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結局学ばせてもらったのは我々だった

こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。

怒濤の週が遂に終わりました。

本当に長かった一週間の締めの今日24日金曜日は、前橋市にある共愛学園前橋国際大学さんに呼んでいただき、『取材インターンシップ』という授業の中の1コマで、「就職活動の進め方」を1~3年生に向けて講義をするという内容でした。これは、当社の野尻が講義をさせていただきました。

前日の23日木曜日は、高崎市にある新島学園短期大学さんで毎週木曜日に群馬中小企業家同友会の協賛により実施している『社会人力養成講座』という授業で僕が講義をさせていただきました。

この授業は、「社会に出てからの頭の使い方を学んでもらう」という目的を掲げて、群馬同友会の会員企業の経営者さんが2週に渡って講義を担当し、1週目は「経営者の人生と学生に知っておいて欲しいこと」などを伝えたり質疑応答をしたりしつつ、翌週のグループワークに向けての課題を出すというもの。
そして、2週目は出した課題について各学生たちが考えてきたアイデアを基にしながら、学生同士のグループを組み、その課題について議論を重ねてグループとしての意見をまとめて最後に各グループが全体に向けて発表をする。そんな内容です。

いずれの学校の授業でも、「㈱プロタゴワークス」として授業をすることになっていたので、「ウチの看板にかけて、しょうもない授業は絶対にできん!」ということで、当然ながら全力を傾けて臨んみました。だからこその“怒濤の一週間”。

とは言え、ウチの仲間は“こういうこと”にとても慣れていますし、僕から見ていてもひいき目無しに「いい講座」をしてくれるんです。僕も、一応“こういうこと”のための資料については必ず途中途中で目を通しつつ色々意見を言ったりして、作られていく過程を見てたりするんですが、実際の講義になると「内容を全部知っているのにもかかわらず」ついつい受講する人たちと一緒になって「なるほど」とか言いながら講座に釘付けになっちゃうくらいです。

いつも見ていて「こういうことが、仲間にはとても向いているんだろうな」と思うんです。

でも、そんな仲間とは真逆に、僕は客観的に見ても「こういうことに向いていない」んです。

そもそもが“上がり症”ですし、人前で何かをするとか、自分に視線が集まるとか、注目を浴びるというのがなかなかに苦痛です。

とは言え、これまでもずっと「避けては通れない状況」が多々あったので、何とかやっているうちに段々と慣れてくる部分もありますが、それでもやっぱり相手が大人だろうが学生さんだろうが緊張することはどうしたって避けられません。

そんな、「向いていない僕」と「向いている仲間」が日替わりで「大学で講義をする」という、これまでに無かった仕事に取り組んだ週でした。

ということで、ウチの仲間が実施した今日24日の前橋国際大学さんでの講義については、「とても良い内容だったし、学生さんたちの反応もとても良かった」というのは、あの授業を見ていた人や実際に受けた人の誰もが満場一致の感想なのは、誇張無しに事実でした。何しろ、講義の途中から学生さん達のメモを取る姿勢や視線の真剣さや、講義最後の質疑応答の本気度の高い質問からハッキリと受け取れました。

まあ、ウチの仲間がやる講義なので、仲間の実力を日々実感している僕からすれば「こうなることはわかっていましたけどね」と言いたくなる気持ちもありますが、“わかっていた”けどそれでも「いや、ホントに良かった」と思っています。

じゃあ、一方で、昨日23日に新島学園短大さんで実施した僕の講義はどうだったのか?

正直言うと、昨日の講義が終わった直後から僕はズッシリと沈んでいました。
なぜなら、「思っていたような反応が得られなかったから」です。

具体的に何のことかと言えば、恥を忍んで書くと「数人の学生さんが僕の話を聞きながら寝ていたから」でした。もちろん、最初から最後まで寝ていた学生さんがいたわけではありませんが、僕が話をしている最中に段々と瞼が閉じていって、しばらく目を閉じたままの学生さんが数人いました。

そうです。僕の講義が面白くなかった。退屈だった。
それを突き付けられた気がしたんです。

まあさすがに大人の僕なので、講義の最中にこんな話はしませんし、ショックを受けた様子を顔や態度に現してはいなかったようですが(仲間の証言により確認済み)、明けた翌日の今朝までそのショックさを引きずっていました。

そんなショックから、これまで人生の中で一度も“なろう”と思ったことの無かったのに、「自分は、学校の先生にならなくて本当に良かった。もし、自分の授業で毎回学生さんに目の前で寝られたら、きっと立ち直れなくなるだろうから」なんてことすら考えていました。

そうして、今朝会社に来たら、1通のメールが届きました。

昨日の講義後に受講した学生さん達が書いた「講義の感想レポート」をPDFにしてくれたものでした。そこには、受講した全学生さんの感想が書いてくれた内容を読むことができました。

そのメールが届いたのを確認した時に、僕はメールを開かずに席を立ってトイレに行きました。

正直に言って、とても怖かったんです。
「本当につまらなかった」とか「これまでで一番退屈な話を聞かされて全然タメにならなかった」なんてことが書いてあったらどうしよう。

そんなことが頭の中に浮かんできてしまって、とりあえず頭の中を整理するために片道30mある共有の廊下を歩いてトイレに向かいました。

そして、用を足してまた30m歩いている時にだんだんと気持ちが落ち着いてきました。
「まあ、どんな感想が書いてあっても、講義はもう終わったんだし、来週はグループワークだし、それ以降はもう出番が無いんだから別に気に病む必要無いだろう。だって、自分に出来るだけの準備はして、当日も出来ることは全てやったんだから、それが全然届いていなかったということが明確になっても、それが昨日の時点の自分の実力なんだから」

なんて思えてきたんです。
そして、自席に戻って、メールを開きました。
添付のPDFには、全ての学生さん達の感想が書いてあるので1枚ずつ読んで行きます。

・・・・・・・・

数枚目を読んだ時点で、僕はうっかり泣いてしまいました。軽く嗚咽をしながら。

まだたったの数人分しか読んでいないのに、そこには、僕がこの講義をするうえで「誰か1人にでも届いてくれたら嬉しいなあ」と思っていたことが、そのものずばり感想に書いてあったんです。

「届いていたんだ」

この感想は毎回の授業で学生さんが学校側に提出するものです。これの記入と提出によって、出席の確認と授業の採点に大きく関与するものらしいのです。

だから当然、学生さんも「わざわざ心証を悪くするような感想」なんて書くわけがありません。なるべくいい印象を与えられるように、なるべく「良い事が学べた」という内容になるように書いてくれているんだとは思っています。

だけど、今回の講義で僕が「誰か1人にでも届いてくれたら嬉しいなあ」と思っていたことが、そのものずばり書いてあったということは、間違いなくその部分の話を聞いてくれていたわけです。そして、“それ”が書いてあったということは、その部分の前後の話や、最初の話や最後の話もしっかり聞いてくれていたということが明確にわかります。なぜなら、それを聞いていないとその感想は絶対に書けない話の構成になっていたから。

更に1枚1枚読み進めていくと、どうやら「届いていた様子」の学生さん達は、かなりの割合いるんだということが見えて決ました(あ、これはもちろん僕の欲目も入っていると思います)。

どうやら、1人や2人じゃなくて何人にも「届いていた」ということが、感想からハッキリ受けとることができました。

僕は、この感想を読ませてもらって、心の底から嬉しかったです。

そして、心の底から反省しました。

僕は、目の前にいた学生さん達の反応を、きっと全く見る事ができていなかったんでしょう。

だからこそ、「目の前で寝られた」という目立つ出来事と目立つ反応に“だけ”ショックを受けて、それ以外の「話を受け取ってくれていた」目立たない反応を、僕がキャッチすることができていなかったんです。

僕は、講義をしていて「こういう反応が欲しいんだ」という自分のエゴに自分が飲み込まれてしまっていることに気付かず、目の前の学生さん達をありのままに見る事ができていなかった。

それが、昨日の講義をしていた時の僕でした。

そんな、自分自身の“浅薄さ”や“エゴへのとらわれ”や“自分の求めることでいっぱいになる狭量さ”なんかを、いやというほど思い知らされることができて、本当にこの講義をやらせてもらえてよかったと、今は心の底から感じています。

僕は、講義などの“こういうこと”に向いていない自覚がありますし、実際に向いていないということは今回の講義でハッキリしました。

だけど、もしも今後また機会をいただけるのであれば、また挑戦してみたいと思っています。

“こういうこと”が好きになったわけではありません。

だけど、講義という形の中で「届けたいこと」と「受け取って貰えたこと」と「こういうことを受け取ったよ」という、この時間差のキャッチボールのようなやり取りが、なんとも不思議な心地よさや、他にも色んなことを考える時間をもらえた気がしていて、少なくとも「苦手だし嫌い」という状態からは、すっかり自分の内面が変わったような気がしています。

男、46歳。学生さんの感想を読んで、朝イチから嗚咽をしながら泣きました。

そして、とっても気持ちの良い一日を過ごすことができました。

僕達、プロタゴワークスに講義の機会をくれた学校の皆様、そして、僕達の講義を聞いてくれた学生のみなさま、本当にありがとうございました。

一緒にまた学び合いができる日を楽しみにしています!


あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/

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