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あれから変わっていないんだとしたら

こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。

「最近、ちょっとずつ社内が変わってはきたんですけど、それでも相変わらず上司がなかなか決断をしないでこっちに振って来るんですよ。丸投げみたいに“やっといて”って言って。そこが変わらないから、結局は前と同じ感じになっちゃうんですよね…」

ウチが関わらせてもらっている他社の社員Aさんと話をした時に、“最近の自社の様子”としてAさんが感じていることについて話をしてくれました。

聞けば、「“(ウチが関わるより)以前の自社”と比べれば随分と仕事がしやすくなっている」というのは前提のようでしたが、それでもAさんとしては今感じているようなこともキレイさっぱり無くなってもっとスッキリと“働きやすい状態”が実現することを望んでいるとのことでした。

そんな話をしてくれたので、冒頭のような“上司がなかなか決断をしないで下に丸投げしてくる状況”の具体例について話を聞かせてもらいました。「どんな状況のどんな案件でどのような言葉で丸投げをしてきて何がどうなったのか」という具体的な状況の話として。

そうして見えてきたのが、どうやら「毎年決まった時期に開催する“顧客向けイベント”の責任者である部長が、その部下であるAさんに実務である様々な仕事を振ってきた」ということでした。それに加えて、どうやら今回だけのことではなく普段の小さな仕事でも“PCの中のソフトを使って様々な資料を作成する業務が発生する仕事に関してはもう何年もそういう状況”だったようで
、この毎年実施している“顧客向けイベント”ももう何年もずっと同じような状況だったという話でした。

もしもAさんと同じ状況だったとしたら、確かに僕も「あの人は結局変わらないし、それを放置している会社も結局は“何も変わっていない”」と感じていたかもしれないよなぁ、とAさんの話を聞いて感じました。と言うか、過去に会社員として働いていた時には、実際に“Aさんの上司”のような人の下で長年働いていた経験もあるので実体験として「大いに共感できる」ところが多分にあります。

それを前提にしたうえで、今の自分が感じていることや考えていることについてAさんに話をしてみました。

そもそも、会社に外部が関わって組織開発を進めている中で“それより以前と変わらない仕事の仕方をしている人”に対して「あの人は変わらないなぁ」と思うことには何の意味も無い、ということを伝えました。

何しろ、“その人の行動”を見て、“実際に起きていること”を見れば、その人が「変わったか変わっていないか」は明らかに判断ができるわけです。特に、“組織で仕事をする”という関係性であればなおさらその判断はしやすいでしょうし、上司と部下という関係性なら更に判断しやすいでしょう。何しろ“今までの関係性と仕事の流れ”という比較対象がたくさんあるので。

そこに照らし合わせたら、「その人が変わったかどうか」や、そもそも「その人が変わりそうかどうか」まで見えてくる可能性が高くなります。

当然ながらAさんも、「上司が変わったかどうか」については今回の“顧客向けイベント”より前の時点から“とっくに”気付いていたわけですよね?「変わったかどうか」を。

ということは、Aさんが「上司から指示が下りてくるのを待つ」という“待ちの姿勢”でいるとAさん自身が困ったりダメージを負うことになるわけです。今回の件みたいに。と言うか、これまでその部長の下で働いてきた何年間かと同じように。

でも、その“顧客向けイベント”は毎年同じ時期に同じような内容で開催しているモノですから、「このくらいの時期には開催する必要がある」とか「このくらいの時期には動き出しておかないといけない」とか「いつも通り、どうせ開催が発表になってからしばらくの間は部長が指示を出さずに放置をしておいて“ヤバイ”ってなってから丸投げされるだろうなぁ」とかは、Aさんの中で見当がついていたわけですから、Aさんから部長に働きかけて前倒しで動いていった方がいいんじゃないかなと思うんです。

何しろ、さっきも伝えたように「上司から指示が下りてくるのを待つ」をしても結局はAさんのところに指示が来るのがどんどん遅くなって、Aさんが動き出すのが遅くなって、Aさんが苦しくなって、Aさんが部長に詰められることになるだけですから。

「上からの指示を待つ」をしても、“会社の達成したいこと”に繋がる仕事にはなりづらくなるし、“部長が満足する手柄”に繋がる仕事にはなりづらくなるし、ということは、Aさんが「またギリギリになってからの丸投げだよ、マジで部長って仕事できないよなぁ」と思うことはあっても、Aさんの評価が上がることには繋がらないし、同じ手間や時間を使って苦労をしても、Aさんが報われるということには繋がらなくなる可能性を高めてしまうわけです。「上からの指示を待つ」をしてしまうと。

だったら、Aさんから部長に「顧客向けイベントの件ってどうなってるんですか?」って聞いてみたらいいんじゃないかと思うんです。できるだけ早めに。早く動き出せば使える時間が増えるので、焦りだすよりも随分前からちょっとずつ動いておけばよいだけですから。

そして、そうやって「Aさんから働きかけるようにする」だけで、部長としては“会社から求められている部署としての成果”を出しやすくなるわけですし、Aさんとしては“どうせ自分のところに丸投げされてくることがわかっている仕事”をAさんがコントロールしやすい状態で動かすことができるようになるわけです。

なので、「部長が全然変わらない」と言っていても思っていても、Aさんが期待しているような変化は部長には起きないんじゃないかなと思うんです。待ってるだけでは。だって、変わるんだったらAさんのように“もうすでに”変わっているはずですから。

だから、「部長が変わるかどうか」なんてことはハッキリ言えば“どうでもいいこと”であって、ただただAさんが仕事をしやすいように、Aさん自身が「今までとは違う行動を取る」ということを通じてAさんの環境を変えていけばいいんじゃないですかね。

大体こんな感じの内容だったと記憶しているんですが、文字にしてみると随分と長くなってしまいました。ただ、実際には“こんなような内容のこと”をもう少し噛み下いてAさんとやり取りをしながら伝えました。

「自分以外の他者が変わらないから、状況も変わらない」

実際に僕もAさんと同じように思っていた時期が長くあったので、そう言いたくなる気持ちもよくわかっているつもりです。

「こんなに頑張っているのに!これ以上俺にどうしろって言うんだよ!」

「あなたの現状が変わらないのは、あなたが変わろうとしないから」そんなことを本か何かで知ってその言葉に怒りを感じたこともありました。「こっちの事情も知らないで」とも思っていましたし。

だけど、今ならわかります。本か何かで読んだ「あなたの現状が変わらないのは、あなたが変わろうとしないから」という言葉は、本当にその通りだったんだなと。ただ、この言葉は全然説明が足りていないし不親切な助言だなとは思います。あと、辛くて苦しんでいる状態にある人を必要以上に“責める”ようなニュアンスが含まれているとも感じます。

「あなたの現状を変えたいのなら、あなたが現状を変えたいように変えるために“役に立つこと”を行動に起こしましょう。なぜなら、他者の考え方や行動を変えるなんてことはあなたにも誰にも出来はしないし、あなたが変えることが出来るのは“あなたの行動”だけだから」

こんな風に解説してくれていたら、あの頃の僕ももう少し素直に“外からの助言”を受け止めることができたかもしれないなぁ、なんてことを、Aさんとの話を通じて懐かしく思い出したりしていました。

幸いなことに、その時にはAさんも納得感を持って話を聞いてくれていたように感じました。これからAさんがどんな行動をするのか、また今度お会いした時に話を聞かせてもらえるのを楽しみにしています。



あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/

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