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未来をつくる読書習慣

 今週は兼ねてから噂のあった”WeWorkウィワーク”の経営破綻ですが、ついにアメリカで破産申請をしたそうです。

 このWeWorkには、かのソフトバンク社も投資をしていたそうで、孫正義社長が「私の人生最大の汚点」と言わしめるほどのことです。

 一度、近くのWeWorkにお邪魔したことがありますが、WeWorkの会員であれば、ドロップイン利用はどこのWeWorkでも利用ができ、もちろん事務所としても登録もできます。入居者同士を繋いだり、事業拡大したい人と他のWeWorkを利用している事業者とマッチングしたりするコミュニティマネージャーは斬新な取り組みだなと感心させていただきました。
 今回の破綻は、我々が見えていない背景があると思いますが、事業って簡単に成功しないものだと改めて考えさせられました。日本のWeWorkは破産申請の適用を受けないそうですので、しばらくは経営が続くみたいです。WeWorkの創業時のCEOアダム・ニューマンは、この破産申請前に既にWeWorkから離れており、新しいビジネスに新たな多額な投資を受け入れているそうです。
 まぁ、こんな事業スキームを考えられるというのも、創造力が豊かなんでしょうね。

WeWork

 ところで、ご縁があってかつて鳥取県知事や総務大臣を務められた片山善博さんの講演会にお伺いさせていただきました。
 片山さんの講演スタイルが、従来型のスライドを使わず、自分の話だけで約90分間お話するスタイルで、最近の講演会に慣れているPro Bono さのとしては、「途中で寝てしまわないかな」と少し不安でしたが、片山さんのお話に引き込まれるように聞き入っていて、90分という時間も忘れるほど、いいお話でした。

 内容は、読書の必要性から図書館とそこに関わる人たちの重要性についてお話されていましたが、なるほどと思う内容がありましたので、今回は読書の必要性をテーマに書かせていただきます。

今回のテーマは「読書の必要性」です📕

■読書をしている人の割合

 最近、町の本屋さんが次々と閉店し、地域によっては実店舗で本を変える場所と機会が減っています。その原因は、実店舗としての「本屋」というビジネスは成り立ちにくくなっていることが大きな原因です。つまり本屋で本を買うという人が減ってきているということになります。1998年には2万店舗以上あった本屋が、年3〜5%ずつ減少してきており、20年以上経過した2020年には約半分の店舗数まで減少してきています。

 もちろん、EC(電子商取引)で本を購入する機会も増えてきたので、一概に読書をする人が減ったという理由だけではないのですが、それでもGrowth from Knowledgeの調査によりますと、毎日読書する人の割合が主要17カ国のうち、15番目と低い割合となっています(2016年調査時)。

 読書している人のうち、年間でどのくらい本を読んでいるかという「Job総研」の調べでは、過半数以上が年5冊を読むか読まないか程度で、月1冊以上を読まれる人の割合を上回っています。

Job総研「2021年 秋の読書実態調査」より引用
※画像をクリックしますと報告書のサイトへ移動します

 日本人は諸外国に比べると圧倒的に本を読まない人の割合が多く、また本を読んでいる人でも読書する冊数が少ないのがわかります。

■読書とは著者との対話

 片山さんの講演会で数多くの「なるほど」をいただきましたが、その中でも「読書とは著者との対話です」という言葉は納得のいくお話でした。
 本とは著者の考えを述べたものなので、その考えを全て納得するということは、それほど多くはないため、「なるほど」と思う部分もあれば「それ違うでしょっ」と感じる部分もあるわけです。つまり片山さんいわく、それが「対話」なんだということです。人と話をしていても、「なるほど」と思える部分もあれば、「それは違うでしょっ」と感じる部分もあります。
 その対話こそ、自分が知らないことや経験していないことへの教えや導きを与えてくれるものであり、逆にその意見や考えに賛同しなければ、それを受け入れなければよく、そういう考え方もあるんだなと思えばいいのです。
 人が持っている知識や経験してきたことはかなり限定的であり、自分が知らない知識や、踏み込んだことのない分野は未知の世界なのです。その未知の世界は自分にとって「無意味」と思うかもしれませんが、自分以外では「意味のある」ことなのです。そういう考え方もあると受け入れることができれば、多様性が身につき、視野も広がってきて、その人の可能性も広がってきます。

読書とは著者の意見と読者の意見を交わす対話の場です

■学んだことは誰にも奪われない

 「学んだことは誰にも奪われない」という、古くから伝わるユダヤの格言があるそうです。治安の悪化や国家情勢の変化などから、自分が持っているお金や土地建物などの資産は他の人に奪われることはあったとしても、自分が学んで頭の中に入った知識やスキルは他の人が奪おうと思っても奪うことができないということだそうです。先ほど「読書とは著者との対話」と書かせていただきましたが、読書を通じてコミュニケーション能力が培われます。また、読書を通じて、著者の意見を触れることで、そのことが自分にとって正しいことなのか、価値のある意見なのかと考える力も身につきます。もちろん一冊二冊読んだからといってすぐに身につくものではありませんが、習慣化することでコミュニケーション能力や考える力も自然と身に付いてくるものです。
 さらには自分と違う意見を持っている人の本を読むということは、どんなに薄い本だったとしても大半が100ページ程度はゆうにありますから、最後まで読むことで、その人の忍耐強さも培われます。
 そうしたメリットを感じながら、読書の習慣化を身につけて、自分の成長をデザインしてみませんか?

読書を習慣化することで自分の可能性はさらに広げることができます!

■時間がない、お金がないという人に向けて

 どんなにメリットのあるお話をしたとしても、「とは言っても時間がない」とか「とは言ってもお金がない」と言い訳をして、本を読もうとはしない人はいるでしょう。
 「時間がない」という言い訳は、一番もっともらしい言い訳のように聞こえますが、大事な人との約束や、どうしても見逃せない、または見たい映画などがあった場合など、時間を作っていますよね。。。要は作れば時間ができるわけです。仕事や勉強が忙しくても、やりたいことはやっているわけですから、時間とお金を自分の成長のための自己投資に使いましょう。
 「お金がない」という人には、公立図書館を利用してください。公立図書館は無料で貸し出すことが法律で定められており、またたいていの本は揃っていて、もしなければ近隣自治体が運営している図書館の相互貸出もされています。
 アメリカでは「公立図書館は民衆の大学」を目指した活動をされているそうです。日本では、図書館は「本を借りるところ」というイメージが強く、無料の本屋さんと揶揄やゆされているところもありますが、片山さんが鳥取県知事や総務大臣時代に力を入れていた施策の一つに公立図書館の普及でした。
 身近に読書する機会に触れることで、その人だけでなく、その人が暮らすまち、ひいては日本の未来をつくることにつながるという信念からだそうです。
 「読書の秋」といわれる、この季節に読書習慣を身につけてみませんか?

読書の秋に読書習慣を身につけませんか?


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