「『被害者意識』の正体」まとめ:自分で選ぶ生き方のために

この雑誌をよんで、深く納得をし、最後は少し泣きそうになりました。びっくりしました。なんだか迫りくるものがあったなぁ。ここにまとめておこうと思います。

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【季刊Be!「被害者意識」の正体】

Part1. なぜ被害と加害が逆転するか

DVや虐待の加害者は被害者意識を持ち、被害者は加害者意識に苦しむ、という逆転現象が起こる所以とは…

加害者にとって、怒りは「正義の怒り」である。「○○であるべきなのに、なぜ、そのようにできないんだ!」と。そのルールが守られていないと、自分が攻撃されたかのように感じる。

支配とは「そうじゃない」と思わせないようにすることである。そのため、「そうじゃないのに」と思った時点で、支配からは抜けられている。ただ、相手に、そのまま論争するのは有益ではない(例:「そうじゃなくて、こうなのだ!」)。相手の「正しさ」に従いたくない時は、シンプルに、「私はそう思わない」「私は嫌だ」と言う。相手の作った土俵から降りる。

Part2. AC(アダルトチャイルド)が「被害」を自覚する意味

「被害者」だった人が「加害者」にならないために重要なことは…

被害を受けた全ての人が加害者になるわけではない。違いとして大きいのはかつて受けた被害を「被害」として自覚していること。被害者意識と被害者は異なる。

「被害を認める」=私は<してはいけないこと>をされた。そのことに私の責任はない。→自分はこんな扱いを受けるべきではなく大切な存在だと確認し、責任を持とうとすることにつながる。

「被害者意識を持つ」=私の期待通りに物事が運んでいないのは(私がつらいのは)、私でなく○○のせいだ。→自分自身に対する責任も放棄することになる。

勝ち負けの世界から抜け出すことが大切。相手に勝つことではなく、理不尽さに「ノー」という

自分の被害体験を自覚してこそ、初めて贖罪意識も生まれる。忘れていた苦痛を再体験し、自分の痛みに気づいてケアをする。そうしていくことで、自分を「被害者」という枠組みだけで語らなくても過去の意味付けができるようになるかもしれない。

Part3.「第一ページ」を開けてみる作業

加害者カウンセリングでは、その人の人生の「第一ページ」を開ける作業をする。

第1ページ:暴力や虐待、アルコールや薬物が、彼らの人生のいつどこで入り込んでいったのか。いつからそれが重要な意味をもつものとして人生に居座るようになったのか。

人生のどこかで、例えば暴力が「カチッとはまる」ことがあったかもしれない。誰も守ってくれないなら、自分で戦うしかない、弱みは見せられない、力によって相手を屈服させればいいのだ、と生き延びてきたのかもしれない。

ー「今まで生きてきて、不公平だと初めて感じたのはどんな時?」

ー「最初に『なんで俺がこんな目に!』と思ったのはどんな出来事?」

そうやって、キャンパスに一緒に絵をかくような作業をする。暴力やアディクションだけでなく、自分の強みや気づいていなかったことにも焦点を当てていく。その中で、今まで抑圧してきた自分の中の痛みを感じ、現在とつながることが欠かせない。

Part4. 感情を自分のものとして引き受ける

加害者プログラムの中では、いろいろな感情と向き合うことになる。不満や怒り、孤独感の奥には「切望」がある。ただ、この切望だけに焦点を当てると、要求でいっぱいになってしまう。切望と現実のギャップを前にした自分の中の「痛み」に向き合うことが大事。

そして、感じることがつらい感情を自分のものとして引き受ける。例えば、パートナーが去ってしまうのでは、という「不安」。相手を監視したり制限したりすることは、不安と言う感情を自分で引き取らず、相手に「不安を起こさせないようにする」ことを要求していることになる。そうではなくて、「不安」だということを自分の感情として受け取ることが必要。

ー「その不安はいつから自分の人生に居座っているのでしょうか」

その不安と対話したり、居座り始めた日のころに戻って、その時の体験と感情をプロセスする。

もし、その「感情」を引き起こさせないように行動してくれ!と相手に要求したら虐待になる。逆に、その感情を引き起こさないために自分が我慢したら、自分を大切にしていないことになる。そして、「私が○○なのは、あの人のせいだ!」と、いつまでも犠牲者のままでいたら、自分自身の感情を自分のものとせず、相手に明け渡していることになる。

だからこそ、自分の中の傷ついた自分と対話して、声をかけてみる。相手にどうにかしてもらおうとして、何かしてもらったとしても満足することはないかもしれない。自分自身で生き方を選択する。

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最後に、筆者が、自分の中でずっと引きずっている感情は「自信のなさ」と書いていました。それに今でも直面することがあるけど、自信がないことを理由に言いたいことを言わずに我慢したり、挑戦を諦めたりしない、ということが「自分を大切にすること」だ、と書いていました。

ああー、私もおんなじだなぁ、と思って、これまでを振り返ってみました。やっぱり、ずっと居座ってきた感情はなくなりはしないんですよね。でも、それでも、「私、自分で自分を大切にしようと頑張ってきたんだなぁ」と自分を肯定したい気持ちになりました。


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