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噛んでみたらハッキリわかる

こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。

僕はどうやら寝ている時に強めの“歯ぎしり&食いしばり”をしているらしく、朝起きると特定の箇所の歯が痛くなっていたり、顎が痛くなっていたりすることがあります。

そんなことが続いていたので、会社でその話をしていたところ、仲間から「通っていた歯医者さんで顎関節症を治してもらった」という話を聞きました。詳しく聞くと、どうやら“かみ合わせ”に強い先生がいるということで、そこで“就寝時用のマウスピース”を作ってもらったことで治療したとのことでした。

その話を聞いて、「そこだったら、自分の“歯ぎしり&食いしばり”も治してくれるんじゃないだろうか?」なんてことを考えたので、まずは一度行ってみようと思い立ちました。普段は、よっぽどのことが無い限りはできるだけ病院や歯医者には近づかないようにしているのにもかかわらず。

そんなこんなで、先日、“完全予約制”の歯医者さんにネットで予約をしてから行ってみたんですが、そこは外から見ると昼間なのに(物理的に)暗い感じがしましたし、ガラス戸から中を覗いてみると、受付には誰も座っておらず、待合室にも人が一人もいませんでした。

「え?これやってるの?でも、もう予約した時間になるからなぁ…なんだか入りづらいなぁ」なんて思いつつ、恐る恐るドアを開けて中へ入ると、やっぱり誰もいません。

待合室と奥の診察室との間には仕切りが無くて、中を覗くと先生と助手の方が一人の患者さんの治療をしているところだったので「こんにちは」と声をかけると、待合室で待つように声掛けがありました。
「なんだか、こういう雰囲気の歯医者さんは初めての感じだなぁ」と、これまでかかってきた歯医者さんとの違いに戸惑いつつ、生来の病院嫌いもあいまって、緊張感が高まっていきます。

そうして少し待っていると、初診用の用紙に必要事項を記載してほしいということで用紙を渡されて記入をし、終わったころに診察室に呼ばれました。

診察台に座ると、とても穏やかそうな年配の先生と、さっき受付をしてくれた助手の方が一人ついてくれます。

そうして、今回“かみ合わせ”について見て欲しいことや、寝ている時にどうやら“歯ぎしり&食いしば”があって、それによって歯や顎が痛くなることを伝えて、先生が色々と診察を始めてくれました。

そうしてまず注目したのが、顎の関節部分です。
先生がここを触診しながら、何度か口の開閉をするよう促されたので、アグアグとやっていたら「ちょっとここを自分の指で触ってみてください」と言われて、自分で触りながら口の開閉を指示通りにしてみます。先生が「右と左で動きが違うのわかりますか?」と聞かれたので、関節の動きを確かめるように何度か口を開閉すると、確かに右と左の動きが違います。そして、先生の言う通り、実際に顎を開くと違和感もさることながら時折「ガクッ」と音がすることもあるというのをこれだけで見抜かれました。
そうして、様々な参考資料を見せてもらいながら先生の説明を聞かせてもらい、今の自分の“口の中と顎で起きていること”を先生の見立てを基に解説してもらいました。
そこから、その見立てだけでなく、しっかりとその原因を確認するために歯(と顎)のレントゲンを撮ってもらうことになりました。

できたレントゲン写真を見ながら、先生は「キレイな治療痕ですね~」と、レントゲンに映っているこれまでに虫歯を治療してもらってきた幾つかの歯を見て言っていました。

他の歯科医の手による「治療した痕がキレイかどうか」を見ればわかるんだなぁというのと、それ以外にも“かみ合わせ”や“歯ぎしり&食いしばり”に関与しているであろう歯を、その位置や高さから「ここが、こういう理由で、こうなっている」という解説をしてくれました。

そこまで丁寧に見てくれた後、「マウスピースを作れば歯ぎしりや食いしばりの影響が軽減できると思います」と言って型をとってくれました。

そうして、先日、二度目の診察に行ってマウスピースを作ってもらってきました。

これまでに自分が使っていたマウスピースと言えば、スポーツショップで売っている「お湯に入れて柔らかくしてからガブッと噛んで自分の歯型を付けてから冷やして固める」というお手軽なヤツを、スポーツ用に使っていました。ただ、この手のマウスピースは口に入れると奥の部分で舌が当たるからなのか、必ず「オエッ」となるので、常に奥の部分が当たらないようにするために切り落として使っていたので、奥歯には一切樹脂が来ないようにする必要がありました。

なので、今回作ってもらうモノもそんなイメージでいましたが、歯医者さんで作ってもらったマウスピースは全然そんなもんではなくて、しっかり奥歯まで噛み合わせても一切「オエッ」となることはありませんでした。もちろん、何度も何度もかみ合わせを見ながら先生が少しずつ手作業で削ってアタリを調整してくれました。そうやって手間暇かけて作ってくれたからこそ、噛んでみてもほとんど違和感が無くて、何と言うか「ものすごく自分いフィットしていながら、ほとんど無理の無い感じ」とでも言うんでしょうか。

今まで、自分が人生の中で使ってきたマウスピースというモノとは、大枠では同じ部類にくくられるんでしょうが「全くの別物である」ということが即座にわかる代物でした。

そこで気が付きました。

「なるほど。同じ“歯医者さん”でも、得意分野が違うことによって、その得意とする治療においては“全くの別物”と感じられる場合もある」ということに。

僕がこれまでに虫歯を治療してもらってきたところは、素人の僕からしても「キレにしっかり治してくれる」という信頼感をもっているのでこれまでずっと通ってきましたし、今後も虫歯になったら同じところに通うだろうと思っています。でも、長年(と言っても1年に1回も行かない年もありますが)通ってきましたがその歯医者さんでは“かみ合わせ”については何も指摘してもらったことはありません。

今回お世話になった歯医者さんでは、僕の健康な歯の状態を見て「この削れ方は、寝ている間に相当歯ぎしりしているね。ここまで削れてるから、そりゃあ色んなところに影響出ちゃうだろうね」なんていう見立てもしてくれましたし、僕の口の中に残っている“親知らず”の形状を見て、「これがかみ合わせにだいぶ影響しちゃってるから、本当は、できれば抜いた方がいいんだけどねぇ」なんて恐ろしい提案もしてくれました。

恐らく、どちらの先生も歯医者さんとしての腕はピカイチなんじゃないかと思っています。何しろ、これまでの人生の中で診てもらってきた歯科医の中でも、どちらも真摯に“僕という個人”に向きあって一般論だけではなく相談にのってくれて治療をしてくれたと感じられたからです(一般論だけで対応してくれた“二度と会いたくない歯科医”には何度も遭遇した経験があります)。
それでも、“歯医者さん”という括りは恐らく「とっても広い枠組み」なんだろうなと、この歳になって初めて理解できました。
“歯医者さん”という免許の中で行うことが可能な治療の中でも“専門性”というのが細かくたくさんあって、それらの中で各々が得意不得意も当然あるんじゃないかと、今は思っています(もちろん免許を持っているので“必要最低限”のレベルには全ての技術があるんだとしても)。

でも、考えてみれば、「これは“歯医者さん”に限った話じゃなくて、ありとあらゆる“仕事”に通じる話なんだよなぁ」ということが“キャリアの専門家”として仕事をしている今だからこそわかります。

どんな資格を持っていようとも、それはあくまでも「その免許を取得するにあたっての必要最低限をクリアしている」という証なだけであるわけです。

その免許の存在が、「その免許を持って仕事をするうえで、ありとあらゆる技能が“抜群”ということを保証するものでは無い」ということです。

ここは、“その分野”の素人からするとどうしても錯覚しがちなところですし、そもそも「素人の中で“錯覚が起きていること”を利用しようとしたり、無駄に権威付けしようとする」なんてことが様々な分野の“免許&資格”の商売で起きているのを見聞きすることもたくさんあります。

そんなこともあって、僕みたいな素人は“ついうっかり”で“免許&資格”というモノに気を取られてその本質を見ることもしないで、ハナから丸ごと信じようとしちゃうわけです。

だけど、“その物事”に対して“役に立つこと”が起きているかどうかを、正しく観察することができれば、その“免許&資格”なんていう外形的な権威だけではなくて、それを実際に行動として起こす“その人”が「真摯であるかどうか」というのは、自ずと見えてくるわけですし、“それ”を得意分野としているかどうかも見えてくるんじゃないかと。言うなれば、このマウスピースみたいに「噛んでみれば、これが自分の口に合っているかどうかハッキリとわかる」というくらいハッキリとわかるんだろうな。なんてことが、今回のことで更に理解できたような気がしています。

今のところはとりあえず新しく作ってもらったマウスピースで様子を見ていく方針で落ち着きましたが、もしもこれでどうにもならなかったとしたら、きっとそのうち“親知らず”を抜くという、恐怖の体験を20年ぶりくらいにしなければいけなくなるかもしれません。

「できれば、このマウスピースによってあらゆる不調が治りますように」

そう願いを込めているんですが、今までに“体の不調”について僕が願ったようなことが起きた試しは無かったように記憶しているので、今回も期待をしすぎないように、でも、強く強く願っていこうと思います。 ”親知らず”抜くのは痛いし恐いからできれば避けて通りたい。



あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/

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