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書籍「ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいこと」を読んでみて

「ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいこと」を読みました。

ブランディングと聞くと、高級ブランドにのみ必要なもの、自分には関係のないもの、と考える方が多いかもしれません。また、よく聞くけれども実際には何をしたらよいのかわからない、という方もいるかもしれません。この本はそのような方にこそ読んでいただきたいと思いつくりました。

この書籍を読んでみての感想や、どんな内容なのかをまとめました。

読んでみた感想

私は本を読むとき、気になったフレーズを付箋やマーキングをして、読み終わった後にノートアプリに転記し自分の中に深くインプットをする作業をしています。

この本を読み終えたとき思ったことは
「マーキングしすぎた。ノートアプリに転記する項目が多すぎるわ・・・」でした。それほど私にとって、気付きや参考になることが多かった一冊でした。

私はデジタルプロダクトのUIデザイナーとして働いていますが、ブランディングの経験はほとんどありません。ブランディングとはなんぞや?と聞かれても、自信を持って返答できない・・・そんな存在でした。もっとブランディングについて知りたいと思い、この書籍を手に取りました。

どんな内容?

書籍では「ブランディングとは何か?」からはじまり「プロセス」や「事例」も紹介しています。さらには、日本でなぜデザインの役割・意味が正しく伝わっていないのか、日本でブランドが浸透しないのか、現在のグローバルマーケットでの潮流にまで言及しています。

そしてブランディングを、一貫して次のように定義しています。

ブランディングの最終ゴールはファンになってもらうこと

ブランディングについては様々な表現や言いまわし触れられています。そのなかでもブランディングのプロセスや効果を端的に示し、私が一番しっくりきたものが、次のフレーズです↓

時代や環境、顧客ニーズを考えながら、戦略的に企業や商品やサービスの持つ「らしさ=個性」を引き出し、その価値をお客さまに与える総合体験の全てにおいて正しく演出し、効果的に伝わるかたちに落とし込むこと。これをブランディングと言います。そしてブランディングのゴールはお客様にファンになってもらうこと。その結果、リピートして商品やサービスを継続購買してくださるロイヤルカスタマーとなります。

私は今まで「ブランディングとは自分自身がどうありたいかを示すためのものある」と認識していました。しかし決してひとりよがりで、プロダクトアウト的なアプローチで導き出すものではなく、個性・らしさは尊重しつつも時代やニーズをふまえるべきであるとしています。

そして「伝える」ことこそブランディングであるとも述べられています。どんなに企業やプロダクトが良かったとしても、伝わらなければ意味がない。正しく伝えるために、矛盾なく一貫したものであることが大事であるとしています。

さらに私は「ブランディングとマーケティングは対義語」という認識を持っていましたが、それも違ったようです。対義語ではなく「違うもの」であるとしたほうが正しいようです↓

マーケターにとっての最終のゴールは、その商品やサービスを「売る」こと
ブランディングで重要なのは「売る」こと以上に「ファン」になってもらうこと

マーケティングがブランディングの敵ではない、マーケティングも尊重するべきである。一方でマーケ主導のブランド構築になると、市場・マーケットに主軸が置かれたものになってしまう。ブランディング戦略を構築する際は、初期からブランドに明るいデザイナーが入るべきだとしています。

最後に

この書籍は「ビジネス書」であると書かれています。デザイナーやブランドに携わっている人だけではなく、ブランディングについて知りたいすべての人におすすめの一冊です。

さらにオフィシャルサイトでは、書籍中 Act03 STEP02「ブランドDNA - ブランドの本質化」で紹介されている、ブランディング構築のためのプロセスで使えるブランディング・ワークシートがなんと無料でダウンロードできちゃいます。ふとっぱらです!

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