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良い姿勢の周辺をウロウロできる能力

1からピラティスについて見直しても
いいかもと思い、こんな説。シリーズで
ちょっと話をしてみます

よく、教科書やイラストで見かけます

良い姿勢/悪い姿勢 
THANKS:フリーイラスト素材集 ジャパクリップ様

基本的に静止姿勢を示す図が多く、骨や関節、筋に負荷のかからない
ポジションとして理想的な姿勢などと表記されています

基準として研究された医療書には姿勢の特徴などが細かく
書かれているので、確かに良い姿勢に近い方が良いと考えます

しかし、ピラティスインストラクターの養成コースや研修などでは
ざっくりとした姿勢観察だけで、お客様の姿勢を指摘してしまうことに少し注意が必要なのです。

身体はその正常(理想)と言われる姿勢を1度学習しているか

あくまでも「説」の話として
身体を動かすことのベースに人間はたぶん
潜在学習と顕在学習をしているはずで、
どこぞやのタイミングで正常な姿勢に使われるだろう関節や
筋肉、神経などを学習はしていると考えられます。

ただ、こうして静止して止まって良い姿勢を取り続ける生き方は
していないはず。と考えます

そして、ある日突然、
「あなたの姿勢は悪いです。これが正しい姿勢です」
「これは関節が硬いせいです、腹筋が弱いからです」
なので
「正しい姿勢に戻しましょう!!」
は少し急な展開・・・という話になります

正常(基準値)を大事にするとき

懐かしき理学療法士時代に頭を飛ばしてみますが
山のような正常(基準値)を学びます
骨折や何かの疾患、術後、もしくは先天的な疾患の患者さんの
基準値は大きくマイナスになっている部位があり、
逆に良い部分も機能的に残しているので合わせて評価します

まずはそれらを正常範囲内にできるだけ機能を戻すことから
リハビリが始まります
そこで、
「この方は生まれてから正常を経験したことがあるのだろうか?」
と考えながら1つ1つの関節の動き、筋肉の収縮の特徴、
神経の反応など細かく引き出していき、正常(基準値)を目指します。

同時に、生活レベルでの機能性という部分も合わせて
リハビリに取り組まねばなりません。
そして長い期間リハビリに通って治すことも今は難しくなってきていますから、運動機能は病院外での分野でフォローすることが増えてきたように思います。

ピラティスインストラクターにお勧めしたい考え方

お客様の姿勢を「良い姿勢」とされるものに「戻す」
「戻さなければいけない」という方法、考えを
今、お客様が持っている姿勢と、理想とされる姿勢までの
「動きの振り幅」をみるという方法にちょっと変えてみて欲しいです

理想で止まることなく、良い姿勢の周辺をウロウロできる能力を身につける

イラストのような姿勢で、
頭部が前方にいって、胸椎が後弯が強い。

今までの方法だと
「脊柱を真っ直ぐにして、背筋を鍛えて」
「頭を後ろに引いてもらって」
「背骨が硬すぎて全然動かないから、どうしよう」
と結構、直球で良い姿勢にしなくてはと、高度なミッションを
自分にかけているのではないでしょうか。

そこで、まずは

  • 理想とされる胸椎と今の胸椎の動きの量の差を確認する

  • 胸椎の動きに合わせて、どのぐらい頚椎-頭部が動くかを見る

どこかで、潜在的にその機能を使ったことがあれば、本人は覚えてない
けれど、身体は反応してきます。

  • どんな負荷なら、キューイング、エクササイズならどれぐらい動く

  • どんな条件だと、胸椎は動くが頚部-頭部は反応してこない

  • どんなスピードだと、動きの幅の反応がよいか

  • 情報量(説明やマニュアル用語)で動きの量は良くなる?悪くなる?

けして、止まった良い姿勢の筋肉や関節に戻すことが
ゴールではないことをあらためて
考えながらやってみるのもいいと思っています

お客様の持つ可能性を見つける方が先になります
見つけたら正常(理想)を目指してもいいと思っています

次回#2 「息、吐きすぎではありませんか?」説です

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