『書く』PT _岡 おさむ

私は理学療法士(PT)というリハビリ関連の仕事をしています。 身体機能だけじゃない、“…

『書く』PT _岡 おさむ

私は理学療法士(PT)というリハビリ関連の仕事をしています。 身体機能だけじゃない、“その人のwell-being(≒自分らしさ)の追求”をモットーに仕事をしています。数値だけでは表せられない物語が、現場には溢れています。

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初めてづくしの日本転倒予防学会

10/7-8に京都で開催された日本転倒予防学会。こちらに初参加してきました。 しかも今回は、“ころやわ”でお馴染みの(株)Magic shieldsさんのお手伝いも兼ねて初めて企業側での参加。 私は(株)Magic shieldsさんのHPにてコラムを担当しており、メールやオンラインMTGでのやりとりはあったものの、社員の方々とリアルにお会いするのはこの日が初めてでした。 そんな初めてづくしの学会だったわけですが、参加したことによる気づきや感想をこの記事で綴っていこうと

    • 町中のパルシェン達

      先に言っておきます。 ポケモンGOの話ではありません(笑) ポケモン赤緑世代の方、“パルシェン”を覚えていますか? シェルダーの進化系で、ナパーム弾でも壊れない殻の硬さを持っています。 そこにきて“からにこもる”をすれば防御力はうなぎのぼりです。 さて、なぜパンシェンの話を出したのか? 本題に入ります。 縁があって、鞆の浦(ポニョのモデル)でコミュニティリハビリについてのワークショップに参加しました。 町のスローな雰囲気、住民同士の関わり合い、美しい海と山。 すっ

      • 末っ子が教えてくれたwell-being

        私には3人の子どもがおります。 末っ子はつい最近生まれたばかりで、まだ首も座っていません。 末っ子と2人目は5歳離れており、我が家としても5年ぶりの赤ちゃんなわけです。 この少子化の時代に家族が増えることは良いことで、周りの方々にも「日本に貢献してるね!」などと言われます。 もちろん、3人目ができたことも生まれたことも私自身とても喜ばしいことでした。 一方で、産まれる前はかなり不安にさいなまれていました。 「家計は大丈夫だろうか?」 「2人でも大変に感じていた子育て

        • 意場所作り

          ひとが失望した時というのは言葉を発しなくともわかる。 “目”だ。 「目は口ほどに物を言う」 とはよく言ったもの。 今まさに、私はそういう“目”を向けられている。 今から1時間前。 私は、担当患者である小林さんの退院前の家屋調査のため自宅へ来ていた。 小林さんは2か月前に、自宅の勝手口で転倒し、左大腿骨頸部骨折という股関節の大怪我を負ってしまった。 その後、懸命のリハビリで、小林さんは杖があれば外歩きや買い物ができるレベルまで回復し、晴れて退院間近となっている。

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        初めてづくしの日本転倒予防学会

          院内転倒…百見は一体験にしかず。

          先月からご縁をいただき、“ころやわ”で有名な(株)Magic Shieldsでコラムを担当させていただいております。 “ころやわ”の有用性に惹かれて、コラムを担当させていただくに至ったのですが、 そもそも、何でこんなに惹かれたのか? を、改めて考えてみると、自分のとある経験に行きつきました。 どんな経験かって? 担当患者のADLを上げた翌日に、その患者が転倒し骨折してしまったのです。 同じような経験をされた理学療法士、作業療法士の方は一定数いらっしゃるかもしれませ

          院内転倒…百見は一体験にしかず。

          #推したい会社【株式会社Magic Shields】〜“ころやわ”で、大腿骨骨折ゼロの社会へ〜

          突然ですが、皆さんは高齢者の4大骨折を知っていますか? が、そのように言われます。 上2つは転倒し尻餅をついた時、下2つは転倒して手を着いた時や肩をぶつけてしまった時によく起こります。 転倒、つまり転ぶことは高齢者の生活から切っても切り離せません。高齢者は筋力やバランスの低下で転倒しやすくなっているからです。 その上、骨粗しょう症で骨が脆くなっているため、転倒→骨折と容易に関連してしまうのです。 特に大腿骨近位部骨折は、手術やリハビリを経ても歩行能力は元通りになる可能

          #推したい会社【株式会社Magic Shields】〜“ころやわ”で、大腿骨骨折ゼロの社会へ〜

          リハビリが苦手な理学療法士が、リハビリができる“ひと”になるまで 〜第1話〜

          8月の終わり。夕方を迎えてもまだまだ暑い。 理学療法士(PTと略される)の澤は、この日最後の6件目の訪問リハビリを終え、事務所に帰えろうと利用者宅の前に停めていた原付バイクにまたがった。 蒸し暑さの残る気温に加え、バイクを日なたに置いていたものだからシートはかなり熱せられている。 焼石に座るようなこの不快感にはなかなか慣れない。そしてこの日は、この不快感に更に追い討ちをかけるような“ある出来事”があった。 10分ほど原付バイクを走らせ、澤は事業所のある一軒家に到着した。

          リハビリが苦手な理学療法士が、リハビリができる“ひと”になるまで 〜第1話〜

          リハビリが苦手な理学療法士が、リハビリができる“ひと”になるまで 〜第2話〜

          昨晩飲みすぎたのか、始業時刻ギリギリに事業所に到着した澤に村田が話しかけた。 「珍しいね、ギリギリなの」 「昨日、久しぶりに井上と飲んでまして。寝坊しました」 「井上くんね!え、同期やった?」 「そうっすよ」 「土谷さんのことで悩んだから、話聞いてもらってたの?」 「個人情報なんで、そんなことしないですよ!まぁこんなことがあってんぐらいは話しましたけど。それがなくても約束してましたし」 「引きずる必要ないからね!ただ、本当にリハビリいいかどうか、今日私が土谷さん

          リハビリが苦手な理学療法士が、リハビリができる“ひと”になるまで 〜第2話〜

          リハビリが苦手な理学療法士が、リハビリができる“ひと”になるまで 〜第3話〜

          澤が土谷さんの担当を外れてからちょうど1週間が過ぎた。 先週までこの曜日は1日6件の訪問であったが、最後の土谷さんの枠が空いたことで澤は16時には事業所に帰ってこれた。 事業所に着いて原付バイクを降りた時、ポケットのスマホが震えていることに気づいた。 村田からの着信である。 「はい、澤です」 「あ、澤くん?今どこにいてる?」 「ちょうど事業所に帰ってきたとこですよ」 「あ、そう?ちょうど良かった!今から土谷さんの家来てもらえる?」 「え、いいですけど、大丈夫ですか

          リハビリが苦手な理学療法士が、リハビリができる“ひと”になるまで 〜第3話〜

          リ・ハビリス?

          3月も折り返しとなり、すっかり春めいた季節となりましたね。 noteの投稿もしばらく行えていませんでしたが、訪問リハに従事してまもなく1年が経とうとしているこのタイミングでまとめたくなった感情があるので書き出していこうと思います。 理学療法士というリハビリ専門職の資格を得て14年。 恥ずかしながら、リハビリテーションについて今年ほど真っ向から考えたことはありませんでした。 なぜなら、これまでは身体機能の向上を中心に介入することに疑念の余地はなかったからです。 しかし、

          なぜ私が「症例・事例フォーラム2022」に参加するのか?

          2023年、初noteです。 今年はまずここからスタートします! 日本地域理学療法学会 研究サポート事業 「症例・事例フォーラム2022」 久しぶりに「出したい!」と思い、すぐ抄録作成、応募に踏み切った発表です。 今回の記事では、なぜこのフォーラムに私は胸を熱くさせたのか、お話したいと思います。 詳細は上のリンクからご覧いただくのが1番だと思いますが、私個人はキャッチフレーズである「n=1が教えてくれること、n=1だから気づくこと」に、大きな魅力を感じました。 私は

          なぜ私が「症例・事例フォーラム2022」に参加するのか?

          2022年という年

          毎年やってる、勝手に一年振り返り! 今年はなかなかストレスフルな一年やったので、後で見返した時に “この一年があったから” と、良い意味で振り返られるようしっかり記していきます! あとは、せっかくnoteで振り返るので、今年の創作の統計についても最後に触れたいと思います。 では、さっそくいってみましょう! ①2022年、我が出来事 ・退職、そして転職 まずは人生で一番のビックイベントである転職から始まりました。 それについてはnoteでもいっぱい書きましたので

          原点回帰

          仕事が忙しくなると、隙間時間でnoteを書かないといけなくなるので、つい文章が雑になってしまう。 noteを続けて1年以上経つが、毎週投稿を続けられてきたので、何とか週1ペースを保とうとしてきたのだが、最近の自分を振り返ると、 「一体、何が伝えたいんだっけ?」 と、思うようになった。 先ほど書いたように、週1投稿という頻度にこだわりすぎて、大事なことが抜けていた。 「何を伝えたいのか?」 「なぜ“書くこと”を選んだのか?」 原点は過去の投稿に記されている。 こう

          豊かさとは?

          他人を羨むのはあまり良くないと思いながらも、自分に刺激を与えてくれるという点では良いことかもしれない。 タイトルにある“豊かさ”について、皆さん考えたことがありますか? 私は、正直考えたことがなかった。 豊かさ?…裕福みたいな感じ? その程度。 そんな私が、ある近しい方の生活を目の当たりにした時、頭によぎった言葉が、 「豊かさ、ってなんやろう?」 だった。 別にその方の生活が羨ましいと思ったわけではない。 その方は収入も不安定で、決して便利な場所に住んでるわけ

          役割とは

          QOLやwell-beingなど、「そのひとらしさ」が追求される最近の介護業界において、“役割”というワードはよく出てきます。 家庭での役割、職場での役割、◯◯としての役割… 子育て世代や労働世代にとっては、役割という言葉は非常に身近なものだと思います。 ただ、高齢者にとって、役割とはどんなものがあるのか?と、いつも悩んでしまいます。 正直、私ら世代の考える“役割”とは意味合いが異なるのではないか? 今回は、そんな“役割”に関する個人的な思考について、述べさせていた

          素朴な疑問

          訪問看護の所長になって、初めて月末・月初を迎えました。 各スタッフの作成した報告書・計画書をチェックし、指示書を入力し、送られてきた提供表をチェックし、「この人ないやん!」と思ってたら医療保険だった…とか。 そこにきて普通にリハも回ってるので、自分も計画書とか作らないといけないし、新規の電話もかかってくるし、さすがに忙しかった。 もちろん、業務内に仕事全てが終わるわけでもなく、どうしたもんかなぁと思うこともしばしば。 そこで今回は素朴な疑問として、 こういう仕事、事