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『自己一致』を目指す方が良いのか

心理学の用語で『自己一致』という言葉がある。

元はカール・ロジャーズが提唱した概念であり、『自己概念』とと『経験』が一致している状態のことを『自己一致』という。

しかし、それは様々な概念へと変形されていき、今ではいろんな定義が存在する。

そのうちの一つに『自分の発言』と『行動』の一致がある。

おそらく、ビジネス書や自己啓発系の本の中に見る『自己一致』はこれを意味しているんだろうと思う。

今回はこの定義を採用していることを先に断っておきたい。

その上で、一般的には『自己一致』している方が良いと言われている。なので、『自己一致を目指そう』という言葉をよく見るだろう。

しかし、僕はそこに少し疑問を感じている。

その疑問とは、『本当にいつでも、誰でも自己一致の状態を目指した方が良いのか』という疑問である。

この世には『自己一致していない人』もたくさんいる。なんなら、『自己一致している人』の方が少ない印象である。

確かに、そうやって自己一致していない人たちの多くは悩む。現状に不満を述べ、将来に対しての不安を口にする。

そして、自己一致の状態を目指そうにも、どこに最初の一歩を踏み出して良いか分からず戸惑っているのだ。

しかし、例えば、少し考え方を変えてみる。

もしその人たちが『別に自己一致しなくてもいい』と思えたらどうだろうか?

『自己不一致のまま幸せになる』と決断したらどうなるだろうか?

当たり前かのように『自己一致』が『幸せ』と比例しているような印象を皆が持っているが、実はそうでもないのかもしれない。

『自己不一致』の状態と『幸せ』な状態は共存しうるのかもしれない。

例えば、仕事が辛いから辞めたいんだけど、将来の夢を叶えるためにお金を貯めないといけなくて、そのお金を貯めるために3年間は今の仕事を続けると決めている人がいるとしたらどうだろう。

彼は『仕事を辞めたい』という思いと、実際に仕事を続けているという状況が全く一致していない。

しかし、彼は一刻も早くその現状を抜け出すべきだろうか?

本当に、発言の通り、仕事をすぐに辞めてしまうことが『幸せ』につながるだろうか?

と聞かれると、迷ってくるだろう。

彼は3年間は『自己不一致』の状態を謳歌しようと心に決めたわけだ。

それは、その後の自己一致のために。

つまり、彼は3年間という一定期間、『自己不一致』の状態でいなければならない。

しかし、それで全然OKなのだ。

彼は全く例外ではない。他にもそんな人はたくさんいるはずだ。

何か手に入れたいもののために今我慢していることがある人はいるはずだ。

そんな人は『自己不一致』のままでいい。というより、自己不一致の状態の中に幸せを感じないといけない。

それができなければ、将来の『自己一致』と『幸せ』が手に入らなくなってしまうかもしれない。

と考えてみると、『自己一致』とは、問答無用で誰しもが目指すべき場所でもないように見える。

仮に今『自己不一致』の状態にいる人も、本当にその状態は抜け出すべき状態なのだろうか?

もしくは、今はそれを幸せと感じるべき自己不一致なのだろうか?

ということを考えて、今の自分の在り方を見直してみると、少し気が楽になるかもしれない。

『自己一致』は目指す方が良いのか?


最後まで読んでいただきありがとうございました。

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