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にんげん力と三現主義-1.


にんげん力と三現主義の解説

にんげん力と三現主義の関係

三現主義の概要

三現主義は、
“現場”“現物”“現実”の三つの“現”を重視し、
机上での空議や空論ではなく実際に現地
に赴きその“現場”“現物”を観察して、
現実”(現状・現況)を認識した上で今後の
施作問題の解決を図らなければならない
と言う考え方のことです。

現地、現場、現実を見ず(触れず)、
机に向かい思考しているだけでは、
現場での様々な問題点や改善点の
姿は何も見えてきません。
従って
三現主義により現状を直視すると
言う考え方です。

日本国内の三現主義の実践は、
一流企業と言われるホンダ、花王、P&G、
トヨタ自動車、セブン-イレブンなどが、
三現主義の原理原則に基づきモノづくり
を行っていることは知られています。

また一方では、
成長し続ける中小企業や物販店、飲食店など
様々な組織や場でこの三現主義は取入れられ
常にこの意識を持ち取組んでいます。

これから数回に別け、私見を交え
この三現主義について紐解きます。

〇三現主義とにんげん力


三現主義を実践は、前記したように
それ対象となる三つの“現場”“現物”“現実”
の夫々を、「原義(原点)」を踏まえた上で
「原理」※①「原則」※②であらゆる方面から
思考し対処する活動が必要とされます。

その為には、“現場”“現物”“現実”の夫々を
分析できる能力である優れた「にんげん力」
※③を備え持たなければなりません。

同時に、常識=当たり前の尺度、モラル、
コンプライアンスに対する正しい基準を
備え持っていなければなりません。

※①「原理」様々な不の要素を引き起こす
メカニズムや製造・販売条件、製造・販売
の環境の多角的に機能を知り認識すること。

※②「原則」顧客の立場に立ち、
 顧客目線・顧客意識で見たり考えること。

※③「にんげん力」下図

にんげん力

◇人元力
  「豊かな経験と知識」「磨かれた五感※④」と
  「豊かな感性」が元(根本)となる※④五感(五官)
 =味覚・臭覚・触覚・聴覚・視覚
 
 ◇人原力
 原点=物事を考える時の出発点。
 思い遣る心≒ホスピタリティ(おもてなし)の
 心を持ち表現伝達の為のマナーが基となる

 ◇人源力
 店・組織の成長や繁栄の源は【人】である
 と言う考え方。
 お客様も従業員も同じ【人】と言う考え方

 ◇人眼力. 
 人を見る(診る・覧る・観る・看る・視る)
 目・眼力※⑤
 ※⑤眼力=物事の善悪・真偽・成否などを
  選択・判断し見抜く力

 ◇人現力.
 自らの人格、意思、意識、ビジョンを
 明確に表現、伝達出来る力

 ◇人言力
 心を表現出来る言語力と適切な言葉使い
 =(言葉遣い)が出来る力
 ひと言の重さを認識し相手やその場に
 合わせた適切な言葉使いが出来る力

三現主義とにんげん力⇔体験

三現主義

では、次の場合はどのように捉え、思考し、
対処・対応をすれば良いでしょう。

最近、体験したことを
例に考えてみることにします。

イ)スーパーのレジでの体験

或る日、お弁当とフルーツゼリー、
ジュースなどを買いレジで支払い
を済ませました。
お箸とゼリー用のスプーン、ストロー
が付けてくれないので会計をした50歳
前後の女性に付けてくれないので貰える
ように静かな口調で言いました。

その人はお箸とスプーンを投げるよう
に買い物籠に入れ、決りきったように
手を胸の下で組み形ばかりのお辞儀を
してくれました。

それを見た私は、
「どうして投げて入れるんですか」
と言いましたが、その人は無言で
次のお客様の会計をしていました。

そればかりかそのお客様が持ってきた
買い物籠を先へ投げつけていました。
そのスーパーで働く他のスタッフの
接客は、比較的良い方だと思われます。

ロ)接遇では評判の良い某チェーン
 展開しているシティーホテルで体験


毎週一度、
朝の集まりがある度に朝食をとる為に、
そのホテルのレストランを使います。
そこでいつも同じようなメンバーで
会食しながら懇談します。

そのレストランの殆どのスタッフは、
此方から挨拶しないと挨拶しません。

男性のスタッフは、無表情で接客し、
受け止め方によっては、上目線で
偉そうな態度にも見えます。

また、
顔なじみなのにも関わらず挨拶を含め
積極性は感じられない態度をしています。
普通のお店でしたら
「いつもありがとうございます」と言って
進んで迎え入れ、会計時にはそれなりの
感謝を表わす挨拶があっても良いのでは
とも思われます。

ハ)路線バスでの体験
お客様の方から運転士に
「お世話様、ありがとうございます」
と挨拶しても知らんふりですし車両の発進
がとても荒く空いている道路ではスピード
を出し過ぎて不安になりました。

止まる停留所のテープ案内アナウンスが、
その停留所の直前になって流れる。
このバス会社の停留所は汚れたままで
数年間放置された状態、時刻表は汚く
曲がって付いている。

ニ)ある総合病院での体験

職員が通路の中央を平気で歩く。
患者さんへの「お大事に」の言葉を目線が下を
向いたまま素っ気なく言っている。
出入り口のドアはいつも手の跡や汚れが付き
清潔さに欠けている。

ホ)カフェでの体験

そのカフェはテ―ブル数が10卓で
客席数が30程度のお店で客席の七割程度
にお客様がいらっしゃいました。

まだ新人と思われる化粧気のない一人の
ウエイトレスがレジに無表情で腰掛け、
客席やお客様に視線を殆ど向けない状態
で暗い顔でレジの椅子に座っていました。

コーヒーを頼みましたが、笑顔は勿論、
「はい」の返事や「かしこまりました」
「お待たせしました」の言葉も全く無く、
ただ無表情で運ぶだけの方でした。

他のテーブルを見ると、
お客様のお水のない席や飲み終わった飲物
が放置され、とてもサービス業をしている
とは言い難いウエイトレスの状態でした。

出る時に聞いたところ、そのスタッフは
アルバイトで働いているとのことでした。

以上のイ)~ホ)の事例を、
三現主義とにんげん力で紐解くと様々な
問題点、改善点が見えて来ます。

皆さんはどの様に感じ受け止められましたか?

私は、「三現主義」の大切さは元より、
それを行う人の夫々の「にんげん(人間)力
役割の自覚と影響力」「義務と責任」と言う
この三つの重要さと大事さを痛感しました。

と同時に、
ひとり一人の心や夫々のスキルと共に、
ひとり一人モラルの自覚、原義の重要性
が周知され認識出来ている否か、そして
現場の指導監督・管理体制体質と採用後
のスタッフの現場での現実の姿の掌握と
その確認、現物(現状・現場環境)の把握が
如何に大切かと言ったことが見えました。

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