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高尾山ノスタルジア

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東京都南西の端、神奈川県にその境を接し、東京都心の程近くにありながら多くの自然が残されている高尾山。いにしえより人の往来があったことから、様々な資料が残されています。記録に残る古… もっと読む
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記事一覧

高尾山ノスタルジア No.18:奥之院から高尾山山頂へ

御本社の脇を進み、石の階段を上がると小高いところにささやかな平地があり、そこには奥之院な…

悠星 Yusei
4日前
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高尾山ノスタルジア No.17:高尾山薬王院(2/2)

(前回からの続き) 黒門から道を引き返してお札授与所手前まで戻り、階段をあがって仁王門を…

悠星 Yusei
12日前
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高尾山ノスタルジア No.16:高尾山薬王院(1/2)

一礼し、四天王門をくぐるといよいよ薬王院の境内へと足を踏み入れます。 安政2年(1855)の…

悠星 Yusei
2週間前
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高尾山ノスタルジア No.15:浄心門から薬王院へ

日本の町の成り立ちには城下町や宿場町などいくつかのパターンがありますが、そのうちのひとつ…

悠星 Yusei
3週間前
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高尾山ノスタルジア No.14:たこスギ

霞台から山頂方面に1号路を進み、サル園をちょっと過ぎたところ、左手に存在感抜群の杉の巨木…

悠星 Yusei
3週間前
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高尾山ノスタルジア No.13:表参道登山口から霞台へ(2/2)

「八王子名勝志」にある「七曲」の説明を読むと、おもしろいことが書いてあります(資料①)。…

悠星 Yusei
1か月前
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高尾山ノスタルジア No.12:表参道登山口から霞台へ(1/2)

昭和2年(1927)の高尾山ケーブルカー開業からまもない頃と推定される絵葉書に、ケーブルカー山麓駅(清滝駅)前の当時の様子の写真が残っています(資料①)。 駅前広場には立派な門。頭上には「登山鐵道乗場」と掲げられ、木に隠れて見えませんが別の資料によると左の柱には「髙尾登山鐵道株式會社」、そして、右の柱には「鐵道テハ十分間徒歩テハ一時間」とあります。そして運賃の掲示もあり、「賃金 片道 金 貳十五銭 往復 金 四十五銭」とあります。往復切符を買うと、5銭割引なのですね。 当

高尾山ノスタルジア No.11:蛇滝(2/2)

明治維新に伴い小仏関が廃止され、周辺の通行に制限がなくなったことで旧甲州街道の人の往来が…

悠星 Yusei
1か月前
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高尾山ノスタルジア No.10:蛇滝(1/2)

高尾山の行場としては琵琶滝がよく知られていますが、もう一つ、裏高尾にあるのが蛇滝です。 …

悠星 Yusei
1か月前
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高尾山ノスタルジア No.9:鎮守の森高尾山

高尾登山電鉄株式会社「高尾登山電鉄復活30年史」に、終戦直後の高尾山がどのような様子だった…

悠星 Yusei
2か月前
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高尾山ノスタルジア No.8:幻の琵琶滝駅

資料①は、帝国陸軍陸地測量部(戦後は国土地理院に改組)が昭和7年(1932)1月30日に発行し…

悠星 Yusei
2か月前
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高尾山ノスタルジア No.7:高尾山ケーブルカー復活

高尾駅から高尾山口駅へ京王線に乗ると、トンネルを二つ通ります。 一つ目のトンネルを過ぎて…

悠星 Yusei
2か月前
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高尾山ノスタルジア No.6:高尾山ケーブルカー開業

高尾山ケーブルカーが開業したのは、昭和2年(1927)。大変興味深いのが、ケーブルカー敷設を…

悠星 Yusei
2か月前
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高尾山ノスタルジア No.5:琵琶滝(2/2)

『八王子名勝志』に、当時の琵琶滝の様子を描いた挿絵があります(資料①)。 向かって右奥の方から滝方向にくだる登山道が描かれていて、その途中に、登山道を覆うように東屋があります。屋根の下には腰掛けのようなものがありますので、通りがかりにここで休憩できたのでしょう。また、屋根の下に焚き火で暖をとっている人物も見えることから、滝行の準備などもここで行われたのでしょう。『八王子名勝志』は「籠舎 瀑布垢離する者の休息所なり」と説明しています。現在この場所は切り崩されて平地が整備され、