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今週の俳句

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記事一覧

骨冷えて菊大輪の愁嘆場

今週の俳句です。

名月やギャル旧道を走りゆく

眠れどもなほ袖余る秋初め

韜晦文体酔ふて何度目の八月

骨冷えて菊大輪の愁嘆場

滾らす痛車百台秋気澄む

鷺鳴くやここは生前芒野だった

言語野に名のみ飛び交ふ鶸と鶸

次元立ち昇り長尺バール差せど闇

作り始めて約2カ月。前回からずいぶん間が開いてしまった。そろそろ「や」以外でビシッと切りたいですね。

右端のIが墓石に見えて紙魚

今週の俳句です。

悲しみをチャラにしてくれ祭鱧

短夜や全裸の犬も連れていく

右端のIが墓石に見えて紙魚

明け方の驟雨獣の姿勢かな

そうめんの放射を崩す過去未来

倍速で見るゴダールや茹小豆

身の内に青ほとばしれ鯨の子

弾倉に銀玉詰めて夏休み

作り始めて4週目。メルヘンポエム禁欲。が、やや漏れ。写生句っぽく作ろうとすると、格段に難易度が上がる。ぬんんんん。

死に際の波立つ皮膚や蝉しぐれ

今週の俳句です。

夏草や胎児に還る虎の夢

木星を窓辺において冷やしスープ

死に際の波立つ皮膚や蝉しぐれ

波浪警報言語砕けて雨燕

霊魂の肌の青さや夏氷

夜光る鱗をたどり七次元

目を覚ますたびに百年前の朝

みんみんや庭に掃き出す壁の砂

作り始めて3週目。いまだ情緒勝ちすぎ。「波・海・星・水・風・光・霊・夢」このあたりのポエム語は禁欲したいです。

たましひの出口はこちら生ビール

今週の俳句です。

床下の水路を流るる海月かな

夕蝉や私が消えるまで歩く

たましひの出口はこちら生ビール

ステテコや耳のくぼみにさわる舌

書物から海をこぼして夏隣

炎天や線路を駆ける馬の霊

一垂と数ふる蚊帳を吊るしたり

夏萩や懐紙につつむ細工菓子

作り始めて1週目。「夏隣」は晩春の季語。全体に情緒勝ちすぎ。ひどい湿り気だ。しばらくは好きに作ります。