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ドイツ縦断ひとり旅(1)オーバーアマガウへ

2019年9月10日(火)晴れ 気温31℃  ルフトハンザで羽田~ミュンヘン11時間の旅。8度目のドイツだが、ミュンヘン空港を利用したのは初めてだ。今まで、「ドイツ文学散歩」とか、「バッハへの旅」とか、「メルヘンの故郷を訪ねて」とか、色んなテーマでドイツのあちこちを旅したけれど、チロル地方に行ったことがない、行ってみたいなと思った。よーし、いっそバルト海まで、ドイツの右半分を縦断しよう、という計画を立てたのだった。

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9月10日(火) 予定を15分遅れて、ミュンヘン空港に到着。現地時間17:30。地下のSバーンの乗り場に着いたのが18:30。18:45のS8に乗車。ミュンヘン中央駅には19:28着。予定より1時間の遅れ。19:32発の列車に1分の差で乗り遅れ、インフォに行くと、次の列車は1時間後。肩を落としながら、最初の目的地、オーバーアマガウまでのチケットを買う。23,30ユーロ(2796円)。ムルナウで乗り換え、オーバーアマガウへは22:21着。外気温13℃。
とんでもない長い一日となり、初日から大番狂わせ。e-mailでやりとりしたので、駅からの大体の方向は把握していたけれど、親切そうな男性に道を尋ねると、ケータイで(私は持っていない)、ホテル・コパガルニを調べてくれ、私のスーツケースを持ってくれた。
ホテルは見つかったが、ネットで予約したときの約束、「21時には閉めるけれど、玄関ドアにルームキイを入れた封筒を置いておくから」は守られていなかった。 ガーン! その親切な男性も一緒に、扉と言う扉、窓という窓を捜してくれたが、封筒もキイもメモ用紙もなかった。彼は私に言った。
「私はもう友人の家に行かなければならない。来るときに見た他のホテルに行った方がいい。」と。そして、ホテルの玄関前に植えられていたバラの花を一輪手折って私にくれた。「あなたと出会った記念です」 淡いピンクのバラ。 それから、「私はグレゴリウスといいます。ドイツの友人に会うため、ギリシアから来ました。」と語った。 ガーン!
うっそー! 駅前でたまたま声をかけた人が、ドイツ人じゃなくてギリシア人だったなんて! そんなことってある!? でも、とっても優しい人だった。「あなたの役には立てなかったけれど、旅の無事を祈っています。」と言ってくれた。私の方こそ迷惑をかけたのに・・・。精一杯の感謝を伝え、「アウフヴィーダーゼーン」と言い交わして別れた。

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さて、その近くの4軒のホテルを当たったが、どこも満室だった。どうしよう? お手上げ状態。だんだん寒くなってくるし・・・。ふと、教会なら入れてくれるのではと思い、再び戻ってきたとき、1軒のホテルのドアが少し開けてあるのを見つけた。「ここはコパガルニの別館かも」と思って、中に入り、木製のベンチに腰掛けて夜を明かした。機内では映画を5本も見た私。二晩続けて座ったまま仮眠したことに。

教会の鐘の音を何度も何度も聴きながら、朝になるのを待った。

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