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コブコブの実の能力者であったなら

こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。

「自分の中にボンヤリとあるイメージのようなモノを言葉にするのってすごく難しい」

組織開発で他社に関わらせてもらっていると、よくこんな声が聞こえてきます。

例えば、よくあるのが「採用をする時に重視することは?」なんていう質問に対して、企業側からは「コミュニケーション能力」という回答がたくさん集まってくる。こんな感じの企業に対するアンケート結果が毎年のように公表されていたりします。

これと同じ質問を、かかわらせてもらっている企業で聞いてみても同じような答えが返ってくることがよくあるわけですが、「なるほど、コミュニケーション能力ってやっぱり大事ですよね」なんて話で終わりにするのであれば、この質問自体にも意味は無いだろうなと思いますし、そんな組織開発はやっても仕方ないだろうなと思っています。

だって、「コミュニケーション能力」って僕にとっては、「具体的に何のことを言っているのか?」という疑問しか湧いてこないからです。

もちろん、そのアンケート結果の中に「コミュニケーション能力とは○○のことである」なんて定義されているのであればいいわけですが、大抵の場合はそこまで親切な内容は見た事がありませんし、そもそも、色んな方に「コミュニケーション能力って何ですか?」という質問をしてみても、人によって回答が違うことがほとんどです。

そうなってくると、「コミュニケーション能力がある人を採用したい」という言葉の意味は、それを回答した人によって全然違う意味になっていると考える方が妥当な気がしてくるわけですから、そうだとすれば、冒頭の言葉と同じような感じで、実際にはこういうことだったりするのではないか?なんて思うんです。

「コミュニケーション能力と言ってるけど、自分の中にある“コミュニケーション能力”というモノを言葉にするのってすごく難しい」って。

でも、もしも“コミュニケーション能力”というモノを、その企業ごとにしっかりと一意で定義することができたとしたら、“応募してきてもらいたい人物像”というモノを描いて社内の人達みんなで共有することはそんなに難しくなくなるわけです。

そして、それは当然ながら応募してくる人達に向けても同じことが言えるわけです。

例えば、その“コミュニケーション能力”というのを、仮に「客観的事実と自分の感情を明確に切り分けて話をすることが出来て、なおかつ、他者の話を傾聴できること」とした場合には、そんな話のしかたができるかどうかを確認するために面接を行ったり、グループワークをしているところを観察したり、なんてことで結構ハッキリと見分けることが可能になるかもしれません。

もちろん、“コミュニケーション能力”の定義を別なモノにするのであれば、また全然別な方法で見分けることが可能になるかもしれません。

逆に言えば、曖昧だったり抽象的すぎたり“どんな風にでも”解釈が可能だったりするような言葉を“採用の基準”に定めてしまうと、そもそも、自分自身はもちろん同じ会社の他の人達の誰もが「それぞれ自分の思い描く“その言葉のイメージ”で判断する」なんてことが横行してしまって、「採用に関わるのが誰なのか?」によって採用できる人が大幅に変わってきてしまい、だけど、“大幅に変わってしまった”ということに気付くことは採用の時点では誰も出来ない。なんていう“ミスマッチ”が起きてしまうことが予想されます(そして、実際に色んなところでこんな感じのミスマッチが起きているのをたくさん見聞きしてきました)。

だからこそ、冒頭のような「~難しい」という声が現場から聞こえてきた時には、それは僕達にとっては願っても無いチャンスなわけです。

何しろ、「何が、どのように難しいと感じるのか?」について、その声をあげてくれた方からお話を聞かせてもらうことができるわけですから。

そして、お話を聞かせてもらって“それ”が見えてくれば、その難しさを越えて“イメージの言語化”を前に進めるお手伝いをするのはそれほど難しいことではなくなってきます。言語化するための考え方や道筋やヒントなどでサポートさせてもらうことが可能です。

だけど、最後の最後の言語化は、僕達でやらせてもらうわけにはいきません。

そこはどうあっても“当事者”が“難しさ”を正面から乗り越えてもらって、自分達自身の内側からググっと掴んで引きずり出してもらわないことには、本当に使える「役に立つモノ」になることは無いだろうと考えています。

なので、最後はエールを送って見守ることくらいしかできません。

でも、そんな風にして言語化された“言葉”には、いつだって途轍もない輝きがあるように感じます。

生みの苦しみを経て、その場に生まれ落ちた“言葉”は、その企業にとって、そこで働く人達にとって、とっても大事ですし、とっても強い力があるんです。

それを知っているので、いつだってかける言葉は「頑張って下さい」になってしまいます。頑張ってください。頑張って、ボンヤリしてつかみどころのないイメージの中から、輝く力強い言葉を引きずり出して下さい。それがきっと、これから先のあなた達にとって、とっても大事なモノサシにもなるでしょうし矛にも盾にもなるはずです。

だから、どうか頑張って下さい。
すぐ傍に居ながら、代わりにやってあげることは出来ませんが、心から応援しています。ファイト。


あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/

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