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日常に潜むヒヤリハット回避のために

こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。

「おぬし、水難の相が出ておるぞ」

もし、僕が今朝の出勤時に、道端で占い師に出会ったとしたら、必ずこのセリフを言われていたはずです(残念ながら、道端で占い師に会えるタイミングが存在しないがためにそうはなりませんでしたが)。

昔の漫画には、突然現れて主人公を勝手に占ってしまう占い師がよく登場してきた記憶があります。そして、その占いをされた主人公はストーリーの中で様々な種類の“水難”に遭遇する。そういう内容。

水難と言っても様々あるわけで、例えば「水溜まりに足を踏み入れてしまう」とか「誰かが捨てたバケツの水を頭から被る」とか「どこでもドアで人の家のお風呂場に入っていってお湯をかけられる」などの様々な水難です。

じゃあ、今日の僕には、どんな水難の相が出ていたのか?

それは、音も無く近づいてきて、いつの間にかその被害に遭っていて、気が付いた時には既に“水難”に巻き込まれていた状態であり、どうする事も出来まず。

とは言え、僕が頭から水を被るわけでもなく、誰かがしていた行動のついでに水難に遭ったわけでもない。

だけど、確実にその被害に遭った人間が僕じゃなかったとしても、「それは災難だったね」とつい言ってしまうような、そんな類の水難。


その水難に遭っていた事に気が付いたのは、朝、いつも通り家を出て無事に会社に到着して社内で朝のルーティンを開始した時でした。

僕の日々の荷物は、仕事用のカバンと、本が数冊入った袋と、お弁当と水筒が入った袋という“三種の神器”と呼んでいる物があります。

まず会社に到着したら、自席で“三種の神器”を一つずつ順番に開封の儀を執り行い、それぞれの中身をあるべき場所に鎮座させていくところからルーティンが始まります。

背中にはリュック形態で背負われた“仕事用のカバン”と、両手にはそれぞれ“本が入った布製の袋”及び“お弁当と水筒の入った布製の袋”があります。

いつも、まずは両手の袋を自席の机の上に置いて、その後に、背中に背負ったカバンを下ろします。

でも、今日はそのルーティンがいきなり崩れました。

何しろ、机の上に置こうとした“お弁当と水筒の入った袋”がビショビショだったからです。これだけのビショビショ具合には、お弁当の中の“何らかの汁”が漏れ出ただけではなりません。文字通り、この袋を絞ったら「ジャー」っと水分が流れ出て来るのが明らかにわかる程のビショビショ具合です。もちろん、この袋を置いた机の上も濡れています。

「これは、もう原因はただ一つだな」

これまでに無かったようなアクシデントに見舞われたせいなのか、冷静に現状を分析して原因をすぐに見抜くあたり、我ながらなかなかなトラブル対応能力だななんて感心しつつ、原因と思われる袋の中身をチェックします。

袋の中には、“布で包まれたお弁当”と“アイスコーヒーの入った水筒(普通サイズ)”と“麦茶の入った水筒(大きいサイズ)”の3つの品物が入っています。

そして、ビショビショに濡れた袋の中からは、コーヒーの匂いは漂っていません。

つまり、この袋を濡らしているのは、“お弁当の何らかの汁”でも無く、“コーヒー”でも無く、“麦茶”である事がこの時点でほぼ確定しています。

そして、この推理を確信に変える証拠がもう一つありました。
それは、袋の中の二本の水筒の表面の違いです。

“アイスコーヒー”の入っている水筒はその表面が濡れていませんが、麦茶の入っている
大きいサイズの水筒は表面がハッキリと濡れています。明らかに中身が水筒の表面を伝って零れ出たかのような。

これらの状況証拠から、今回の“水難”の原因は、「水筒のパッキンが無い状態で、水筒の蓋が閉められている」という事が確定しました。

そして、最後に、ここまでの推理が正しかったかの確認を行います。

もちろん、その前に、恐らく麦茶の被害にあったであろう“お弁当”と“アイスコーヒーの入った水筒”をその事故現場からサルベージして、水難によってすっかり濡れてしまったその身をキレイに拭き上げます。

その後、“麦茶の入った水筒(大きいサイズ)”をそっと取り出し、蓋を開けて確認してみると、やっぱりパッキンがありません。
通常は、パッキンが水筒の内側に一つと、水筒の飲み口側のワンタッチ蓋の部分に一つで、計2つ付いているはずの物ですが、今日はそのどちらも存在していなかったので、この大きいサイズの水筒に満タンで麦茶が入っていたとすると、多少傾けるだけでパッキンの無い両方の隙間から、それはもう“ジャバジャバ”と勢いよく麦茶が出てきていたであろう事が容易に想像できました。
幸いな事に(?)、これらを入れていた袋が厚手の布製の袋だったおかげで、その全ての麦茶を袋がしっかり受け止めてくれていたおかげで、車の中は無事でした。

この袋は、朝から夜8時頃までの間、社内のエアコンが直撃する場所にずっと干していたので、この約12時間の間ですっかり乾いています。
おかげで、朝の惨状とは打って変わって、その痕跡も無く、帰りは何事も無く帰れそうです。


今日のこの水難のお陰で、僕の今後の人生の教訓が一つできました。

その物は、一見すると全てが揃っている“いつも通りの完璧な姿”に見えるかもしれない。もちろん、それを手に取って持ってみても、ズッシリした重量があるので中身がしっかり入っている事も明確にわかる。

だけど、いつもは“それ”が着いているかどうかすらも意識する事がほとんど無い、だけど、実は“それ”の本質とでも言うべき重要な物が、本当に着いているのか?

何しろ、“それ”が本当に備わっているかどうかは、外から見ただけではわからないし、手に取って持ってみても絶対にわからない。

本当に確かめたければ、“それ”が実際に着いているかどうかを、その目でハッキリと確認する必要がある。

さもなければ、今後もまた“水難”に遭う可能性がこれからもずっと付いて回るから。


本当に大事な事は、必ず、己が目で確認しなければ、安全は確保できないという事を、心に刻み込め。

「NOパッキン、NOライフ」

それが出来たら、僕の“水難の相”も、きっと消える事でしょう。



あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/


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