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おきのえらぶ滞在記no.5 -どこに住んでも・・・-

思い込みだった「島」のイメージ

沖永良部島への旅行は、自分にとって人生初めての離島への旅でした。

緊急事態宣言中だったので、おおぴらには言いにくいですが…

当時、私は新卒で務めた会社を何の計画もなく退社(8カ月で)したばかり。毎日遊んでいたので楽しいのですが、これからどうやって働いたらいいんだか、どうしたらよいかわからなくて、不安でした。

そんなとき、沖永良部島のことを聞きました。

自分の住んでいる東京から離れることで、一旦リセットして次の動きに映れるような気がしたので、行くことにしました。

行く前には、どちらかというと「のんびり」した場所、といったイメージをもっていましたが、実際に行ってみると、新しい仕事のスタイル、作品、作物を生み出す活動的な人が多い町。という印象でした。

このページでは、旅行中に島で出会った方々から私が感じたことを書きます。

移住と子育て

ちなみに、今回の旅行では、特に移住を経て島に暮らしている方との出会いが多かったです。

行政の後押しもあり、増加している移住者数。その経緯は、主に下のように分けられるといわれています。

島の出身で、進学や就職で島外に行ってから島に戻る人/島外出身で、島に移住した人/島同じく島外出身で、血縁がきっかけとなり島に移住する人

島の自治体は移住を検討中の人のために、雇用情報、移住者インタビューなどを専用のサイトで紹介しています。

くらすわどまり http://www.kurasu-wadomari.info/okinoerabujima

島で移住者のかたに移住の理由を伺うと、「子育てがしやすい」という話が多く聞かれました。子供たち同士のしがらみも少なく、良い人間関係で成長できるというのです。

確かに、そうなのかもしれません。

例えば、私は島でサイクリングをしている途中、すれ違う小学生・中学生に「こんにちは」とあいさつをされました。東京では、知らない人を見たら目を合わせないようにと教わることもあるくらいです。人との距離感が、東京都は違うのだろうな、と思いました。

大自然がすぐそばにあることも、子供が育つのには良い環境なのだと思います。私は、海や、畑を見ていると、心が落ち着きます。

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島外の社会とのギャップ


ただ、子育てをする人の不安として、「島で子育てをすることで、島の外の環境、特に都市部での生活に順応しにくくなるのかもしれない」という声も聞かれたことが印象的でした。

一概にいうことはできませんが、例えば仕事や勉強。島では、競争する必要が意識されにくい。しかし、都市のように人口が多いところでは、望んでいてもいなくても、競争が必要になる、と。

進学や就職で島の外で生活したことがある人は特に、その違いを感じるそうです。


また、そもそも、島の外に出る選択自体、誰もがすることではない、という人もいます。

島で育ち、現在は東京の企業に勤めている女性は、「子供の時は職業の選択肢がほとんどイメージできなかった」そう。島内の仕事は、農業・漁業、もしくは先生や役所など、限られた職種だったためです。

でも、だからこそ、小学校の子供たちに向けて働き方についてのスピーチを行うなど、次の世代に伝える方法を模索していると話していました。

島で出会った大人の人

島では、その女性のように、島でなにか働きかけようとする人々が魅力的でした。

最後に、島で出会った方をもう少しだけ紹介させていただきます。

↓沖永良部島の、ふとした日常を歌詞に込めて歌うバンシローズさん。写真はVo.カナキヤスヒロさん(左)とSax.タカフ勝一郎さん(右)。

ミュージックビデオ撮影を見学させていただきました。

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「クロムシの歌」という、島の家庭によく出てくる虫を歌った歌があるのですが、虫を見たことないのに歌詞で笑ってしまいました。

↓島に移住してからお弁当屋を起業したBENTO STANDの市部さん。

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二児のお父さんでもある市部さん。お弁当のメニューはびっくりするくらい豊富。「アボカド入りのグリーンカレー」、おいしそうでした。

↓沖永良部島に移住し、島内・外に向けて情報発信を行う、南国書斎・ネルソン水嶋さん。

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「海岸そばに眼鏡橋がある」など、観光マップには載らないスポットにも詳しい。

どこにいようと変わらない?

島の旅行を終えてみて、取材した方々から、総じて熱量を感じた一方で、私はうらやましさを感じました。

なぜ「うらやましかったのか」。それは、繰り返しになりますが私は居場所がない気分で旅にでていたからです。また、私は自分が住んでいる地域に対しても関心を持ったことがほとんどないので、島のことを語っている様子もうらやましかった。

住んでいる場所について思い浮かぶことといえば、最寄り駅の周りに無料の駐輪場があってありがたいこと、ただその駐輪場は家から少し遠く15分はかかること、そして自分の住む市には駅がひとつもないこと、等々・・・不満のほうが多いです。

でも、今回、島の生活の悩ましさを聞く機会もあり、その大変さも感じられました。

きっと、島の暮らしにも、東京郊外の暮らしにも、どこで生きようが「足りないもの」はあります。

だとしたら、どこにいるにしろ、好きなものを毎日見つけて、増やしたり、深めたりするような生き方がしたいと思いました。仕事も、住む場所も、一緒に時を過ごす人も。

今の私は「住みたい場所」に関してピンとくるものはありません。でもそのうちに、いつか根を下ろしたい場所ができるのかもしれません。そうなったら、楽しそうです。

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終わります!


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