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素朴絵展をみてきた 2019年7月

三井記念美術館の「日本の素朴絵展」に行ってきた。
前に地獄絵展に行って以来。この美術館けっこう好き。サイズ感もそうだけど、展示が盛りだくさん。
今回もいく時間が遅めだったので、最後はかなり駆け足でみてきた。

今回一番推されていたのはこれかな。

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はい、かわいい。

図録を読んでいると、「素朴絵」を定義し、英訳するにあたって困ったそう。「素朴」の和訳では、artlessとしているものもあるようで、artなのにartlessと定義するという自己矛盾を孕む、と。それだけ「素朴絵」が日本独特、ということらしい。

他には室町時代の『つきしま絵巻』とか、へたうまというか、いや、うまくはないんだけど、味わい深い。人体のデッサンも笑っちゃうくらいいい加減だし、みんな同じ顔だし、プロの計算され尽くした素朴ではない。現代で言うと、田辺誠一さんとかしょうこおねえさんに近いかな。

「奇想の系譜展」でもみた白隠の展示もあった!やはり独特の個性があるな。なんとなく、えぐみというか、見ていてうっ、となる。でもやさしい。

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徹頭徹尾、計算され尽くした美もいいんだけど、こういった直球じゃないアートもとても素敵。こういった絵が、ちゃんと残っているということも、大切なことのような気がする。

アートは、食べてもお腹一杯にならない。でも人を揺さぶる力があり、この揺さぶる力ってのが、稀有なもの。他で代替が効かない。私は、それを産み出せないから、こうして作品に触れるのがとても好き。


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