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凸凹お父さん

「凸凹お父さん」とは、私、戸部アオのことである。私は、大学を卒業し、2023年の3月末まで18年間の社会人生活を送ってきた。一応医学的に何かしらの診断が付くことなく、40歳になったのだが、子どもの頃から、他の友達が普通に出来ていることが出来ないということが多く、「学校という枠組みの中で生活していくことが辛いなあ。」と感じることは多々あった。
子育てをしていると、昔の自分のことを思い出したり、振り返ったりする時間が多少なりとも出てくるものである。その中で改めて自分の凸凹加減に気付くことがある。


戸部アオの少年時代

皆さんは、幼少期の記憶というものはどの程度残っているでしょうか?私は、おそらくどちらかと言うと、幼少期の記憶が残っている方の人間だと思っている(流石に40歳ともなると薄れてきている部分もありますが…)。保育園、小学校での記憶も結構覚えている方だと思う。
私は田舎の村の保育園、小学校、中学校に通っており、保育園~中学校までのメンバーはほぼ同じだった。約12年間同じ友達と一緒に保育園、学校生活を送っていた。
小学校低学年くらいまでの私は、人見知りが激しく、とにかくおとなしい少年だった。授業中も自分から手を上げることが出来なかったし、困ったことがあるとすぐに泣いてしまうような少年だった。おしゃべりが苦手という訳ではなく、勉強もそこまで困ってしまうということはなかったのだが、自分の身体をイメージ通りに動かしたり、イメージをすること自体がとても苦手だった。だから学校の図工(美術、技術・家庭科)、体育(マット、跳び箱、鉄棒、水泳)などが壊滅的に出来なかった。一生懸命頑張ろうと思っても、全く出来ないため、友達に笑われてしまったり、助けてもらったりすることが多かった。それでも優しい友達に囲まれていたこともあり、学校に行けなくなってしまうことはなかったし、40歳になった今でも当時の友達との付き合いはあったりするため、恵まれていたと思うのだが、それでも40歳になってもモノを作ったり、イメージして手先を動かすことは極端に出来ないため、そのことへのコンプレックスは残っている。
私のようなおしゃべりは問題なかったり、座学も何となく適当に出来るかな?と思っていても図工や体育が全く出来ないという方はいるのではないだろうか?
いつか出来るようになるのかな?とも思っていたのだが、40歳になった私もその辺りのことは、全く出来るようになっていない。この特徴は、社会生活を送っていく上でちょっとしたハンデになってしまっていることは間違いないことだと思う。

戸部アオの苦悩

社会に出てから困ったことは、この凸凹によるものがほとんどである。他者との会話は問題なく出来、相手の話していることを理解することは出来るため、その辺りで人間関係が築けないということはないのだが、ちょっとした修繕作業や雑務で大きく躓いてしまうことが多く、恥ずかしい思いをしてしまうことは、数多くある。手先が器用に使えないため、火や刃物を使うことも正直かなり苦手である。
保育園~中学校卒業までの12年間は、そんな私の特性を分かっているメンバーと過ごすことが出来ていたため、何とかなったし、高校、大学も苦手なことはあまり積極的にやらないことで、上手く乗り切ってきたのだが、社会人になるとそこで躓いてしまうことが多かった。
いわゆる100人いれば、90人は何も苦労することなく出来ることが、私には出来ないのである。「出来ないことを理解してもらえない」、そして私自身も「出来ないことを理解してもらえないことが分かっている」ことから、消極的になってしまうことがある。

理想の夫像・お父さん像

そんな凸凹に苦悩している私は、結婚して家庭を築くなんてことは出来ないと思っていたのだが、10年以上前に幸運にも妻のハナと出会うことが出来、結婚し、2人の娘にも恵まれ、新たな家庭を築くことが出来た。
ハナはハナで凸凹があるタイプの女性だったため、私も苦手な部分を包み隠さず、伝えることが出来た。だからこそ私にとってハナは大切な人物である。だからこそハナや、長女のサクラ、次女のモモを夫として父親として守っていきたい気持ちは持っている。

私が憧れる夫像、父親像というものは、どうしても「ないものねだり」になってきてしまう。DIYが出来たり、家の中の修繕や自動車関係のちょっとした作業が出来たり、キャンプなどのアウトドアで活躍出来たりする姿が理想的である。しかし実際の私は、上記の事柄が壊滅的に出来ないため、お金を支払って、専門家に請け負ってもらうことがほとんどである。学校や保育園での保護者作業や地域の整備活動なども苦手分野であり、どうしても足が重くなってしまう部分がある(コロナ禍が重なった影響もありますが…)。それでもしっかり仕事をしていれば、収入は確保できるため、その部分に関しては、夫として父として役割を果たすことは出来ているのかな?と感じていた。しかし私は、2023年3月末を持って仕事を辞め、主夫となる。しかも壊滅的に不器用な主夫である。これまで仕事に行くことで、何とか保ってきた夫として父としてのアイデンティティが失われる不安も襲ってきている。
理想の夫・お父さんとしての姿は、遠ざかるばかりである。

今後

そんな「凸凹お父さん」である私、戸部アオの2023年4月~2024年3月までの1年間は、どんな1年間になってしまうのだろうか?「凸凹」があるからこその苦労がこれから襲い掛かってくるはずである。1年後戸部アオはどうなってしまっているのだろうか?




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