【常識が変わる!?】フードテックが引き起こす変化とは!!フードロスの解消や、細胞培養や3Ⅾプリンターまで。フードテックが注目される理由とは!!
こんにちは!PreVenture編集部です!
今回のテーマは「フードテック」です!フードテック食にまつわるテック技術です。最新のテクノロジーを駆使することによって、まったく新しい形の食品開発やユーザー体験を実現します。
今回の記事ではそのフードテックについてどんなビジネスモデルでどのような課題があるのか、そして日本のフードテックの現状はどうなのかということを書いていきます!最後にはフードテックベンチャーも紹介します!
フードテックに関するニュース
2022年2月23日、1食で1日に摂取する必要のある3分の1の栄養を摂取できる「完全栄養食」を販売するベースフードが第三者割当増資10億円と融資契約10億円による総額20億円の資金調達を実施をしたと発表しました。
ベースフードは「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに」をミッションに掲げるフードテックのスタートアップです。2017年にサービスを開始して以降順調に定期購入ユーザーを獲得していき、2022年2月の月額定期購入者数は10万人を超えています。
ベースフードを始め多くのフードテック企業は巨額の資金調達に成功しています。近年、フードテックは急速に私たちの生活に根付いてきました。フードテック産業は今、非常に注目を集めています。
フードテックの注目度
フードテックの市場規模は今後も大きくなっていくと考えられています。2017年のフードテック市場への投資額は100億ドル(1兆1,000億円)を超えています。投資家がフードテックに注目する理由には「新興産業」・「ビジネスとしての可能性」・「社会的意義」の3点が関係しています。
依然として新興産業であるから
フードテック産業は依然として新興産業です。市場が成長している段階で、圧倒的なシェアを獲得しているプレイヤー多くありません。そのため、参入障壁が低く、十分な利益を得ることができる可能性を秘めています。
ビジネスを始める時の戦略として、誰も手をつけていないところに手をつけ、その領域のパイオニアになることは一種の手段ですが、フードテック産業はこれがまだ通用する可能性を秘めているのです。
ビジネスとしての可能性がある
フードテックは人口増加と深く関係します。
現在、世界の人口は増え続けています。「世界人口白書2021」によると、最新の世界人口は8億7500万人に上ります。10年前の2011年より8億人以上増加。さらにその後2030年には、85億人以上に達するとの予想が。今後人口は急激に増加すると予測されています。
人口の急激な増加に伴い懸念されているのが食糧不足です。人々の生活を維持するには食料不足の対策は必要不可欠です。そのため、食糧不足に対するニーズは増えていくと考えられます。
フードテック産業はテクノロジーの発達により、これらの課題に対し、様々なアプローチが可能になりました。フードテックのニーズは今後ますます上昇すると考えられるため、ビジネスとして十分に可能性があるのです。
社会的意義がある
近年話題になっている問題としてフードロスもあげられます。途上国では多くの人が飢餓に苦しんでいる一方で、先進国ではフードロス(食品廃棄)問題が深刻化しています。資本力のある先進国に食べ物が集まる既存のシステムが原因であると考えられます。捨てる食べ物を減らし、それを途上国にも回すことができれば食糧危機に苦しむ人々も減らすことができます。この問題を解決することができるのもフードテックなのです。
フードテックの市場規模
今後フードテックの市場規模は700兆円にものぼると見られています。代替肉の生産やスマート農業、代替食品や細胞培養による生産など、フードテックの分野は全体的に伸びていると言えるでしょう。
〇フードテック全体の市場規模
700兆円
〇スマート農業
2020年度:262億1100万円→2027年度:606億1900万円(国内市場規模)
〇代替タンパク質
2021年:4,861億300万円(メーカー出荷金額ベース)
※世界市場規模(植物由来肉、植物由来シーフード、培養肉、培養シーフード、昆虫タンパク計)での計測
2025年:1兆1,919億6,400万円→2030年:3兆3,113億8,900万円
〇3Ⅾプリンタ
2020年:約813万米ドル
・2021-2027年には54.65%以上の健全な成長率と予測される
(世界の食品3Dプリンティング市場)
フードテックがここまで成長しているのは、SDGsの広がりにより、社会的に食料問題や貧困問題に関心が高まっていることが考えられます。
フードテックのビジネスモデル
ここでフードテックのビジネスモデルをご紹介します。
業務の効率化・代替作業
製造・生産・小売り・外食などのバリューチェーンのそれぞれのプロセスで、AI、IOT、ロボットを活用した業務の効率化、作業の代替を実現するサービスが生れています。
その中でも特に生産の領域が最も効率化の余地が大きく、ITベンダーや、ベンチャー/スタートアップ企業が活躍しています。画像解析を用いた農薬散布や、IOTを用いや家畜の管理などにより効率化を実現しています。
他にも、製造の領域では、AIやIOTによるライン作業の自動化・省人化などがあげられます。
パーソナライズ
パーソナライズの領域では、AIによるユーザーの嗜好を分析し、それぞれの嗜好に合わせたサービスを提供することで、ユーザー体験の向上を実現しています。健康志向が強くなる中で、より個人に最適化されたサービスの提供の需要が高まっています。
流通・ECプラットフォーム
インターネットやAIを活用した流通経路の最適化や、販路の拡大を実現するサービスが当てはまります。これまでは、生産者から小売業者に商品が届くまで、多くの業者が仲介していました。その結果、生産者は搾取され利益を十分に得ることができないという課題がありました。
インターネットを活用することで、ダイレクトに消費者に商品を届けることが可能になり、流通経路の最適化に加えて、販路の拡大までもが可能になっています。
生産・製造革新
テクノロジーの発達により、生産・製造方法そのものにも変化が起こっています。
特に注目されているのは、植物工場と3Dプリンターです。
植物工場は食品の生産に特化した設備を持った工場です。土地の成約に縛られることなく生産できます。また、災害などによる被害にも抑えることができます。
フード3Dプリンターによる食品の製造も可能になっています。食品を実際に作り出すことには成功しているとされていますが、莫大なコストがかかるため、普及はしていません。家庭にも普及するには技術が広まり、コスト化に成功する必要があります。
代替食品
代替食品の分野では、ミドリムシや昆虫食などの新食材や、細胞培養による生産が注目されています。ミドリムシや昆虫食は実際に市場にも出回っており、少しづつ普及している印象です。
細胞培養に関しても、研究開発は実用化レベルまで進んでいるとされています。機械設備などに莫大なコストが掛かるため、採算がとれるようになるかどうかが今後のポイントとされています。ある程度の規模の投資を行い、一般消費者にも届けることができる程度にまでコストが下げる段階に突入しているスタートアップ企業もあります。
今後のフードテックの課題
今注目されているフードテックですが、課題もあります。革新的なアイディアなのに実現や普及が進まず、足踏みしているケースもあるようです。今回は現在フードテックが抱えている課題を紹介します。
製造コストがかかる
実はすでに植物由来の代替肉や陸上での養殖などは行われています。しかしこのような食品を実際にコンビニやスーパーで見ることはほとんどありません。フードテックを利用した食品は従来の食品に比べて高額になってしまう場合が多いのです。代替肉を用いてハンバーガーを一個を作ろうとするとおおよそ3,000円かかる例もあります。
スケールを拡大する中でコストを下げることができるのかが今後の課題と言えるでしょう。
データの活用法
フードテックは膨大な量のデータの回収と分析が必要不可欠です。しかし、回収されたデータは業種や会社、部署など限られた範囲に閉じてしまっており、簡単に手に入れることができません。企業と開発者のデータの連携が難しいということもフードテックの課題のうちの一つです。
日本のフードテック事情
これだけ注目を浴びているフードテックですが、日本ではどれほど発展しているのでしょうか。結論から言うと世界各国に比べて日本のフードテックに対する投資額はかなり低いものとなっています。具体的に言うと、フードテック分野に対する各国の投資金額合計はアメリカ(9,574億円)、中国(3,522億円)、イギリス(1,211億円)であるのに対して日本は97億円と圧倒的に少ないのです。この投資金額を増やしていくためにも政府と民間企業、大企業とスタートアップ企業の協力は必要不可欠なのです。
日本のフードテックベンチャー
最後に日本のフードテックベンチャー企業を三社紹介してこの記事を終わりにしようと思います。どの企業もフードテックに積極的に取り組んでいる企業なので、この記事を見て面白そうと思った方はホームページを訪れてみることをおすすめします!
株式会社フーディソン
フーディソンは「世界の食をもっと楽しく」をミッションとして掲げて生産流通のプラットフォームの構築を事業の主軸としている会社です。フードテックとして注目されているのはこの会社の提供する魚ポチです。このサービスによって飲食店は欲しい量の魚を即座に注文することができます。これによってフードロスは格段に減っていくことでしょう。その他、さまざまなフードテックサービスを提供しているフーディソンに期待です!
株式会社 ファームノート
株式会社ファームノートは畜産業界のフードテック企業として有名な企業です。
この会社は「世界の農業の頭脳を創る」というミッションのもと牧場内の牛を管理するアプリケーションを提供しています。牛の首にセンサを取り付けることで各個体の発情や分娩などの情報をPCで一括管理します。各個体の状況だけでなく出荷時期や出荷状況まで一元化されており、大規模農場の管理負担を減らすことができるとして注目を浴びています。酪農業界にとって人材不足は大きな問題の一つなので、今後どんどん広がっていくことが予想されます。
株式会社 ユーグレナ
ユーグレナはミドリムシを使った商品開発を手がけている会社です。ミドリムシは動物性の栄養素と植物性の栄養素を併せ持った唯一無二の食材として注目を浴びています。飲料やクッキーなども製造していて、ミドリムシに抵抗のある方でも食べることのできるような工夫がなされています。この会社は他にもバイオ燃料の事業にも取り組んでいます。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回はフードテック産業について解説しました。フードテックは社会的意義を生み出しつつビジネスの可能性も秘めているという点で注目されています。業新興産業なだけにまだまだ解決するべき課題は多いようですが、フードテック産業は世界中で注目されており、目が離せません。
最後に。。。
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参考記事
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/foodtech/foodtech_kenkyukai_torimatome.pdf
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