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安土中学2年生の質問に勝手に答えました(2019年度版)

今年度も行ってきました母校への地産地消の調理実習。

2011年から始めて9年目、そして今年で最後。

メニューは変わらず、季節野菜の米粉グラタンと、米粉のパンケーキ。

パンケーキには手作りのバターと地元産の蜂蜜を添える贅沢仕様。

詳しくは、前回の記事へ。


今年も、安土中学校2年生から感想をいただいたので、その中の質問と印象的だったコメントに勝手に答えようと思います。


1. 生クリームをふってバターにしたけど思っていたバターと違って普通のクリームみたいでした。何で違ったのですか?

→実物を見ていないので推測での答えになってしまうけれど、考えられる原因は2つ。
①手の温度でバターが温まって分離した牛乳分とまた混ざってしまった。
②塩分が少ない。
まず、①。生クリームを瓶に入れてひたすら振りまくってようやくできたバター。できてからもなんだか手放すのが惜しい気持ちになってしまって、振り続けたり瓶を手に持っていなかったかな?できあがったバターはなんだか可愛いからね、持っていたくなるものなのだけどね。もしかしたら、その間に分離した脂肪分(バター)が少し溶けて液体(牛乳)と混ざったのではないか、ということが考えられるよ。でも、見ていないから判らない。違ったらごめんね。
②の塩分。だいたい家で食べるパンに塗るバターは有塩のものが多いはず。今回は塩を混ぜないで作ったのでもしかしたらだからかも?

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片手でよく頑張ったね〜。


2. グラタンはやさいだけだったけどおいしかった。チーズをのせたらもっとおいしいと思った。パンケーキはあまりふくらまなかったけど、普通のホットケーキミックスで作るよりおいしかった。

→なんだかわからないけど、このコメントはとても嬉しかったですありがとう。今回は出来るだけ地産地消を目指していることもあって、チーズは登場していないけど、家で作る時はチーズありバージョンも試してみてね。
パンケーキ、海外で食べると結構ぺっちゃんこだったりするんだよ。日本のホットケーキはふわふわで海外から来た人が驚くこともあるよ。ホットケーキミックスを使った事ないけれど、何が入っているのかを見てみると、なぜふわふわなのかがわかるかもしれないので機会があったら見てみてね。そして、いろんなパンケーキを作ってみてね。ショップマドレさんにも米粉のパンケーキミックス売ってるよ◎

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大きなパンケーキだからひっくり返すのは頭を使って協力プレイ!


3. この仕事をしようと思ったきっかけは何ですか?今回のグラタンやパンケーキの他に米粉を使った料理を教えてください。

→きっかけはたくさんあるけど、大きかったのはたぶん大学時代にアメリカ1ヶ月留学で美味しいものや全然違う食文化に出会ったことかな。
それをきっかけにヴィーガン(肉魚卵乳製品を食べない)になって、周りに食べられるものがなかったから自分で作るようになって、そしたら楽しくなっちゃって、気がついたら私のお菓子を楽しみにしてくれる人ができたのも大きかったと思う。そこにたまたまの縁で米粉のおやつのお店の立ち上げを手伝う事になって、気がついたらその仕事を7年もしていた感じ。
中学校の頃からずっと関心があった地球環境問題や発展途上国の問題に自分ができることを考えたひとつの結論が毎日の”食”を変えること、というのもあるよ。詳しくは、また直接話せるといいね。笑
(前回の記事にも書いているのでよかったら見てね。)

米粉を使った料理、おすすめは天ぷら、チヂミ、唐揚げ、片栗粉代わりのとろみ付けかな。
特に天ぷらにかんしては、米粉は揚げてから時間経ってもべちょっとなりにくくて、だれでもカラッと揚がるので小麦粉で作るより簡単だと思っているよ。
逆にあまり向かないのは、米粉はグルテンがないので生地が伸びなくてすぐちぎれてしまうこともあって、餃子の皮とか、肉まんの生地とか、パン、パスタ、うどんかな。

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米粉をテーマに作ったおかずセット。
野草の米粉チヂミ(生地)/テンペの生姜焼き(米粉の衣)/かぼちゃ南蛮(米粉の衣)/さつまいもと人参のトマトチリソース(米粉のとろみ)/麻婆茄子(米粉のとろみ)
米粉は片栗粉や小麦粉よりも地産地消を実現しやすい上にいろいろ使えて便利なのです。


4. 地元野菜を使う時に気をつけている事や、大切にしている事は何ですか?

→できるだけ素材の味を残すこと。私は農家さんたちから直接野菜を買っているので、素材を生かせなかったり、失敗したらせっかく作ってくれた農家さんにも、育った野菜たちにも顔向けできない!なんだか申し訳ない気持ちになってしまうのです。だから、できるだけシンプルな味付けを心がけています。
あとは、味わって食べる事。そして、味わって、残さず食べてもらえるように工夫すること。

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これは10月ごろの野菜たち。畑に育つ野菜しかないので、自然と旬のものばかりになって、結果的に美味しくなるのはお得ポイント。美味しいものを美味しく食べられるように工夫するのが農家さんや野菜たちに対する敬意。


5. グラタンの具は固かったししゃばしゃばやったけど、おいしかったし楽しかった。

→しゃばしゃばになったのはごめんね!家で作る時は、具は別で茹でるか炒めるかしておいて、後でホワイトソースと混ぜ合わせてから焼いてね。
今回はいろんな季節の野菜を使ったけれど、じゃがいもと玉ねぎ(とベーコン)だけでブラックペッパーを効かせて作ってもすごく美味しいよ。

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シャバシャバになったの、野菜が多かったのもあるかもだな〜。
ホワイトソースたっぷりのほうが贅沢なので、家で作る時に工夫してみてね。


6. 米粉や地域の食材を使って作りましたが、とても体に良く、よりおいしいものになるなと感じました。このような食材を使うと地域の人たちも自分の体もうれしい気持ちになっていいなと思いました。

→今回の調理実習でそう感じてもらえていたら本望です。家庭環境によっていろいろだと思うけど、もし自分で野菜を買う機会があればぜひ地元産の野菜を選んで見てね。そして、安土にはまだ畑がたくさん残っていて、散歩しながら誰かの畑をこっそり覗いてみたり、育てている人に遭遇したら話しかけてみてもおもしろいよ。そして、畑に興味出てきたらまた連絡ください。案内するよ。畑は楽しいよ〜。美味しいよ〜。

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9月初めごろの小豆の花。可愛いよね〜!
畑は可愛いものだらけなのでまた遊びに来てね。
(ちゃんとこの後、鞘をつけて豆ができ、無事12月には小豆を収穫してあんこになりました。)


7. お店に行ってみたいと思いました。

→ありがとう〜。木下実験室はこれからもお店を持たないことになりそうだけど、ショップマドレさんは月〜土オープンしていろいろ地産地消にまつわる美味しい面白いものも売っているのでぜひ。


今年でひとまず一区切り。
中学二年生だった頃の自分を思い返すと、なぜかカトルカール(お菓子)を作る事にハマっていたけれど、料理なんてほとんどしていなかったし、自分の家の食卓になかなか影響を及ぼすことは難しいとは思うけど、何らかの形で今回出会ったみんなの、もしくは誰かの中に残るといいな、何かが。
美味しいものが食べたい、てなった時に、何か思い出してくれますように。

安土中学二年生のみなさん、ありがとうございました。

よき人生を!


<おまけ>

まったくもって内容と関係ないけれど。最近ラジオでかかっていて気になった曲。レコード欲しいな。

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