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眺め最高!坂上から楽しむ『東京の階段』6選

 こんにちは。新潟移住をひかえ、東京での思い出づくりのために都内の名階段をめぐっているトレイルランナーです。

 これまで松本泰生著『東京の階段』の100以上の個性的な階段をまわってみて思うのは、登ってみると、急に眺望が開けて東京の意外な顔が現れる階段が多いことです。今日は、そのなかでも上からの眺めが最高な階段を6つ紹介しますね。

※「東京の階段」掲載の階段をマップに落とし込みました。こちらから

1、夕やけだんだん(荒川区)

 日暮里駅から谷中銀座へつづく、にぎやかな階段。

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 のびやかに抜けた眺望と、その先にある心地よい喧噪が通る人にワクワク感を与えてくれます。坂の下は下町の食どころや雑貨店が所狭しと軒を連ねており、インバウンドなきいまも、人々が訪れる下町きっての観光地。私もランニングで訪れているのに、下の肉屋で名物メンチとハイボールを補給してしまいました笑。

 坂名は公募され、地元の文筆家森まゆみさんの案が採用されました。私の世代だと、どうしてもおニャン子クラブの「夕やけにゃんにゃん」を連想してしまいますが、命名されたのが1991年とのことなので、少しタイムラグありますね。いずれにせよ、眺めも通りも晴れやかな、楽しい階段です。

2、不忍池を見通す階段(台東区)

 上野公園の台上から、不忍池へ抜ける広い階段。

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 池のおかげで遮るものがなく、広い眺望を誇っています。

 ちょっと前までは、池に浮かぶ弁天様への参道には露店が並んでいて、とてもわい雑な空間でした。いつしか露店が排除され、池の向こうも高層マンションが幾つも建ち、風景は一変。

 個人的には学生時代に毎日通った通学路だったりするので心中複雑ですが、変化していくのは人だけではなく、風景も階段も、ですね。令和の上野が楽しめる階段として眺めを堪能しましょう。

3、庚申坂(文京区)

 地下鉄であるはずの丸ノ内線が地上に顔を出し、それを上から眺める不思議な景観の坂。湾曲しているのもチャーミングですよね。

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 「東京名所図会」にも記述がある、歴史的な名段。由来は庚申の碑が坂下にあったからとか。60日に一度、眠らずに夜通し過ごすという庚申信仰からきています。

 それにしても、地下鉄丸ノ内線はここだけでなく、なんども地上に顔を出す珍しい地下鉄です。それだけ、東京の地形が凹凸で変化に富んでいるってことですね。

4、高輪4丁目・高輪台から下る長い階段(港区)

 雑誌の表紙になるほど、その世界では知る人ぞ知る階段です。なんといっても、眺望の先にそびえる品川の高層ビル群が圧巻。その方向に細く長い階段が続いていく様がユニークですよね。両サイドの塀も味を出しています。

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 高輪の御殿エリアから、品川の海浜地区へ降りていくワープ階段。別の世界を一瞬でつなぐのも階段の大事な役割。異なるエリアを縦断すると、自分も少しアップデートされた気になるのが不思議です。

5、不動坂(北区)

 北区田端駅の南口。映画「天気の子」の舞台としてちょっと有名になった階段です。坂の上から見る風景は、JRの大線路群を見渡します。ここからは筑波山群まで山がなく、武蔵野台地の東の端を体感できます。

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 うちの息子たちは生粋の鉄男くんなので、この坂からいつまでも電車を眺めています。

 坂名の由来は、昔近くに不動尊の石像があったから。都内の階段をめぐってわかったのは、お寺や神社って火事や地震があったとき、別の場所に移動するんです。けど、地名には残っていたりする。

 ちなみに、昔は一番下の低地まで続いていた長い階段だったそう。それがJR線路の建設で分断され、一部が今の不動坂として残されているだけとか。

 芥川龍之介や室生犀星などの文人が、好んでこの田端台に住んでいました。この眺望は、彼らの文筆活動に多少なりとも影響していたのでしょうか。

6、明神男坂(千代田区)

 最期は私の自宅近くにある、マイスイート階段・神田明神の明神男坂です。秋葉原方面に抜けており、ビルが群が一望できます。

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 神田明神というと、秋葉原が近いからか漫画やアニメフリークが集まる「萌」な神社でも有名で、それにちなんだイベントも開催されてます。たまに汗だくで走っていると謎の長蛇の列が形成されていて驚くこともあります。

 地元民にも熱烈に愛されていて、鳥居や門前で立ち止まり、一礼してすぎる神田っ子たちの姿が印象的です。

 参道にある茶店で、ゆっくり名物の甘酒を堪能するのもありですし、文京区方面に抜けて緑多いエリアを散策する拠点にもなります。

 眺望が最高な6つの階段、いかがでしたでしょうか?みなさんの好きな階段があれば、ぜひ教えてください!

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