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#1 箱庭とは?心のイメージを探求する:箱庭カウンセリングの世界

箱庭療法で、使用する箱庭は
心象風景(こころのイメージ)を探求し
より良い自己理解と癒し、そして自己成長に繋がる可能性を秘めている大変人気の心理療法です。

箱庭は、カウンセリングや心理療法の一環として、またイメージやアイデアを探求するツールとして注目されています。
自分の内面の世界を小さな箱庭の中にイメージを表現することができる
こころの鏡として機能します。

箱庭ゲームと心のプロセス:箱庭カウンセリングの世界

大人から子どもまで大人気の「どうぶつの森」や「マインクラフト」のようなゲームは、
箱庭ゲームと呼ばれており、自由な発想で自分だけの世界を作り上げる楽しさが魅力です。


どうぶつの森
マインクラフト

箱庭ゲームに多くの人が魅了されることには
人間の心理プロセスが関係しています。

人間の脳は、
イメージやビジョン

思考(言語的な処理)

行動

経験・体験
のループで物事を処理します。

思考がぐちゃぐちゃになっているとき、
原点のイメージやビジョンを整理することで
考えが整い、その後のプロセスがスムーズに進むようになります。

箱庭ゲームは自分のイメージを基に心地よい世界を創り上げ、
その世界に入り込めるところに魅力があります。

ゲームと同じように箱庭は、こころのイメージを目に見える形で取り出し、整理するのに非常に役立ちます。

この心理療法のメリットは、過去の体験や困難な状況を言葉にするのが難しい時でも、イメージを介してアプローチすることで、扱いやすくすることができる点にあります。

箱庭カウンセリングの事例

ここで、心理カウンセリングを受けた40代の女性、Aさんの事例を見てみましょう。

Aさんは、日々の生活に虚しさを感じ、孤独を感じていました。
夫は仕事や趣味ばかりで、会話は少なく、息子は学校や好きな女の子に夢中で、ほとんど家で会話がありませんでした。
友達も少ないAさんはさみしさを感じていました。
毎日家事ばかりで過ごすうちに鬱っぽい感じがしてきたようです。

このような状況を箱庭を通じて、Aさんの心象風景(こころのイメージ)を見てみましょう。

Aさんの箱庭(全景)

箱庭を使うことでAさんの心の中にあるイメージや感情を深く理解しながらお話を聴くことができます。
これを心理洞察といいます。

箱庭世界からの気づき

Aさんが作り出した箱庭は、こころの内面と現在の状況を表しています。
箱庭は相手に自分のイメージを伝えるだけでなく自分自身の箱庭を再確認することで自己理解へ繋がります。
箱庭を通じて、Aさん自身も新たな気づきを得ることができました。

例えば、
自分が本当に何を求めているのか?
どのような変化が必要なのか?
など、箱庭はAさんにとって自己理解と解決策を見つけるためのきっかけとなりました。

箱庭の世界を眺めることは、単に自分の内面を反映させるだけではなく、自分自身との対話を深める方法です。

Aさんの例からわかるように
箱庭療法は、言葉では表現しきれない深い感情や思考を浮かび上がらせ
それらを整理し、理解するための強力なツールとなり得ます。

また、箱庭の世界を俯瞰的に見るだけではなく
色々な角度から見ることで、こころのイメージを多方面から感じる事ができます。


Aさんからの視点
Aさんの息子からの視点

自分のこころの悩みを箱庭で表現し、さまざまな角度で眺めることで
意外な視点を得たり、新たな発見が見つかることがあるのです。

最後に、Aさんの箱庭を見た時、あなたはどのように感じましたか?

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この講座では、箱庭の専門的な知識と技術を身につけ
資格取得に向けた具体的なステップを踏むことができます。
詳細についてはこちらをご参照ください。
https://prokan.org/hakoniwa

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https://prokan.org/seminar

心理カウンセリングの分野において
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ぜひ、あなたのキャリアや知識をさらに充実させてください。

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