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同じと違いはどこにある

こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。

「これで同じ給料だなんてやってられないよ、まったく」

知り合いのAさんが自分の職場での出来事について話してくれていた時に出てきた言葉です。

話を聴いていると、その知り合いAさんは職場の人達から頼りにされていて色んな仕事を頼まれることが多いうえに、仕事の遂行能力が高いので“難易度の高い仕事”を任されることも多く残業することがたくさんあるようです。

一方で、同じ職場にいるAさんと同じ職位のBさんという方がいるらしいんですが、Bさんは入社以来ずっと必ず定時で帰ることにしているらしく「私は残業はしないので」と言ってどれだけ周囲の人が忙しくしていてもサッと帰っていくそうです。

そんなこともあるからなのかBさんを頼りにしている人は職場にはいないようで、当然ながら“難易度の高い仕事”がBさんに回ることも一切ないそうです。

そんな両者は職位が同じなので現状は同水準の給与であるらしく、そんな状況についてのAさんの嘆きが冒頭の言葉に現れているようです。

この話を聴かせてもらっていた僕は、こんな疑問が浮かんできたので投げかけてみました。

「Aさんは、Bさんのように働いていきたいの?」と。

するとAさんは少し考えてから、

「いや、あんな風に働きたくはないかな」と答えてくれました。

僕はAさんの勤めている会社の制度や仕組みについて詳しい事は何もわかりませんが、そもそも、働く人の仕事ぶりを評価する制度と給与体系がしっかり連動してきちんと機能しているとしたらAさんが感じているような“不公平感”が生まれるはずはないはずです。

だけど、Aさんの勤めている会社は歴史が長く組織も大きいので制度や仕組みが一度できたら「そう簡単には変わらない組織である」というのはAさんも承知していることのようでした。

だから冒頭の言葉は「言ったところで変わらないコト」というのはAさんもよくわかっているようですし、今のところは時代に即していない制度があるからと言って退職する理由にはならないようです。

「それは言っても変わらないから仕方ないけど」そう言うAさんは、会社の制度以外にも何か言いたいことがあるようだったのでもう少し詳しく聞いてみました。

すると

「自分にばっかり厄介な仕事が回ってきてこっちは必死で残業してるのに、Bさんはしれっと定時で帰っていくのが不公平だと感じてる」ということでした。

なるほど、確かにAさんのところに大変な仕事が回ってきていてBさんのところにはそういう仕事が回っていかないという現状があるらしいのは話の中からもかなりハッキリわかってきます。

「Aさんも定時で帰ってしまえばいいのでは?」

「そしたら仕事が回らなくなるから無理だよ」

「でもBさんは帰っていくのであればそういう働き方もできるのでは?」

「Bさんみたいに誰からも頼りにされず、仕事の能力も若手と同じくらいしかない中堅にはなりたくない」

「なるほど。そしたら何が不公平なんですか?Aさんは仕事の能力が高くて周囲に頼られる職業人として在りたいということですよね?一方でBさんの行動を見ると“そういう職業人”になりたいと思っているわけではなさそうですけど」

「・・・確かにそうですね」

そんな話をしていたら冒頭の言葉にあった不公平感からくる不満感情はだいぶ落ち着いたようでした。

現実的に、組織で一緒に働く人達からするとAさんは頼りになるから難易度の高い仕事が回って来ているわけです。そして、それにしっかり応えることができているわけです。

それによって、Aさんの仕事遂行能力がまた上がっていって、だからまた難易度の高い仕事の依頼がくるという循環が起きています。

この循環を日々繰り返していることでAさんの実力はどんどん上がっていくわけですし、それによってさらに難易度の高い仕事ができるようになっていくので、また更に周囲の人達から頼られる存在になっていきます。

そうしていつの間にか“仕事”という面においては、AさんとBさんとでは同じステージで比べることが難しいくらいの実力差が開いてしまいます。

これは「良い悪い」の話ではありません。ただの生き方の話です。

「どういう生き方をしていきたいのか?」だけの話です。

僕が話を聴けたのはAさんの話だけですが、BさんにはBさんの考える“生き方”があるのかもしれません。

Aさんは「“仕事”というモノに対して真摯でいたい」という価値観を持った生き方をしているようなので、誰か他者と自分を比較しながら生きていくよりも、自分自身の“仕事”についての価値観に焦点をあわせていくことがAさん自身にとってもよいコトなんじゃないかなと思っています。

仮に今は給料が同じだとしても「同じではないモノ」が他にたくさんあると思うので、冷静にそういう部分を見つめてみるのもいいんじゃないでしょうか?



あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/

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