その矢印を向ける場所はこっちです

こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。

「やっぱり、大事なのは本人のやる気とか意欲なんじゃないですかね」

組織開発で他社に関わらせてもらっていると、こんな話をしてくれる人たちに出会います。

これは、同じ組織で働く他者に向けられているんですが、「やる気とか意欲の多寡によって“仕事の結果”が変わってくる」という文脈が前提になっている言葉です。

以前の僕も、こんな風に「やる気とか意欲が大事だし、本人にそれが無ければ周りからは関わりようが無いよなぁ」と考えていたことがありました。と言うか、冒頭の話をしてくれる人たちと同じようなことを“自分の中だけ”ではなくて、他者に向けてそのまま発信していたこともありますし、当時の後輩や部下だった人に向けてそのまま投げつけていたこともあります。

今から考えると、当時の自分の言動は“先輩”や “上司”としては全くどうしようもないモノだったと反省していますし、そもそもフォーカスすべきは「やる気とか意欲」ではなかったということを知りませんでした。そんな僕だったからこそ、「やる気とか意欲」に焦点を当てて発信をしたところで、相手の仕事ぶりが変化するわけもありませんでした。もちろん、「やる気とか意欲」にフォーカスした言葉を相手に向けて強めに発信したら“その瞬間だけ”はまるで仕事ぶりが変化したかのように見えることも多少はあったかもしれませんが、それが僕の考えるような“持続した状態”になることはありませんでした。

そんな経験をして困っていたので、「どうしたら他者に成果を出してもらえるのか?」について色々調べている中で“マネジメント”というモノに出会い、“組織開発”というモノに出会い、それらを実際に試していく中で「何にフォーカスをすると他者に成果を出してもらえるのか」ということが肚落ちして理解できるような体験を積んでくることが出来ました。

そうして今は、「やる気とか意欲」ではなくて、「行動にフォーカスする」ということが最も有効だと考えています。

極論を言えば、「やる気とか意欲」が有っても無くても“仕事の成果”に繋がる行動を必要な分だけとってくれて、その行動に修正が必要な時には適切に修正をした行動をとってくれる。そんな風に“適切な行動”を成果につながるまで継続してくれればいいだけの話です。

その“適切な行動”を継続してくれさえすればマネジメントには何の問題も無いわけで、「やる気とか意欲」が有るか無いかというのは実は“その本人”だけの問題なんじゃないかと思っています。いわゆる「“モチベ”の問題」です。

そうやって考えてみると、そもそも「やる気とか意欲の有無をどうやって判断しているのか?」が重要なポイントになってきます。
もしかしたら、「“必要な行動”ができていない」ということを指して「やる気や意欲が見られない」と言っているんでしょうか?それとも、“表情や態度”を指しているんでしょうか?それとも、行動の有無ではなくて「“成果”が出ているかどうか」を指しているんでしょうか?はたまた、それ以外の“何か”なのか?

こんな風に「やる気とか意欲」にフォーカスしてしまっている場合には、そもそも「やる気とか意欲とは何のことを言っているのか?」について深く掘り下げられていないからこそ、とっても曖昧でボンヤリしてハッキリしていない「やる気とか意欲」という抽象的な概念を持ち出してしまいます。これは、僕もウチの仲間も、そしてこれまでに僕たちが関わらせてもらってきた「やる気とか意欲」という概念を大事にしていた様々な人たちについて“例外無く”そうだったので間違いありません。

「やる気とか意欲」って一体何のことを言っているのか?

これを、「やる気とか意欲が大事」と言っている人たちみんなで対話をすることで、それぞれが考える「やる気とか意欲」がどんどん浮かびあがってきて、自分や他者が何を「やる気とか意欲」という名称で呼んでいるのかがはっきりとしてきます。

逆に言えば、「やる気とか意欲って一体何のことを言っているのか?」について、関係者で対話をしなければ、その組織やマネジメントが言うところの「やる気とか意欲」はそのままずっと「やる気とか意欲」のままになってしまうので、いつまで経っても、「やる気とか意欲が大事だよね」というボンヤリしたモノについて話を重ねるだけで、仕事の成果につながるような建設的な話を進めていくことができないままになってしまいます(そして、この実例もこれまでさんざん見聞きしてきました)。

だから、マネジメント側が部下などに向けて「やる気とか意欲が大事だよね」という評価をしたり、そこにフォーカスした話をするのは、あまり意味がありません。

それよりも、“行動”にフォーカスして話をして、“行動”についてフィードバックして、“行動”について評価をすることで、組織にとって必要な行動が増えていって、その結果、求める成果に繋がっていくわけです。

もちろん、マネジメントの役割は「チームのメンバーが必要な行動をとりやすくするための環境整備」なので、誰かの「やる気とか意欲」が低下してしまうような言動があってはいけないですし、心理的安全性の構築に努めるのは必須でしょうし、リーダーシップの発揮は絶対条件ですし、“真摯さ”は常に持ち続けるのは言うまでもありません。そういう文脈で、「みんなのやる気とか意欲を低下させず向上させるためのマネジメントを自分自身が“行動”できているか?」という問いを自分自身に向けてみたり、自分が取り組むべきことの目安として、“他者のやる気とか意欲”に目を向けるというのはとっても大事なことでしょう。

「やる気とか意欲が大事」なのは間違いありませんが、その使い方としては、こんな風にしてみることで、“欲しい成果・挙げたい成果”に繋がっていくのは、既に様々な状況で検証済みなので、冒頭のような話をしている方に出会ったら“行動”にフォーカスすることをオススメしています。

ただ、ここまでの話は、本当に“仕事の成果”を求めていて「現状をどうにかしたい」という「やる気とか意欲」が無いことには「“行動”にフォーカスする」という行動をとるのが途轍もなく難しいんです。



あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/

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