紫山星竹

29歳元OL現在無職。 自分の気持ちを整理する為に書き始めました。 初めて物語を書くの…

紫山星竹

29歳元OL現在無職。 自分の気持ちを整理する為に書き始めました。 初めて物語を書くのですが、とても楽しいです。 誤字、脱字があり申し訳ございません。 余裕が出て来たら、改めて修正します。 現在、ワーカーホリック 心酔する愚者 を執筆中です。

最近の記事

ワーカーホリック 心酔する愚者 2章ー②

私と佐藤は、お蕎麦屋さんに到着後、女将さんの案内で、2階の個室席に座った。掘りごたつになっているので、足が伸ばせて嬉しい。 ここは事務所から近く、お昼のランチのお蕎麦が美味しくてよく使っている。 席に座り、女将さんが温かいお茶とお手拭きを渡しながら、注文を聞いてきた。 私と佐藤は季節のお蕎麦御膳を頼んだ。佐藤は盛り蕎麦を大盛りにし、私は盛りからかけに変更する。 女将さんが扉をしめたタイミングで、私は佐藤に話しかけた。 「それで、ターゲットはいまどこにいるの?私がエレベー

    • ワーカーホリック 心酔する愚者 2章ー①

      11月19日 8時00分 スマートフォンのアラーム音で起きる。 だがユリカは起き上がらず、下半身に手を伸ばす。 がりがりがりがりがり。 ユリカは今右手の伸びっ切ったジェルネイルの爪を見ながら、左手パンツの上から、下から上に掻きむしっていた。掻きむしるのに丁度良い。あぁ股が痒いって本当に面倒だ。17日の接客後に風呂場で小陰茎に白い出来物ができたから、また何かの性病だろうと思い、また病院に行かないと、その前に店に休みの連絡をいれないと。 でもそれは、あとででいい。 今日はカ

      • ワーカーホリック 心酔する愚者⑪

        「精液ホストって・・・、なんかもう、あの掲示板の資料みてから嫌悪感より、疲労感の方がつよいわ」 わたしは眉間を押す。赤の他人の性事情なんて、仕事が関係なかったら知りたくもない。さすが有名なクラブのホストだからか、ターゲットが書き込みした内容に対するコメントの嵐がすごかった。ホストに対する嘆き、怒り、コメント主に対する批判、そしてそれでもホストを信じるコメント、よく橋本さんは5枚にまとめたよな。と感心してしまった。恐らくもっと書かれていて、だいぶピックアップした枚数だろうと思う

        • ワーカーホリック 心酔する愚者⑩

          「それで、いったい何があった?」 ビルの前から出発して5分、国道を運転する佐藤は、私に話しかける。私は助手席の窓に頭をよりかかりながら、国道沿いのお店を見眺めていた。私は姿勢を戻してSにこたえる。 「2個ある。1個はエレベーターでセクハラ、もう1個は梨本さんからのチップの入金」 「セクハラがめちゃくちゃ気になるけど、梨本さんの件から聞くわ」 佐藤はにやにやしながらきく。 「Sが・・・佐藤くんが先にビルから出た直後に、梨本さんから入金があったでしょう?私はスマートフォン操作する

        ワーカーホリック 心酔する愚者 2章ー②

          ワーカーホリック 心酔する愚者⑨

          エレベーターが開き、私は9階へ降りた。 そのまま障子サイズの液晶画面の前に立ち、佐藤に電話をかける。 佐藤は1コールで電話に出た。 「もしもし、どうした?もしかして迷った?」 「ごめん、おねがいがあるの。車をこのビルに横付けできる?それで着いたら車の中から確認して欲しくて、その、もしその場にカトウアイが近くにいたら・・・エレベーターの傍まで私を迎えにきて。」 「別に構わないけど、なんで?」 「事情は車の中で話す。もう駐車場から出た?」 「ちょうど精算が終わって出ようとしたとこ

          ワーカーホリック 心酔する愚者⑨

          ワーカーホリック 心酔する愚者⑧

          疲れたーと佐藤は両腕、両足をのばす。そして立ち上がり、資料を岩田に渡して、コートを着始めた。 「資料自分で持っておかなくていいの?」私はカバンにタブレットをしまいながら、佐藤に声をかける。 「全部覚えた。」 「怖っ。これだから天才は・・・」 私も立ち上がり、コートを着る。すると私の着替えが入ったボストンバックを佐藤がもってくれた。 「あら、優しい。なんの気の迷い?」 「気の迷いって、いつも僕は紳士だ。ところで車できたから先に駐車場に向かうけど、お前もどうせ事務所に戻るだろ?事

          ワーカーホリック 心酔する愚者⑧

          ワーカーホリック 心酔する愚者⑦

          「野田さん、この金額の説明をしていただいてもよろしいですか?さすがにすぐにYESとは言えません。] 赤城は村山にも資料を渡す。村山も跳ねるように驚いていた。その様子をみて、隣にいたカトウアイは覗き込むように資料をみていた。 資料を見た下部のカトウアイの表情は急に暗くなった。 私は気にせず、赤城に話す。 「はい、今回の依頼料の内訳ですが、まず処理対象1人です。そこに基本料金とキャスト4人分の機密保持料、業務日数×5日、雑費を含め 計5,760万円でございます。」 「いやいや

          ワーカーホリック 心酔する愚者⑦

          ワーカーホリック 心酔する愚者⑥

          佐藤の発言を無視して、私は梨本に伝える。 「今回の経緯が分かりました。説明ありがとうございます。もう1つ、先ほど今回の資料を作成するのに社内のネットワークを使わなかったということでしたね。それは八戸橋議員が絡んでいるからですか?」 「いや、それは少し違う。私の組織は、恐らくこの国で1番ネットワークセキュリティが強い組織だ。ただ今回の件の前にシステム変更があってね。ダウンロードに時間がかかるのと、安全性のチェックに時間がかかるから、急遽別のパソコンを用意しただけさ。もちろん

          ワーカーホリック 心酔する愚者⑥

          ワーカーホリック 心酔する愚者⑤

          「梨本さん、今回の件は勿論お受けしたく存じます。ですが、いくつか確認させてください。」 「もちろんだ。何でも聞いてくれ。」梨本は体勢を私に向ける。 私は資料を見ながら、タブレットでメモ帳を開く。 「まず今回の件、4人のキャストが掲示板に書かれたのが11月7日、プロバイダーに開示請求をしたのが11月15日、そして書類がお店に届いたのが11月16日ですが、今日は11月18日です。梨本さんは11月7日にはこのことをご存じだったのではないのですか?」 私は梨本に目線を移す。 「その通

          ワーカーホリック 心酔する愚者⑤

          ワーカーホリック 心酔する愚者④

          「これってどこまでが本当なの?」Sこと、佐藤はホストクラブのキャストたちに向かって投げかけた。 だが、全員は返事をしない。それどころが目を合わせようとしなかった。様子を伺っているのが、それとも後ろめたいから、反応を出さないのか。まるで授業で先生に当てられないように、4人とも顔を少し下に向けている様子は気味が悪いと思った。 少しの沈黙のうち、店長の村山がこたえた。 「どこまでが本当と申しますと… まず掲示板の内容はすべて事実ではありません。本人たちにヒアリングをした結果、一部虚

          ワーカーホリック 心酔する愚者④

          ワーカーホリック 心酔する愚者③

          岩田の紹介から今回のメンバーの人数と名前が明らかになった。 警察庁からは梨本、岩田、橋本、ホストクラブは社長の赤城、店長の村山、そしてキャストと呼ばれるホストクラブの従業員カトウアイ、ナイン、深山シン、タカと呼ばれる4人であった。 そして「厚生労働省の外部協力の機関より、こちらのお二人にきていただきました。」岩田が私とSに視線を送った。 よろしくお願いいたします。と私は返事はしたが、Sは小声で厚生労働省の外部機関ってと笑い出したので、思わずSの靴を踏み抜いた。 Sは痛いっと表

          ワーカーホリック 心酔する愚者③

          ワーカーホリック 心酔する愚者②

           エレベーターの扉が開き、Sが先に降りていった後に私も続く。真っ先に目に入ったのは巨大なモニターだ。障子一枚分のモニターがエレベーター前に3つ並んでいたのだ。まるで駅の広告画面のような大きさだなと。思わず声が出た。おおそらくここに従業員の映像が流れるのであろう。いまは営業時間外だからか、映像は流れていない。そんな画面の前で私が立ち止まっていると。Sからこっちだぞと呼ばれた。Sの方を向くと、入り口の目の前で黒いスーツを着た男性が私とSに対して深くお辞儀をした。 「おはようござい

          ワーカーホリック 心酔する愚者②

          ワーカーホリック 心酔する愚者①

           朝の繁華街は抜け殻のようだ。大宮から新宿に向かう電車でだいぶ潰されながら移動した分、人がいない繁華街の大通りは余計に静けさを感じてしまう。待ち合わせは時間は9時50分。私はスマートフォンをカバンから取り出す。画面は9時43分を指していた。目的地までは時間ぴったりに着くぐらいかな。と思いながら、ひたすら大通りを進む。途中目印のコンビニの角に立ち、カバンからスマートフォンで位置情報と目的地を確認する。あと3つ先の信号の角の正面ビルだなと思い、歩こうと思ったところ、コンビニの入り

          ワーカーホリック 心酔する愚者①

          デブに人権はありません

          私がデブと自覚したのは7年前、当時販売員であったころに売り場内の通路ですれ違うのに苦労したからだ。それまでは下半身が太いと思っていたけれどスキニーは履けたし、タイツも普通に履けていたので気にしていなかった。 しかし当時の店長とウマが合わず、暴飲暴食とむくみケアをまったくしなかった為、下半身は膨張、3年かけてみるみるうちに膨らんできた。  ある日の休憩時に外でご飯を食べるようになったとき、股ずれに気がつきトイレでズボンをおろしたら、縫い目に沿ってズボンが見事に裂けていた。私

          デブに人権はありません

          無拍

          最初から分かっていたはずだった。 私も鍵盤の一部でしかないことを 綺麗に音を出せば、貴方は近づいてきてくれる。 音を出せなければ、見向きもしてくれない。 貴方は鍵盤にどんな調整も求めるのに 貴方は滑らかに私たちに嘘をつく。 知っていたのだ、知っていたのだ。 欲しい言葉は絶対にくれない ただ私の心をただ掻き鳴らす。 ご飯だけじゃなく、旅行にも行ってほしい 旅行だけじゃなく、付き合うといってほしい 付き合うだけじゃなく、一生そばにいてほしい 気持ち悪いくらい、欲望しかで

          可哀想に

          あなたはとっても可哀想 命を削って頑張っていたのに 頼れる人はいなくなってしまった あなたはとっても可哀想 突き詰めた努力と殺した感情 演じた自分は全て無駄になってしまった あなたはとっても可哀想 どんなに見た目を着飾っても 女たちはあなたを裸にしたくて堪らない あなたはとっても可哀想 虚勢もプライドも 目標の前では全て捨てなければならない あなたはとっても可哀想 理想と現実が噛み合わなくて 逃げても逃げても追い詰められる あなたはとっても可哀想 あなたを理解できる