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最高の復讐を果たそうじゃないか

こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。

組織の中で“人間関係のトラブル”が起きると、それによって起きる影響が当事者以外の人たちにまで波及していくし、時間軸で見ても後々まで波及していってしまう。これはどんな組織でも多かれ少なかれて起きているのを見聞きします。

ウチが組織開発で関わらせてもらっているある企業では、ウチが関わるようになるずっと以前から「とある特定の社員間で起きている“人間関係のトラブル”」というのが、全く別個の事例として複数ケース発生していました。

そんな“人間関係のトラブルだらけ”だったその企業では、今現在はほぼ全ての“人間関係トラブル”が解決を迎えて沈静化しましたが、最後の最後まで残っていた1つのケースだけが未だにずっとくすぶり続けているような状態です。

もちろん、表面上ではもうすっかり沈静化しているわけですが他のケースとは違ってこの1つだけが“解決”はしていません。

当事者による“我慢”によって表面上の沈静化が保たれているような状態です。

「どんなケースなのか?」というのがわからないと一体何の話なのかもわからないかもしれないんですが具体的に詳細に書くことは難しいのでフェイクを随所に入れながら書いてみようと思います。

ある時、同じ部門で働くAさんとBさんとの間でトラブルが起きたそうです。
原因は、「Aさんの仕事の進め方に対して、Bさんが文句を言ったこと」だったそうです。二人とも全くの異業種からの中途入社で、当時は会社に入ってきたばかりだったそうで、どちらもお互いの仕事への指示命令の関係にはありませんでした。更に、Aさんからすると「Bの文句は検討違いだ」と感じたし、Bさんは「明らかにAの仕事のやり方はおかしい」と感じていました。そしてある時、Bさんは会社の経営者までを巻き込んで「Aの仕事の進め方がおかしいから徹底的に調査をしてほしい」と会社に要望をし、Aさんには会社からPCなどの仕事の備品の確認や聞き取りなどの調査が行われました。Aさんからすると「事実無根の疑いなので、どうぞ何でも調べてください」と思っていました。そして、その調査の結果「Aさんは白」が確定しました。Aさんからしたら「いや、そりゃそうでしょ」という感じだったようですが、Bさんからすると「そんなはずはない!Aのヤツが何か不正をしたはずだ!」と息まいていたようでした。
そこから、AさんとBさんのお互いによる相手への“嫌悪感情”は加熱の一途を帯びていき、それによってこの両者の間でのコミュニケーションはゼロになり、両者と同じ部門の他の人たちがこの両者に気を使いながらこの断絶したコミュニケーションの溝がある中でも何とか仕事がちゃんとできるようにと懸命に人に日々の仕事をする。そうなると、本来の“仕事”に全力で臨めないし、協力は生まれないわけですから、当然ながら発揮されるパフォーマンスは高くはありませんでした。

Aさんは「あらぬ疑いを一方的にかけてきたBさんが嫌いで、更に、Bさんに煽られて動いた会社側も嫌い」

Bさんは「“自分の考える仕事の進め方”をしないし(Bさんの世界観では)明らかに不正を働いているAさんが嫌い」

会社側は、「AさんもBさんも仕事なんだから子どもみたいなことを言っていないで必要なコミュニケーションをとって仕事を進めてほしい」

こんな三者三様の状態ですし、これ以外にも“noteに書いて発信できないような事象”が色々起きていて、この“人間関係トラブル”のケースはなかなか解消するのは難しかったんです。

そんな“人間関係トラブル”が起きているとは(しかも、複数ケースの“人間関係トラブル”があるとは)露ほども知らされていなかった僕たちは、幸か不幸かこの企業の組織開発を手伝わせてもらうことになりました。

そこから時間の経過とともに様々な手を尽くし、組織の皆さんの尽力もあって、どうにかこうにか今現在の状態にまでやってきているわけです。

そうして、この事例の“人間関係トラブル”もあともう少しで解消できそうな兆しが見てきました。

なぜかといえば、この“人間関係トラブル”の当事者のうちの一人であるAさんが「本当は、自分が変化した方がいいんだろうなというのはわかっているんです」という話をしてくれるようになってきたからです。

Aさんが話してくれたのはこんなことでした。

「もう随分時間が経ったけど、Bにやられたことは絶対に許せないし許すつもりもない。事実無根で一方的に疑いをかけられて、そもそもやってもいないことについて“やっていない証明”がされたのに、それでもしつこく自分を“不正をしたヤツ”よばわりしてきたことは絶対に許せないし、許されるんだったらぶん殴ってやりたいくらいに思ってる。だけど、自分がBと一切コミュニケーションをとらないことが仕事に悪影響を及ぼしていたことがわかってから、直接会話をしないで社内チャットの活用したりすることでとりあえず業務はスムーズに回るようになった。自分としてはこれでいいだろうと思ってるけど、部署内の他の人たちに気を使わせてしまっているのもわかってる。だから、本当は自分が変化した方がいいんだろうなと思ってはいるんです」と。

ただ、続けてこうも言っていました。今までの“怒り”を思い出したけど、それをここで解き放つのは場違いだということがわかっているような表情で。

「だけど、自分からBに対してコミュニケーションを取るというのは、アイツのことを許して認めたような気がするし、なんか負けたような気がするから、どうしてもできないんです。ホントだったらぶん殴ってやりたいくらいなので」

僕自身はとっても短気な自覚があるので、自分がAさんの立場だったら“なにかしら”を実行してしまっているかもしれないなぁ、なんて話を聞きながら思ってしまうのがいつものことなんですが、そんな状況にもかかわらずこうやって日々の仕事を遂行しながら、自分のできる範囲で部署に迷惑をかけないようにして頑張っている様は「本当にすごいなぁ」と感じています。

そんなAさんには、僕の考え得る限りの“秘策”を授けました。

今のこの状態を脱するために必要な“行動としてのアイデア”。
そして、「その行動を起こすのを阻害している要因」である“抵抗”になっているAさんの感情についての確認。
そして、“抵抗”と天秤にかけてもらいたい「それをすることでどんなことが起きて、その結果、Aさんはどうなるのか」という“燃料”としてのビジョン。そのうえで、その“行動”を具体的にはどんな場面でどうやってとっていくのか?

そんなところまでを“秘策”として授けました。

そんな話をひとしきりし終えるとAさんがこんなことを言ってくれました。

「今の話に出てきた場面とやり方だったらやれそうです。すぐには難しいかもしれませんけど。それだと、確かに今までみたいに無理しながらじゃなくてもできそうな気がします」

さっきのAさんとはまるで別人みたいな、いつも通りの穏やかな表情に変わっていました。

この“秘策”が実行されるかどうかはわかりませんが、Aさんのあの表情と口調からすると、きっとそう遠くない未来のうちに「自分で選択して決断して“秘策”を行動にうつすAさん」がいるのが僕には見えるような気がします。

過去にあった出来事は消えて無くなりませんし、それによって自分の中に生じた“痛み”や“傷”や“怒り”などを水に流すこともできないかもしれません。だからと言って我慢してやり過ごす必要も無いだろうと思っています。そして、それらの“感情”を他者に言動として向ける必要も無いだろうと思います。特に、“仕事”をするために集まっている人たちで形成されている“組織”の中においては。

だから、そんな“感情”は組織の中では一旦脇に置きましょう。

その“感情”を自分のど真ん中に置いたままでは、結局、自分自身が一番損をしてしまいます。

“組織”において、“仕事”において、“感情”に引っ張られて行動を起こすのはただただ自分が最も損をするだけですし、“感情”に引っ張られた行動が組織のためになり、世の中のためになり、自分のためになるということはよっぽど運が良くない限りは起こりえません。それが起きるのはフィクションの世界だけです。実際には、組織にとってのダメージになり、世の中にとっては邪魔なことであり、自分の未来に自分で傷をつけることになるのがほとんどです。

だから打算的に。とっても利己的に。とにかくまずは自分のためだけに。

そのために、自分の“感情”は一旦脇に置いておいて、その「仕事の目的」や「組織の目的」から考えた時に“役に立つこと”を選択して行動してください。それが、あなたにとっても最も“役に立つこと”になるのは間違いありませんので。

でも、もしも“感情”によってうまく思考が進まない時には、Aさんのように僕たちに相談してもらって、僕たちと一緒に考えましょう。

そこの部分については、自分たち自身も毎日常に取り組んでいるし、これまで無数に他者のサポートをしてきた部分なのでとっても得意なところです。

「怒り心頭」だからこそ、感情に任せてしまわずに、自分にとっても最も“役に立つこと”として「自他共に認めざるをえない“メリットしかない役に立つ素晴らしい行動”」を考え抜いてやろうじゃあないですか。

「それこそが、最高の復讐なんじゃないかな」僕はいつもそう思っています。



あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/

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