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メスキータ展を見てきた 2019年7月

またも、午後から休みを取ってメスキータ展を見てきた。
場所は東京ステーションギャラリー。全然存在を知らなかったのだけど、東京駅丸の内駅舎にあって、1988年からあったみたい。ギャラリー周辺には東京駅の変遷がわかる模型や展示もあってこれはこれで楽しい。
今回は、メスキータ自体は知らなかったのだけど、あのエッシャーの師だという点と家族もろとも強制収容所に送られて殺されたという点に引かれて、行くことに。それにこの作品の雰囲気…目が離せない引力があるし。

多くの作品は木版画で、版画ならではの「ステート」のことを知ることができてとても良かった。絵画だと習作に近い?ちょっと違うか。
ステートは、一度刷ったあと、その版画に加筆してまた刷る、その段階のことを言うのだけど、「メメント・モリ(頭蓋骨と自画像)」と言う作品では10ステートまである中のいくつかが展示されてて、これがおもしろい。
当然、版画なので一度削ったら戻せないから、ステートが進むごとに白の割合が増える。髪の毛を表す線が最初は荒く入っているのだけど、隙間にどんどん細い線が入っていったり。作品の制作過程が見られて興味深い。メスキータがどこを重視したのか、なんて事を想像するのは楽しい。
そして、版画の線がめっちゃ細いのよ…小学校の時の彫刻刀のイメージしか湧かないので、こんな細い線どうやって彫るん…と驚く。
あとは息子を描いた作品が多いというのも可愛らしさを感じた。子どものころだけでなく、大人になっても描いてるよ。フライヤーにも使われてるこの冒頭の作品「ヤープ・イェスルン・デ・メスキータの肖像」も息子だし!
そういう明らかに家族のつながりが深そうなメスキータ一家が最後は強制収容所で殺されてしまう、という…

メスキータの作品で、後半は意図なく思い浮かんだものを描いていく、オートマティスムに近い形のドローイングが続く。
これもおもしろい。幻想的といえばそうなんだけど、どっちかというとグロテスクよりかな…ガロの漫画の雰囲気に近いというか。すごくいいなと思った作品があったんだけど、思い出せない。やっぱり図録買っとくんだった…
図録は表紙も凝ってて、多分紙も違うんだと思うけど、荷物が重くて買わなかったんだよね。あんなにこれいい!って思ったのに!
と思うと、ちゃんとアウトプットとしてこうして記録に残すのって大切なんだな。これからもちゃんと記録しよう。

東京ステーションギャラリー
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201906_mesquita.html
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/

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