお好みだな。

2. 具体をたくさんみて、真ん中を察する

もう一つのパターンは、具体をたくさん示して様子をみる・輪郭をつかむ人です。
これはなんとなくですが、営業職に多い印象です。

先程の例でいうと、具体的な料理名をたくさん出して、その結果からどういうものが好みかを類推します。

ペペロンチーノ → ×
ミートソース → ×
クリームソースパスタ → ○
そば → ×
天ぷらそば → ×
カレーうどん → ○
カレーそば → ○
明太クリームうどん → ○

⇒ふむふむ、どうやらクリーミーがお好みだな。

「具体と抽象の真ん中」を捉えられればどっちでもいい

さて、「具体と抽象の真ん中」を捉える方法について、2つのパターンをお伝えしました。

この2パターンは、どっちが良い悪いというものじゃなく、メリデメがあります。ちょっと、1と2のパターンをそれぞれ整理してみました。

結局は早く真ん中にたどり着けばいいので、お好みの方を選べばいいのだと思います。

おわりに

今回は、具体と抽象の真ん中が大事だよ〜ということを整理してみました。

自分がどっちタイプかを理解するだけでも、仕事に役立つなーと思います。

また、一緒に仕事をするメンバーや上司のタイプを理解すると、相手にあった立ち回り方ができるようになって、滑らかに仕事が進むかもしれませんね!


わぁ!

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