話すんじゃなくて話し合うんだよ僕たちは
こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。
「相手の話を最後まで聞き切ること、その後で自分の意見を最後まで話切ること、そして、お互いに否定しないこと」
組織の中や、仕事の関係性の中だけでなく、趣味の集まりや顔見知り友人知人や家族親族などの“人と人がいて話をしている場面”で冒頭に書いた3つのことが実践されている“話し合い”ではその場にいる人達がいがみ合ったり揉めたり攻撃しあったりということが起きず“話し合い”は円滑に和やかに、そして時には“建設的”に進んで行くのを、これまでにたくさん見聞きしてきました。
一方で、「相手の話を最後まで聞き切ることなく、途中で自分の意見を重ねたり差し込んだりして、相手自身や意見に否定的な言葉や態度を向ける」ということが“話し合い”の中で行われていると、その場にいる人達の中に“ネガティブな感情”が湧きおころ紛糾したり揉め事が起きたりケンカになったりトラブルに繋がったりするのをこれまでに無数に見聞きしてきました。
これまでの人生で遭遇してきた様々な“話し合い”を振り返ってみると、どちらかと言えば「相手の話を最後まで聞き切ることなく、途中で自分の意見を重ねたり差し込んだりして、相手自身や意見に否定的な言葉や態度を向ける」というのがこの社会の中で行われる“話し合い”のデフォルトなんだろうなとは感じているんですが、それにもかかわらずこの社会では“なにか”があるとすぐに「話し合いをしましょう」とか「話し合いをしてください」ということが言われます。
この「話し合いをしましょう」というのは古い記憶では小学校くらいから既に言われてきていたような気がしますし、人によっては保育園の頃から「話し合いをしましょう」と言われているようです。
だけど、そんな多くの人が推奨する“話し合い”についての“やり方”を指南してくれる場はほとんど存在していません。
少なくとも、僕は「話し合いをしましょう」と言っていた人達から“話し合いのやり方”を教わったことは一度もありませんし、僕がこれまでに色んな人に確認してきた中で「(冒頭のような)“話し合い”のやり方を教わったよ」という話は未だかつて誰からも聞いたことがありません。
ちなみに、冒頭に書いた「相手の話を最後まで聞き切ること、その後で自分の意見を最後まで話切ること、そして、お互いに否定しないこと」という“話し合い”のコツのようなモノは、ウチの会社が“哲学対話”を学んだ梶谷真司先生の提唱している「哲学対話のルール」の中から抜粋した内容です(詳しいやり方はこの本に書いてあります)。
哲学対話を学んで実践していく中で、「どうして多くの人達は、わざわざ“話し合い”が上手くいかないような手法を取り続けるのにもかかわらず常に“話し合い”をしようと思うんだろう?」という疑問が湧いてきました。
もちろん、ここでいう“多くの人たち”には哲学対話を学ぶ以前の自分自身も入っています。
当然ながら「“話し合い”のやり方を学んでこなかったから」というのが大きな理由なんだろうなとは思うんですが、“話し合い”を経験する数は生きていると相当の回数経験するんだとは思うんですが、その中で自分自身が「何一つ“話の聞き方”も“話の仕方”も工夫することなく、常に“上手くいかない手法”を取り続けてきていた」というのが恥ずかしくもあり不思議でもあります。
ただ、こうやって書いてみたことでふと思い浮かんできました。
「誰かに教えてもらってできるようになったことは、その後で自分でやり方を工夫したりしてきたんじゃないだろうか」ということであり、また「誰かに教えてもらった記憶が無いのにできるようになっていることは、その後で誰からも教わらずにやり方を工夫してこなかったんじゃないだろうか」ということが。
確かに、“呼吸の仕方”については生きている中で誰かから“普段とは違う呼吸の仕方”を教わった後で色々と工夫したりした経験があります(例えば、深呼吸とか走る時の呼吸とか瞑想の呼吸法など)。でも、そういう日常とは違う呼吸の仕方を教わるまでは、何も考えずにただただ“自分の当たり前”として何も意識せずに呼吸をしていたような気がしています。
そうやって考えてみると、確かに“話す”ということや“話の仕方”というのはそれこそ大人になってから「〇〇の場面での話の仕方」というのを“誰か”から教わったタイミングで初めて“自分のナチュラルな話し方”ではなく“方法に沿った話の仕方”を練習したり工夫したりしてきたのを思い出します。
そうやって考えてみると、哲学対話にルールが設けられていることも“8つのルール”を絶対に守らないと哲学対話が成立しなくなってしまうのも理解できてきますし、ただただ「話し合いをしましょう」と言って“話し合いのやり方”を教えることも学ぶこともしないと、その“話し合い”は往々にしてあまり意味の無い時間になるし険悪な雰囲気になるし機嫌が悪い人が増えるし何の建設的な話にもならないということが起きて、多くの人達が“話し合い”というモノに対して「できればあまりやりたくない」というネガティブな精神的姿勢になってしまうのも無理はないのかもしれないと思えてきます。
だからこそウチが関わらせてもらう組織では「“話し合い”のやり方」というものを組織の中で統一して、みんながそのやり方に則って話し合いをすることをサポートしています。
統一された“話し合いのやり方”をみんなが守ることで、その組織の中で日々行われる様々な“話し合い”が建設的なモノになり、その“話し合い”の結果が仕事のクオリティに反映されていくのは間違いありません。
だからまずは「相手の話を最後まで聞き切ること、その後で自分の意見を最後まで話切ること、そして、お互いに否定しないこと」を一人ひとりが実践するお手軽なところだけでも始めてみると、あっという間に“いいかんじ”に協力しながら仕事を進めることができるようになっていくので、「もっと組織力を上げたい」と思っていたら、お金も時間もかけずに実験してみるのがいいんじゃないかなと思っています。
これだったらまずは“自分の取り組み”だけを変えるだけでできちゃいます。
やってみて、一緒に話をする人のリアクションを観察することで何かしらの“変化”を実感できるかもしれません。
あかね
株式会社プロタゴワークス
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