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これにてお開き!!!「アクアマン 失われた王国」


#ネタバレ


1ヶ月前に観て、覚え書き程度のメモを残すのみにしてしまってたこれ
のひとつなんですが!これに関しては思いが強すぎて既にあれこれ書き散らかしてました



堂々たる完全敗北宣言、ここまで開き直ってくれるならこれはこれでひとつの到達点かもしれない

DC映画としても、そもそも1本のアクションSFとしても仕上がりがひどすぎる、体感7時間を余裕で超える退屈さ
ここまで徹底的につまらない映画は久しぶりに観た、ジェームズ・ワンが撮った作品だとはとても思えないし思いたくない
いわゆる失敗した続編とかそういう次元じゃない、あらゆる点で最悪だとさしあたり初見の今は感じてる、勘弁してくれ


前作は好きなんです本当、海中版スターウォーズとも言うべきフレッシュなデザイン、バキバキに格好つけた画作り、ワンカットかつ見やすいアクションのたたみかけ、王道で爽快なストーリー

話が停滞してくる直前に何かしらが大爆発して急速に展開する、という驚異のメソッドも話題になったし毎回ちょっと笑ってしまう

ただCG表現がだいぶヌルッとして気持ち悪い、若返り表現とか普通に違和感しかない部分もありはした
そこも含めてDC映画の中でも特に異質、奇祭という位置づけの怪作であり快作だとは思ってる


で、今回ね〜冒頭3分はそれらのテイストをばっちり引き継いだ強烈に味の濃い展開で、アクアマンの魅力をばっちり紹介してくれたのは最高だった、わくわくしながら観てた

ところが…話が進むにつれ、ヴィランであるブラックマンタ周りの話がやたらと鈍重な割に何も深まらないこととか、似たような展開が繰り返されることだったりで、どうにも雲行きが怪しくなっていき
その雲は結局最後まで晴れることなく、ただ退屈で雰囲気だけシリアスなドラマが延々と垂れ流される始末

しかも中心人物たちが無駄にゾロゾロと連れ合いながらあちこち行く作劇も普通にノイズ、全員行く必要なくない?ってことばっかりで散らかり放題だった、片づけをしてくれよと


もちろん途中途中ではね、目を離せないほど迫力のあるアクションやロケーション、楽しい海中バンドなんかの見どころも満載ではあった

これほど情報過多でスピーディーな舞台立てがある中で、動きや状況がすっきり整理された見やすいアクションに仕上げてくれてたのはやっぱりジェームズ・ワン仕事という感じで嬉しかったけどね…

海中高速道路とか、乗り物まわりのデザインとか機構も新鮮でよかった、ドルビーシネマは大正解


まぁ今回そもそもヴィランが大ボスに操られてしまってるので!!!せっかく前作から引き続きで本来の執念も持ち合わせてるのに、それとはあんまり関係ない暗躍をするばっかりで…
しかも大ボスの方もそれはそれで雑な動機がこれまた全く魅力的でない、そういった理由から物語の縦軸がとにかく弱い

ただこれ「大ボスによる支配」という点にいろいろとメタな解釈を思い浮かべるのはさすがに考えすぎだろうかとも思いつつ、ワーナーがやりたい放題やってきたDC映画のあれこれを思い出さずにはいられなかった
最後の取ってつけたような平和へのメッセージも物語と全然関係ないように感じられたし


シン博士の人間的な葛藤が絡むのとかはよかったけどね、あと最後の最後でブラックマンタが信念を貫いたのも好きではある
メラが赤いバラを食べ、オームがゴキブリを食べる、この対比ももう少し何とかならなかったのかな〜単なるギャグなのもまぁ好きだけど

話をこれ以上広げないためか、大人の事情にまみれながら度々カメオ出演してくれてたヒーロー勢も今回は完全に不在、ジャスティスリーグのジの字も出ないのでもはやユニバース感さえなくなってしまってる


ラストシーンについては恐らく世界中ほとんどのアメコミ映画ファンが同じような受け取り方をしたんじゃないだろうか
そこに賛否はあるだろうけど個人的には!!!ここまでやってくれたらもうハイタッチですという感じ、笑顔で悔し涙を流しながら肩組んでくれる感じがとても好きでした



「アイアンマン」という決定的な大成功からスタートしたマーベル・シネマティック・ユニバースの裏、その発展を追いかける形でしれっと始まりながら数々のミスマッチと失敗を繰り返し、みるみるうちに減速していったDCエクステンデッド・ユニバース

ここ10年ほどを振り返ると本当に不遇、スーパーマンやバットマンといった世界的人気キャラクターが属しているにも関わらずパッとしない作品群にはファンとしても複雑な心境になることが度々あり、経営陣の判断にやるせない怒りを覚えることも少なくなかった…バットガールお蔵入りとかまだ納得してないし

それでも大作映画として一定のヒットは飛ばし続けてきたし、それこそアクアマン1作目だってヒーロー映画史に残るべき作品だと思ってるけど

そのDCEUの仕切り直しが決定し、ついに迎える締めくくりたる本作のラストシーンを、あえてああいうノリでアイアンマンパロディにしたということはつまりですよ

世界中の映画ファン・DCファンに向けて「本当ごめん!!!!DC映画やっぱもう無理だった!!!!!!!」と清々しい笑顔で開き直りながら謝り散らかしてくれたのだと受け取った


マン・オブ・スティールで重くシリアスなスタートを切ったDCEUのラストとして、作り手側も全部分かっててやってる、最後の悪あがきでありファンへの誠意でもあると感じて嬉しさと寂しさの両方がありました



直近のブルービートルも素晴らしかったし、今後はジェームズ・ガン体制できっとこれまでにないヒーロー映画の新たな地平を切り拓いてくれることだろうと期待してる
なんなら停滞してきたマーベル映画をも超える大ヒットも全然あり得るはず!!!

これからも信じさせてほしいなぁ〜

#映画 #アクアマン #感想

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