文脈を読むより前に文字を読む
こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。
色んな組織を見て、様々な人達の関わりを見ているといつも思う事があります。
それは、
「そもそも、文脈を読み取る、という行為が必要無くなればいいのに」
という事です。
「文脈を読み取る」という事が必要とされるのは、古今東西に存在してきた(している)どんな組織においても「必要」とされる事だと思います。
例えば、「あの上司が送ってきたメールだから、ポイントを抑えておかないとうるさいだろうな」とか、「あの取引先が、こういう言い方をしてきたって事は、いつものあれについても当然織り込み済みだろうな」とか、そんな感じの、いわゆる「気を利かせて」解釈をするという事が必要とされるような状況が、そこかしこに存在しています。
つまり、「文脈を読み取る」というのは、「文章に書かれている事を材料にして、文章にかかれてはいないけど、それを書いた人の心中を察して、正解を当てに行く」という行為の事を指している場合がほとんどでしょう。
だけど、これって、よっぽど経験を積んで、正解にしろ不正解にしろそのフィードバックをされていないと「文脈を読み取る力」を手に入れる事はできません(もちろん、超能力が備わっていれば別ですが)。
そうなると当然、「長い年月をかけて」その力を手に入れた人以外は、常に不正解の確率が少なくとも50%は存在し続けるわけです。ただし、この時の「文脈を読む」は「正解を当てにいかないといけない」というプレッシャーが存在している中でのことなので、50%も正解する確率は存在しないと思います。「当てに行きたい」という恣意がある状態にも関わらず、この時にはまだ「文脈を読み取る力」が備わっていない状態、つまり、50%よりも低い正解率なわけです。ということは、純粋に確率だけの話よりも不正解するわけです。
であれば、「成果に繋がるような働きは出来ない」という事です。
そうなると、「文脈を読み取る側」も「文脈を読み取って欲しい側」も、どちらも、「自分が望む結果は手に入らない」という状態に陥ります。
ということは、「文脈を読み取る」という行為を求める側、いわゆる上司や経営者側にいる人達が、部下や従業員という自分よりもその組織内での影響力の範囲が小さいであろう人達に、「文脈を読み取る」という事を期待するというその考え自体が、実は、「成果を求める」というマネジメントの目指すモノとは、全く真逆のベクトルを向いている考え方になっている、というわけです。
恐らく、「文脈を読み取る」というのを部下や従業員求めているマネジメント側の人達は、「未来視点」を持って、部下達に関わっているのかもしれません。
マネジメントとして「成果を求める」にあたって、「将来的に成長してもらって成果を出してほしい」というような考え方はとても素晴らしいのかもしれません。
だけど、マネジメントが一番に考えないといけないのは、「今」だと思うんです。
「今」必要な事がクリアされていかなければ、「未来」なんてやってきません。
どれだけ「未来」に向けて色んな取り組みをしても、「今」が疎かなら、その「今」はその先のどこにも繋がらなくなってしまいます。
それって、とっても、もったいないと思うんです。
だから、まずは、「文脈を読み取る」事を求めるよりも、まずは、「書いてある文章を読むだけでわかる状態」にしてあげる事が一番重要なんじゃないかなと思うんです。
「書いてある事を読めば、誰でもわかるようなモノ」を部下や従業員に向けて渡してあげることによって、そもそも「正解探し」をする必要はなくなりますし、そもそも「正解率100%」にする事だってできるはずです。それができれば、「成果を出す」は容易になるに決まっています。
これは恐らく、僕がここに書くまでも無く誰にでもわかる事だと思いますし、今更言われるまでもないんだと思います。
だけど、これを「やっている」とか「できている」とか「そうしたい」という人達に出会う機会はこれまでの経験上、かなり低い、と言うか、かなり稀でした。
これが何故なのかは、今のところ、僕には詳しい理由がわかっていません。
ただ、「そんな事をやらないといけないの!?」と驚く人や、「そこまでする必要があるの?」と半ば怒りをあらわにする人などに出会う事はたくさんあったので、理由はいまひとつわかりませんが、「書いてある事を読めば、誰でもわかるようなモノ」を常に作成して組織内の人に渡すのには抵抗があるらしいので、そんな時にはこんな質問をしてみます。
「成果が出る方法がわかっているけど、それはやらないようにしたい、ってことは、成果が出なくても良い、と考えているんですか?」
これには今のところ全員が、「成果は出ないとダメ」と即答します。
ここから先の展開は、人によって様々なので一概には言えませんが、僕はあらゆる人に同じ事を提案します。
「やりたくない、とか、嫌だというのはわかりました。でも、今の段階で最も単純に成果を出せる方法はこれなんですが、やりますか?やりませんか?」
答えはいつでも複数の選択肢があるんだとは思います。
だけど、マネジメントに関する選択については、大抵の場合は「真摯になって考えれば一択」になっているように、僕には見えるんです。
ドラッカーの言うとおり、「真摯さ」って凄く大事だなあと、いつもいつも思うんです。
そんな、「真摯さ」をもってすれば、「文脈を読み取る」とかどうとか細かい事がどうでもよくなるくらいに、「成果」に繋がるのを日々実感しています。
信じるか信じないかは、あなた次第です。
あかね
株式会社プロタゴワークス
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