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1/1000000〜骨肉腫と戦う息子〜 「ぼく、癌なの?」

2023年の2月に骨肉腫の診断を受けた12歳の息子の想いのために書き記しています。

「腫瘍の疑いがある」と先生に言われてから、学校は念の為、リモート授業にさせました。一緒にいたい気持ちが強かったのと、教室のある4Fまで歩かせたくなかったから。それに、おそらく友達から誘われたら遊んでしまう

がんセンターに行く月曜日までの日々はとても辛かった。「何もわからない」というのが1番不安であり非常に怖いです。この時代、何でも調べられるだけに、「骨肉腫」と打ち込むだけで様々な情報が目に飛び込んできます

「死」という文字がこれだけ怖いと思ったのは生まれて初めてかもしれません。自分で言うのはなんですが、私は約10年前にうつ病にもなってから、精神的に脆く、普段もちょっとしたことで沈んでしまうタイプ

今回もネットに落ちている情報を頭に入れていく度に、食事も喉に通らなくなっていきました。そんな不甲斐ない私に活を入れてくれたのは、ずっと支えてくれている奥さんでした。

まだ専門の先生に診てもらっていないのに、最悪のことばかり考えてどーすんの?ネットの情報には本当のこともあれば嘘だったあるんだから!」と。全くその通りです。サイトによって書いてあることが異なり、真実の情報がどれなのか混乱します。

その中の印象の強い怖い情報だけが頭に残り、悪循環を生んでいたのは明白でした。その言葉で私も目が覚め、月曜日まではネット情報をシャットダウンし、診察まで待つことにしたのです。

次男を学校に送った後、息子、奥さんと3人でがんセンターへ。息子には「がんセンター」に行くとは伝えておらず、「大きな病院で詳しく検査してもらう」とだけ伝えていたので、病院の看板を見た息子が

「ぼく、癌なの?」

と後部座席から聞こえてきたときはドキッとして、言葉に詰まりました。おそらく奥さんも一緒だったと思います。「癌と決まったわけじゃないよ。」それしか言えませんでした。癌じゃないとは言えないし、何よりも嘘は付きたくなかったのです。

病院に着くと、息子のような若い子の姿はなく、年配の方がほとんどでした。診察を受けるためにひたすら待ち、やっと名前が呼ばれました。そして事前にMRIの画像と紹介状を見た先生から言われたのは

「腫瘍です。骨肉腫の疑いが強い」

1番聞きたくなかった言葉が返ってきました。整形外科の先生の見間違いであってほしいとずっと願っていた糸がプツリと切れた瞬間でした。それから先生は淡々と説明をしていますが、全く頭に入ってきません。

私達家族にとっては当然初めてであり、受け止めづらい言葉の数々が飛び込んでくるのでもうパニック。なんとか把握できたのは

・出来る限り早く入院して病気を確定させるための手術が必要
・3日後に入院のためのPCR検査を受ける
・早ければ来週に入院

早すぎる展開が逆に骨肉腫の恐ろしさを物語っているように感じました。
そして息子を先に診察所から出して、私1人が残り聞いたのです。

「息子は中学から地元のクラブチームに行く予定なのですが、この先、サッカーは出来るのでしょうか?」


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