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色彩の魔術師がくれたエール〜スギサキさんのカラーレッスン、最高です!

ついに、スギサキさんのカラーレッスンを受けてきた。Rascalさんと一緒に。Xで同行希望の方いらっしゃいませんか〜?と何気なく呟いてみたら真っ先に手を挙げてくださり、とても嬉しかった(その節はありがとうございました!私信)。


カラーレッスンを受けるまで

診断系は別に受けなくてもいいかな、なんて思っていた私がスギサキさんのレッスンに強い興味を持ったきっかけは、dmsさんのレポ。

2色の色に両手を置きながら、手が手前に見えたり奥に見えたり、両手の見え方が違ったりして、錯視だ!と思った。カラー診断って錯視のお話なのか、と気がついた(あくまで私見です)。

強調は筆者

錯視?!?!何それめっちゃ面白そう。

色の見え方を「錯視」と表現されるdmsさんの感性がツボだったし、これはいわゆるカラー「診断」とは何か違うぞ?と思った。他の方のレポでも、スギサキさんが受講者をモノに例えている(dmsさんはお豆腐!)くだりには以前から興味をそそられていた。そこへ登場した「錯視」という(私的)パワーワード。

こうなるともう、スギサキさんの「世界の捉え方」が気になって仕方ない。色にまつわる話をしただけで、昔から付き合いがあるわけでもない相手の本質を見抜いてしまう洞察力。それを一見なんの関係もない「モノ」と結びつけてしまう発想力。さらに「錯視」と表現される色の見え方・見方を伝授してしまうスキル。

スギサキさんに、お会いしたい(もちろんdmsさんにも)。

いてもたってもいられず、dmsさんにDMをお送りした。残念ながら日程が合わずレッスンはご一緒できなかったが、以来、試着旅やyee展示会で最高に楽しい時間を過ごさせていただいている(またお会いできるのが待ち遠しいです!私信)。

知りたかったこと

私がスギサキさんにお聞きしたかったのは、主にメイクのこと。だって服は着てみりゃまだわかるけど、コスメって肌に乗せたら全然色が違うから。

私は圧倒的コスメ弱者で、これまで「ベスコス1位をとりあえず買う期」→「産後ノーファンデ・顔どうでもいい期」→「カウンターで好みの見た目2〜3種を試してより良い方を選ぶ期(自分的にはめっちゃ頑張った)」という変遷を辿ってきた。

それでもカウンターでは「お好きなお色味はどちらですか?」って聞かれちゃうから、パケの見た目で選ぶしかない。付けたら落とさないと次を乗せられないから、一度にそこまでの数も試せない(次の人も待ってるからゆっくりしづらいしね)。だから一度、似合う色とパケの見分け方をプロに聞いてみたいと思ったのだ。

ところが、受講直前にまさかの衝撃が。

イエベ春だと思い込んでいたのに、まさかのイエベ秋転生。自分では選ばず着たことのなかった秋カラーが凄まじく似合う現実を、これでもかと目の当たりにした。どうやら私は試着の旅に出かけても、無意識にとある一画だけしか見てこなかったらしい。コスメもそう。今まで私、ものすごく狭い世界で生きてたんじゃないの?

これからはもっと自由に、もっと広い範囲を見られるように、「似合う」のカラクリと心の反応を知りたい。似合わない色を切り捨てるためじゃなく、どう付き合っていくかを考えるためにこそ、知識を身に付けたい。もっと自由に色と付き合いたいし、自分の世界を広げたい。

最終的にはそんな思いを胸に、スギサキさんのアトリエに向かったのだった。

学んだこと

結論から言うと、そんな私の願いはいともたやすく叶えられた。しかも思っていたより遥か斜め上、そりゃもう凄まじく高いレベルで。

この記事では具体的なレッスン内容には触れず、レッスンを通して私が理解できたことにフォーカスして書いていきます。何をするか気になる!という方は、「スギサキ」「カラー診断」でnote内検索してみてくださいね。

1. 私も自然界の一員だった

レッスンを終えて、そもそも色ってどうやって見えるんだっけ?が猛烈に気になったので調べてみた。こちらのサイトが分かりやすかったので、ちと引用。

光でないもの(中略)は、ものが光を反射した色が見えているのです。真っ暗な部屋では色が見えないどころか、ものの形も分かりません。これは、物体が光を全く反射していないからです。(中略)

光を十分に受けると、物体の色が見えます。この色は、その物体が反射している光の色です。たとえば緑の木の葉は、太陽や電球の光を受けると、その光のうち緑色の光だけを反射します。それ以外の色の光は物体が吸収してしまうのです。こうした反射光が私たちの目に届いて、「色」として見えています。

強調は筆者

物体は光に照らされると、その光の中のある色を吸収し、吸収できない色を跳ね返す。その跳ね返った色を見て、私たちはそれが「物体の色」だと認識する。つまりめちゃくちゃざっくり言うと、物の色は「何色を吸収するか」と、光をどの角度で跳ね返すか≒「表面のテクスチャー(ザラザラかツルツルか)」によって決まる。

なんのこっちゃと思われるかもしれないが、こう考えてみてほしい。この法則は、私たち人間にももれなく適用されるのだ。

地上のあらゆる物と同じように私達一人一人も、「何色を吸収するのか」、そして「(肌が)ツヤとマットどちらに近いのか」というそれぞれに異なる性質を持っている。言われてみれば当たり前のことなのだが、レッスンを受けるまで「自分にも色がある」という視点がすっぽり抜け落ちていたことに気がついた。

2. 似合うを知る=自分を知る

これを踏まえると、似合う色というのは「何色を吸収するか」と「表面のテクスチャー」が自分と似ている仲間、ということになる。

似合う色は自分と同じ色を吸収して同じように光を跳ね返すから、並んでも自分だけ浮くことがない。陰よりも光が当たる部分に目がいくから、シワや血管は全く目立たなくなるし、髪にツヤが出てクマが薄れて見える。似合わない色はその反対。自分の陰影が強く出るからシワは濃く、血管は青っぽく、肌は黄色く見えてくる。

このカラクリがわかると、「似合う」を理解するには色見本を机に並べてためつすがめつ眺めるよりも、自分の手や顔を近くに持っていって自分がどう見えるかを確認した方がずっと早い、ということに気づく。つまり、自分の外側にある色ではなく、自分自身の色を知るのが何よりの近道というわけだ。

じゃあ、自分の色ってどうやって知ればいいんだろう?これはやっぱり自分一人ではよくわからなくて、他の人の色と比べた方がわかりやすい。ちなみにこの日集まったのは、イエベ春のスギサキさん、ブルベ夏のRascalさんにイエベ秋の私。ちょうどバラけていたので学びは多かった。

中でも肌の質感の違いには驚いた。イエベ秋の肌質はマットでずっしり。私は自分が春だと思い込んでいたけれど、ほんとの春のスギサキさんと腕を並べてみたら、自分が全然春じゃないことがよくわかった。春の肌はツヤツヤで軽やか。私の肌は確かに乾燥しているけれど、そういうレベルじゃなくてそもそも光を反射できる量が全然違う。触った感触も全く別物。

私、やっぱり自分のこと全然知らないんだな。「似合う」を聞きに来た結果、まさかの「まずは自分を知るべし」返し。何やら自問自答っぽい匂いがするね…?

3. 自分をクローゼットの中に入れる

私に「似合う」のは、カーキ・オレンジ・茶など、ざっくり言うと自然界で採れる美味しそうな食べ物の色(トップ画像参照)。でも私が一番好きなのは、全然食べ物の色じゃないロイヤルブルーで、これは当然「似合わない」。

似合う色は、好きじゃない。好きな色は、似合わない。

以前の私なら、多分ものすごくショックを受けていた。青が着られないなんて!と悲しみに暮れていたかもしれない。でも、この日は違った。というのも、周りの色より自分の色の変化に注目していたら、自分以外の色のことを特にどうとも思わないのだ。「好き」とか「好きじゃない」とかがなくて、何色でもニュートラル

今まで私は服を選ぶとき、言ってみればクローゼットの外側にいた。自分の色は全く目に入っていなくて、クローゼットに並ぶ服や小物の色だけを見て、それをどう組み合わせるかだけを考えていた。「自分の色」と「服の色」を合わせてコーディネートするという発想は全くなかった。

だけど現実には、私のコーデにはどうやってもいつも必ず「自分の色」が入る、ということにこの日初めて気がついた。この視点に立つと、服を着て鏡の前に立ったときに、真っ先に服の色を見るのではなく、自分の肌や髪からスタートして全身を眺めるようになる。これってすなわち、まんま「自分軸」じゃないだろうか。

4. トータルバランスで考えよ

そうなると、似合わない色だって全身でバランスを取れば着られるんじゃない?という発想になる。私にその勇気をくれたのが、こちら。

エルメスのカレジェアンカシミヤシルク、通称カシシル。初めてエルメスに足を踏み入れてから約1年、購入を迷いに迷った挙句ついに手に入れた、私にとって最高の一品だ。

11月、とりあえず試着だけでも、と恐る恐る店頭に出向いたところ、初手でこれ以上ない好みの色(ロイヤルブルー!)と柄(どこか海っぽい!)に出会ってしまった。その1ヶ月後、長かった仕事の山を越えたことを言い訳に、3回目の来店で清水から飛び降りたのだったーーカラーレッスン前だったけど(別途note書きます→書きました)。

このカシシルに関しては、万が一「似合わない」判定をされたとしても別に構わないと思った。あまりに好きすぎるから、「人にどう言われたっていい、好きだから使うもん!」と言い切ってそのまま着用するつもりでいたし、この日もカラーレッスンのお供に連れてきていた。

ところが蓋を開けてみると、スギサキさん曰くこのカシシル、ロイヤルブルー以外全部私に似合う色なのだった。なんなら私に馴染む色総出で取り囲んだ結果、ロイヤルブルーが周りから浮かび上がる形になっていて、一番好きな色が一番引き立つ最高の配色なんだとか。「大丈夫、ちゃんと選べてますよ」と太鼓判まで頂いた。

今回は完全にラッキーショットだったけど(とはいえ店頭で複数試着した中で一番しっくり来てはいたんです…モニョモニョ)、この一件で「好きな色が自分の対極にあることを逆に利用する」という手もあるのか、と思わぬ学びを得た。

そう、似合う色がわかったからって、全身似合う色だけで固めてしまうと何やらのっぺりしてしまい、逆にあんまりオシャレじゃない。だからこそ強弱をつけることが大事になってくるし、そのつけ方にこそ個性が出ると言う。これがスギサキさん流、「峰不二子理論」だ(気になる方はぜひレッスンへ!)。

要するに全体でどうバランスを取るかという話だし、逆にどこを目立たせたいかという話でもある。どちらにしても、鍵になるのは自分自身。まずは自分の色と仲間の色を知ること。そしてなにより、何色をどんなふうに着たいかを自分の中で決めること。それさえできれば、後はどうとでもなる。

これこそが真のマリーアントワおしゃれさん、「好きなもの着ればいいじゃない」だ。その真意は、「似合ってなくたって好きなんだから着ちゃえばいいじゃない」では断じてない。「どんな色(やアイテム)だって自分の味方にしちゃえばいいじゃない」という意味だと気がついて、鳥肌が立った。

ここは、新しい世界線。そして私を含めて誰にでも、その地平は開かれている。

5. 夕方5時に顔色が死なない魔法

気になっていたコスメのことも、ちゃんと聞けた。コスメは肌に直接付けるものだから、最初に書いた「ある色を吸収して、ある色を跳ね返す」という色の見え方の仕組みを一番如実に実感することになった。

まあ、ごちゃごちゃ言わずにご紹介しましょう。私に似合うアイカラーとリップはこちら。

色の再現めっちゃむずい、アイカラーけっこう実物と違う

…中学男児の食卓ですか…?ってくらい、茶色い。いやこれ、知らんかったら選べんやろ。コスメ強者ならいざ知らず、ウブな(?)初心者がこの色を手に取ることってまずなくない?たいていカウンターの隅にある「嘘でしょこの色出し」ゾーンがまさか自分にドンピシャだったとは。

長年の謎だった「見た目と発色全然違う問題」は、コスメの色の中から私が自分の体に持っている色が差し引かれて、残った色が肌の上で発色するのが原因だと解説される。イマイチよくわからん。が、論より証拠。これらを塗ってみると、夕方5時になっても化粧直しゼロで顔色が良いままだった。

実は私ハタチくらいからずーっと、メイクしてても夕方になると急に疲れたすっぴん顔になることに地味に悩んでいた。それがなんと、急に解決してしまったのだ。

おそらく鍵はアイカラー。似合う色だと瞼が目より引っ込んで見えて、顔の中で一番光を反射する瞳が自然と目立つ。似合わないアイカラーはその逆で、瞼の方が目立つから目の印象が弱くなる。それでも塗り立てはアイカラーの色自体を愛でる余地があるけれど、色落ちしてくるとただただ瞼がぼんやりぼってりしていたんだな、と振り返って気がついた。自分では絶対に気づかなかったであろう盲点。

ちなみに、チークはこんな感じ。左が今まで私が使っていたもので、右がレッスン後に買ったもの。左を塗ると肌とは別物のオレンジが乗っかる(それでもかわいい色だと思っていた)のに対し、右は肌の内側から発色する感じ。一見塗っているかどうかわからないくらい自然なのに、明らかに塗る前より顔色が良くなる。

っていうか机が茶色いよね

私をモノにたとえると

一通りレッスンを終えて、お待ちかねの「私をモノにたとえてください」タイム(QAの時に聞いてみた)。スギサキさんの答えは「はちみつ」。その理由をこんなふうに教えてくださった。

「はちみつって、冷えたら固まるじゃないですか。私、展示会の時ぽたまるさんが『今まですごく狭い世界で生きてたかも』って呟かれてたの、すごくよく覚えてるんです。あの時、私のぽたまるさんの印象はそうじゃなかったから

えっ?

「ぽたまるさんて、ほんとはすごく柔軟な方だと思います。はちみつって、本来柔らかくてどんな形にでもなれるじゃないですか。たとえこれまで固まってたんだとしても、ぽたまるさんはどんな風にでも広がれる人だと思う。今日も、ぽたまるさんの柔軟性を信じてかなりイレギュラーなお話をたくさんしましたよ」

横で、Rascalさんが首をぶんぶん縦に振ってくださっていた。びっくりしすぎて、その場ではうまく言葉が出てこなかったけれど、今思い返して、なんて嬉しいことを言っていただけたんだろう、と胸の奥がじんと温まっている。

だって、自分の世界を広げたい!とカラーレッスンにやってきたら、「あなたには十分できるはず、だってそれがあなたの本質だから」と言っていただけたのだ。私にとっては最高のエール。これ以上の伏線回収があるだろうか?

教室を終えてからこれまで、「かわいい」「セクシー」「コンサバ」と、試着を通して未知の扉を少しずつ開いてきた実感はあった。

今度は「色」なのかもしれない。ファッションって、というより世界って、私が思っているよりきっとずっと広くて、自由。私のまだ知らない私に、これからもっと気軽に楽しく出会いに行こうと思う。

「ぽたまるさん、もったいないですよ」

…はい。スギサキさん、Rascalさん、長時間本当にありがとうございました!

以上、スギサキさんご本人のご了承を得て書かせていただきました。スギサキさんのカラーレッスンは現在、リアル友人知人からのご紹介のみ受付中で、同業者の方の受講はお断りされていますので、悪しからずご了承ください。


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