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断酒ロックスター

もし自分が何かの間違いでロックスターになったら、まずやってみたいことはといえば、ファンの女性にホテルのルームキーを渡すことではなく、ホテルの窓からテレビを投げることでもなく、ましてや非合法なクスリに手を染めることでもありません。

というか、上記のロックスター像はいくらなんでもステレオタイプ過ぎますね。現代の邦ロックバンドにそんな人はいるのでしょうか。

でも、某バンドのボーカル以外のメンバーが素行不良で脱退というニュースも少し前にあったし、ゲスな不倫ばかりがネタにされるけど、それ以前にも、あのバンドっぽい名義だけどソロの方とか、あの国民的バンドのボーカルの方もその昔……。

のっけから、各方向から石が飛んできそうなことを書いてしまいましたが、バンドマンに限らず、著名人がみんな清廉潔白であるとは限らないということでしょう。

もちろん、何も悪いことをせずに生きるのが理想だし、隠し事もないに越したことはありませんが、みんな人間だもの。多少のスキャンダルはあって然り。

というわけで、やはりなんらかのスキャンダルで騒がれはしてみたい。でも、不倫や浮気はイヤだ。なんというか、ありきたりすぎる。だからといって違法性があることをやって目立つというのも今どき流行らない気がする。あと、リスクが大きい。

レコード会社に契約を解除されない範囲で、なおかつ文春砲は確実に喰らえるレベルの事件を起こしてみたい。

となると、車の自損事故とかであろうか。愛車のシボレー・コルベット(1967年式)を自宅の広大な庭の巨木にぶつけてしまうとか……。これは車がもったいないですな。

いっそ、悪いことや不良っぽいことをするという発想から抜けてみよう。

パンクロックにはストレート・エッジという思想もあるらしく、これは、酒もタバコもドラッグもいっさい摂取せず、人によっては肉食を避けてベジタリアンやヴィーガンになったりもしているようで、不健康が代名詞のかつてのロックのイメージを打ち砕くことこそが逆にロック……、みたいな感じらしい。

この思想を貫いているロックスターとして特に有名なのが、ハノイ・ロックスのボーカルのマイケル・モンロー氏で、酒もドラッグもやらず、環境破壊につながるとして車に乗らず、主な移動手段は自転車なのだそうな。

若い頃に飲酒運転が原因の自動車事故で友人を亡くしているという事情もあるようだが、それにしてもその徹底ぶりはすごい。ただ、真似するにはやはり酒がひっかかる。

ドラッグは非合法はもちろん合法なものもやっていない。タバコはやめた。シーシャは興味がないわけでもないが、あれもタバコだとすると禁煙に失敗したということになってしまうという理由で、今のところ手を出していない。

車に関しては万年ペーパードライバーでゴールド取得者なので合格(?)。焼肉屋に行くのは楽しいが、サラダや白米も好きなので、ヴィーガンはともかく、ベジタリアン生活はしようと思えばできそうな気がする。

ただ、酒はなあ……。

減らすことはできても、やめることができない。呑まないと落ち着かないなんてことはないし、数日くらい呑まなくても平気なので、中毒とか依存症というわけではない。なんか今日は呑む気がしないからいいや、ということもある。

昔は、一度は自分のアルコール分解力の限界までいってみたい、とか、酔っぱらったら人見知りが改善されるから、などという大義名分があったが、今はもう、自分にどんな銘柄が合うのかも、どれだけ呑めば翌日に後悔するのかも知ってしまっている。

人見知りに関しては、まあ社交的な人よりはその傾向があると思うが、店員さんにありがとうと言うことはできるくらいの水準ではあるので、かつて自分が感じていたほどひどくはないはず。例のアレが蔓延する前は、noteの人に会いまくっていたくらいですから。

あの体験を重ねたことで、「あれ?思っていたほどコミュ症でもなくね?」と考えるようになったので、それは今でも本当に勝手に感謝しています。

酒の力を借りないと他人とまともに喋れないと思っていた自分が、いつしかシラフのでも初対面の人と喋れるようになっていた。まあその反面で、泥酔しているところも何人かには見られているんですが。

ただ、それとは別に、ずっと酒を呑まないということを想像すると、実におそろしい、というか、さみしい。つらい。どうしたものか。

というか、ロックスターの話だったよな。ロックスターになった時の妄想を続けよう。hideさんの『D.O.D(DRINK OR DIE)』でも聴きながら……。

「焼酎どぶろくビールにアブサン日本酒バーボンテキーラなんでもこーい!酒もってこい!」

ロックだぜ。

サウナはたのしい。