作品帳|素肌のサンカク #1
私の恋愛はいつもどこかイマイチだった。
一応言っとくが相手はイマイチじゃなかったぞ。恋人関係成立の条件は人によって何通り、何百通りもあると思うが、たとえば100のうち99が当てはまっていても絶対に欠かせない1条件だけがカチッとはまらないような違和感、その意味でイマイチだった。
自分でも面白いことに、その中途半端な状況に陥っているときは決まって自分の頭がサンカク印になっているような感覚になる。一体の生き物として肌では恋愛を解せるのに、一人の社会的生き物としての頭と心は正解が分からずにいる、まさに「△」状態のいきものに思えるのだ。我ながら滑稽だなと思うこの感覚を、「素肌のサンカク」の日記として残していくことにした。
一ページ目
さて、この絵日記の一ページ目に書き殴った言葉は一文だった。
ナマモノのおんな、それ以外に自分には何の価値がある?
旬な若い女性。求められるのはそれだけなんじゃないか。
私は決して自己否定的な性格じゃない。自分のことは好きだし、無価値だとも思わない。でも、冷静に整理していくとどうしてもこの問いに行きついてしまう。それは、恋愛においても、仕事においても。
この問はずっと続いている。自虐的な自問。抜け出さなければいけないことも分かっている。なのに、ずっと囚われ続けている。
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