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「自分の隣人を実践的に、そして怠りなく愛するように心がけてください」


「自分の隣人を実践的に、そして怠りなく愛するように心がけてください。愛することに少しずつ長けるにつれ、神が実在することも霊魂が不滅であることも、確信できるようになります。隣人に対する愛が、もしも完全な自己犠牲に達することができたら、そのときはもう確実に信じきるようになり、どんな疑いもあなたの魂に忍びよることなどできません」(ドストエフスキー著、亀山郁夫訳『カラマーゾフの兄弟1』光文社古典新訳文庫、p.147)

「要するに、わたし、賃金目当ての労働者と同じなんです。すぐにも賃金を支払ってもらいたい。つまり、自分に対する賞賛を、愛に対する報いを愛で支払ってもらいたいんです。そうでなければ、誰も愛することができないんです!」(ドストエフスキー著、亀山郁夫訳『カラマーゾフの兄弟1』光文社古典新訳文庫、p.149)

「感謝されないことに堪えられないとさっき申し上げたとき、わたしはじっさい、[……]、自分の誠実さを褒めていただくことばかり期待していました」(ドストエフスキー著、亀山郁夫訳『カラマーゾフの兄弟1』光文社古典新訳文庫、p.151)

「実践的な愛を成就しようというときに、ご自分の小心さをけっして恐れてはなりませんよ。そのとき、あなたがよくない行いをしても、さして怯えるに足りないことです。あなたに何ひとつ慰めとなる言葉をかけられないのが残念ですが、実践的な愛というのは空想的な愛とくらべて、なにぶんにもじつに残酷で恐ろしいものだからですよ。空想的な愛は、すぐに満たされる手軽な成功を求めて、みんなに見てもらいたいと願うものです。そうなると、成功に手間ひまかけないで、舞台みたいに少しでも早くなしとげてみなの注目を浴び、褒められたい一心から、自分の命まで投げ出してしまうことになりかねません」(ドストエフスキー著、亀山郁夫訳『カラマーゾフの兄弟1』光文社古典新訳文庫、p.152)


今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。 これからもていねいに書きますので、 またあそびに来てくださいね。