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あなたは誰ですか?どこから来て、どこへ向かいますか?それは何故ですか?|LAP第8期の開講に寄せて(ディレクターぽん)

はじめに

大学生向け次世代リーダー相互学習塾「Liberal Arts Program for Next Leaders~人間を考える学び舎~(通称:ラップ、以下「LAP」と表記)」のディレクターをしています、「ぽん」といいます。

LAP第8期の開講に寄せて、創設以来私たちが向き合い続けている通年の問いと受講を希望される学生の皆さんにお尋ねしている質問に、私も答えてみようと思い筆を執ります。

6月のオリエンテーションに始まり、10か月間、毎月異なるテーマで世の中のそもそも論を問い、自身の生き方・あり方を問うて行きます。

よろしければ、どなた様もご一緒にこれから毎月の問いをお楽しみいただければ幸いです。

あなたは誰ですか?どこから来て、どこへ向かいますか?それは何故ですか?

私は、大切な人とそれを取り巻く世界がこの先も幸せであり続けて欲しいから、100%のエゴでこの世界の幸せの総量と幸せ人口を増やしたい人です。

昨日を悔やみ、明日を恐れ、死にたくてたまらない今日を生きる毎日から、美しいものを美しいと言って讃え、愛するものを心ゆくまで愛でる、幸せな人生に辿り着きました。

人生のある時期に、私は自身の愚かさ、未熟さ、醜さを認知できるレベルに知性が追いついたとき、生きていることが耐えられなくなりました。

「死にたい」
「消えたい」

他者への羨望は、恨み、妬み、僻みとなり、自分だけが不遇であるという身勝手な思い込みで世界の破滅を願ったりもしました。これによってさらに自身の醜悪さを呪うことになり、それでも死に方がわからずに生きながらえていました。

いよいよ思いつめて命を絶とうと思った時、脳裏に浮かんだのは、

「最後くらい、誰かや何かのためにこの命を役立てて死にたい」

こんなにも愚かで、未熟で、醜い私が最後に願うものが、破壊や略奪ではなかったこと。

それは自身にとって驚きであり、また心の底から安堵した瞬間でもありました。

とはいえ、これとて利他の精神であったかというと、無価値な自分を有価値なものにしたいという悲痛な叫びであり、エゴであったかもしれません。

当時、私には親友が2人いました。夢や目標をもって自律し、誰からも頼られる、自慢の友人たち。死にたい思いを打ち明けることはなかったけれど、それでも2人の存在に何度も救われていました。

その時、私は、自分は愚かで、未熟で、醜い存在であるけれど、この素晴らしい友人たちにもしものことがあったとき、必ず力になれる自分になろう、必要とあらばこの命を捧げようと思いました。

大学時代そして社会人になってからも、友人、パートナー、尊敬する師との出逢いがあり、生き方・あり方としての美を体現する方々の姿に「人間は斯くも美しく生きることができるのか」と希望を見出しました。師事、貢献したいと傍に身を置かせてもらう中で、「私も斯くありたい」と願うようになり、そこから今日に至るまで魂の修行を続けています。

私の願いは、自分と自分の大切な人が未来永劫幸せであり続けること。そのためには、自分と自分の大切な人を取りまく世界が幸せである必要があると思っています。

この願いを実現するために、人、社会、自然と共生し、自らがどう生きるのか、自分なりの哲学を持ち、よりよく生き、よりよい社会を築く主体者を、LAPという学び舎を通して増やしていきたいと考えています。

なぜLAPで学びたいのですか?

LAPを立ち上げて8年目になりました。プログラムの設計・運営に携わり、学習者として学び、メンターとしてメンバーの学びに伴走し、知の巨人たちと次代への願いを共有してきました。改めて今、学習者として学びたい、学び続けたいと思うのは、自身の愚かさ、未熟さ、醜さに自覚的でいること、そしてその改善のため人事を尽くすことを諦めてはいけないという自戒の念(それは美しくありたいという憧れでもある)、自分と自分の大切な人、そしてそれを取り巻く世界の幸せに貢献し続けられる自分でありたいという願いがあるからです。

ホモ・サピエンスは認知革命により発展・成長を遂げてきたと言いますが、認知のレベルは千差万別。その個体差は大きいのが現実だと思います。私自身も決して優れた認知能力を有していません。それでも私たち人類は、先人の積み重ねてきた叡智によって今の豊かな暮らしを手に入れています。その過程で犯してきた、そして今現在私たちが犯している過ちも自覚している以上に沢山あると思いますが、その過ちを正し、よりよい環境・社会・経済を次世代に残すことも、私たちにはできると信じています。一人ひとりの持つ力と社会で発揮されるよい影響を最大化すること、そして今は力を発揮できる状態にない人たちも包摂し、補完できるシステムを構築していくこと、そのために諦めずに学び、考え、実践し続けたいと思っています。

おわりに

思春期に世界の破滅を願っていた「やべぇ奴」が、後に「愛」をテーマに生き、世界平和を実現しようと寝食を忘れて勤しむ人間になったりします。

今よりもっと未熟だった頃の自分を思い出すのは死ぬほど恥ずかしいですし、「ここからが僕だよ(RADWIMPS参照)」と言いたい気持ちでいっぱいですが、愚かで、未熟で、醜い私という人間が、美しいものに憧れて、少しでも「マシ」な存在になるために辿ってきた軌跡は、「満足はできないけど、納得はできる」今の自分を築いてくれていると思います。

LAPの学びは、1+1が2になって、今日学ぶと明日役に立つ勉強とは異なり、学べば学ぶほど、いかに自分は知らないか、わかっていないかがわかっていくという類のものなので、10か月後「スッキリ」している人は、その状態を批判的に分析した方がよいかもしれません。

ともあれ、ものの見方や考え方、ひいては人、社会、自然との向き合い方をよりよく変容させていくこと。その可能性を信じて、今年もLAPを開講します。

#あなたは誰ですか #LAP #リベラルアーツ #自己 #LAP8期


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