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まず聞いてみてから考える

こんにちは。

株式会社プロタゴワークスあかねです。

先日、知り合いがこんな話をしていました。

「以前にお世話になった元・上司とたまたま連絡をとって話をしたら、一緒に働いていた頃は“すごい仕事のできる人”だなぁと思ってて、その当時は組織もしっかりまとまっていてみんなで一丸となって仕事をして成果も出せていたんだけど、去年から赴任した新しい職場では役割が同じなのに部下から反発にあっちゃって組織が全然まとまらなくて苦労してるんだって話しててさ~」

とその後も、以前にお世話になった上司の話をしていたのでとにかく話が終わるまで傾聴をしていたんですが、なにぶんその元・上司という方のことを僕は全く存じ上げないので、ここで出ている話をただ聞いて知るしかありませんが、話を聞き続けていると「部下からの反発としてこんな話が出ているらしい」という内容を聞く段になったら何だかとっても既視感のあるような言葉が並んでいました。

その時出ていた“部下からその上司への言葉”としては、こんな感じでした。

「あなたには簡単なんでしょうけど私にはとても無理ですよ。無茶言わないください」

「そうやって上から目線で無理難題を押しつけてくるんですね」

「出来る人には、出来ない人の気持ちなんてわからないですよね」

どうやらまだまだ色々あるようでしたが、概ねこんな感じの言葉が直接的にだったり間接的にだったりとその上司の方の耳に入ってきているとのことでした。

その組織は、僕やウチの会社が今までに介入した経験の無い公務なのでいわゆる“民間の組織”とは違うところがたくさんあるんでしょうし、自分にはわからない部分がたくさんあるんですが、それでも“仕事”をするために存在している組織の中で起きている“上司と部下との間のすれ違い”という意味では、公務も民間も特に違いは無いんだろうとも思うんです。だからこそ、これらの“部下から上司への言葉”について既視感があったんじゃないかと思っています。

そんな既視感があったので、この話をしてくれた知り合いに「その元・上司と一緒に働いていた時の様子」を色々と聞かせてもらったところ、どうやらその元・上司という方はとっても能力が高くて自分にも他者にも厳しい方のようでした。そして、その知り合いと一緒に働いていた頃はその“厳しさ”が自分達にとって「能力を伸ばすために必要な関わり」であり「この“厳しさ”に正面から取り組むことで自分が成長できる」と思って働いていた人達が多かったということが見えてきました。

その一方で、元・上司の方が今いる職場ではどうやら「“以前と同じやり方”が、今の職場に前からいる人達に通用しなかった」ことが原因で組織がぐちゃぐちゃしてしまっているようでした。

もちろん、僕がその組織の当事者たちに会って話を聞いたわけではないんですが、その元・上司の方が知り合いと一緒に働いていた頃に“その当時、よく言っていた言葉”を幾つか聞かせてもらうと、確かに「自分にも他者にも厳しい」というのがよくわかるような言葉や考え方がハッキリと出ているように感じました。

どんな風に“厳しい”のかと言えば、ザックリ言うと(ザックリしか言えないんですが)「組織全体に求める仕事の基準を“自分のレベル”で考えている」というような感じです。そして、現在の部下から出てきている反発というのも、その「“部下に求める仕事のレベル”が高いこと」に対して起きているのがハッキリと浮かんできています。

そんな状況を、当事者でもなければ直接相談を受けているわけでもないしもっと言えばその仕事について全く何も知らない状態の“完全なる部外者である外部の人間”としても僕から見ると、現在の「部下から反発を受けていて組織運営が上手くいっていない状態」では、本来その上司の方が“やるべき仕事”が出来ていない状態になってしまっているわけです。つまり、「今のやり方では、自分のやるべき仕事を前に進めることができない」ということがほぼ確定してしまっています。それこそ、奇跡でも起きない限りはきっとそうなってしまうんじゃないかと思いますし、僕の知り合いも同じように考えているからこそ心配になっているんじゃないかと思うんです。

であれば、その上司の方がするべきはとっても単純なことをすればいいだけです。

それは“仕事の基準”を、“自分の考える基準”に設定するのではなく、実際にその組織を構成しているメンバーのみなさんに合わせて設定すればいいわけです。
具体的に言えば、各メンバーの仕事のレベルをしっかり観察したうえで、各々と個別に話をしながら「このくらいのレベルを求めたいと思うがどうか?」と擦り合わせを行って進めていけばいいんじゃないかなと思うんです。

そうやって、まずは個別の仕事を少しずつでも前に進めていくことで、今は反発を喰らって全然前に進まない状況を打破することができますし、今よりも(少しであっても)前進するのであれば状況は確実に改善していきますし、そうなればその上司の方が本来“やるべき仕事”の幾分かでも前に進んでいくことになるわけです。
こんな状況は、僕たちが関わってきた様々な組織でもよく起きているのを見聞きしてきましたし、恐らく今後もたくさん遭遇することになると思います。そして、これは“あるある”でもあります。特に、今回のようないわゆる“能力の高い人”が上司である場合によく起きます。

これが起きる理由は幾つかあるとは思いますが、その中でも「部下をあまり観察していない」ということと、「このくらいの仕事だったら誰でもできるだろう」という思い込みが“能力の高い人”の中で無自覚のまま起きてしまっていることが大きな理由だろうと考えています。

「部下の観察はしているし、そんな思い込みはしていない」と真っ直ぐだったりやんわりとだったり反論されることもよくありますが、そういう時には「実際にしている“観察という行動”の具体例を教えてもらう」ということをしたりします。何しろ、本当に「そういうことが無い」んだとすれば、今起きている状況も恐らく存在しないんじゃないかなと思っているので、逆に「本当に“観察”がされているのに、今の状況が起きているんだとしたら、この二つの理由とは全然違う何かがあるはず。それは一体なんだろう?」とういことを明らかにしなければなりませんので。ただ、今のところは「部下の観察をして、思い込みもない」という状態にも関わらず“こういう状況”が起きていたことは確認できていなかったりもしています。

知り合いの話を聞いたうえで、ここに書いたようなことをかいつまんで話てみたりもしましたが、この話の内容が元・上司の方に伝わるかどうかはわかりません。というか、恐らくは伝わらないんじゃないかと思ってはいます。

ただ、知り合いがわざわざ僕に話をしてきたことに“何らかの意味”があるのかないのかは僕にはわかりませんが、いかに僕が直接会ったことが無いし今後も恐らく会うことが無い人である可能性が高いんだとしても、少なくとも「話を聞かせてもらった」という事実がある以上は、それが“余計なお世話”や“おせっかい”だったとしても、僕にできる範囲での“何かできること”として「もしかしたら、そういう可能性もあるんじゃないかと思える話」をすることが、せめてもの僕に出来ることなんじゃないかなと思っています。

もしかしたらその知り合いに「うぜーなコイツ。そんな話が聞きたくてこの話したんじゃないんだよ」と思われている可能性も否定はできませんが、直接そう言われてもいませんし、僕はこういう人間だということも重々承知しているんだとは思うんです。そえに、そもそも僕に“こういう話”をしてきた自分自身の運の尽きだと思って諦めていただくしかありません。

僕がこの仕事をしているということを知っているうえで、“働く”にまつわる悩みごとや相談ごとを、僕にするということはきっと心の底で「何とかしてもらえないだろうか」と思っているんだと勝手に解釈してしまうので、もしも「そういうつもりはないんだよ」とか「ただ、対話がしたいんだ」ということであれば事前に伝えていただければそういう対応も可能です。

そうでなければ「困っているんだ」「悩んでいるんだ」という話を聞いちゃうと、ついつい僕の中の“おせっかいヤロウ”が動き出してしまいますのでご承知おきの程よろしくお願い致します。



あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/

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