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ライター、紙媒体か、Web媒体か。

私のライターとしての媒体は主に紙媒体だ。
紙の雑誌、紙の書籍、紙のMookで主にインタビュー記事を書いている。
紙媒体向けに書いたものを、のちに出版社が電子書籍やWebニュースに転載することはあっても、私が最初からWeb用に執筆したのは数えるほど。

もともと昭和生まれの人間で、紙の本が大好き。
電子書籍も読むけど、やっぱり紙の本が好き……だからじゃないだろうが、結局、紙媒体の仕事が多い。

とはいえ、Web用の原稿を書いてくれという依頼も稀にくる。
ちょっとドキンとする瞬間。
なんというか、、

書き方が、わからないから。。。
もちろん、それでも書くし、OKが出てるから最低限の水準はクリアしているのだろうけれど……、なんとなく「正解」や「落としどころ」の実感がわきにくい。

紙の場合はレイアウトが厳密に決まっているので、何文字✖️何行というのが決まっている。

雑誌ならば、だいたい1行につき15〜17文字。
書籍ならば、30〜40文字程度か。

制約があるようで、実は書きやすい理由は、1行当たりの文字数が決まると、文章のリズムが決まるから。
ライターとしての地の文ありか、著者の1人語り(対談、鼎談者の場合も)なのか。
文化系か、経済系か、社会系なのか。
断定調か、読者に判断を委ねる系なのか。
そもそも取材対象が、経済人なのか学者なのか政治家なのか俳優なのかアーティストなのか……
にもよるけれど、結局1行あたりの文字数の制約が、文章のリズムに決定的に影響を与えてくる。

だが、その意味においてwebは、そうした制約がほとんどない。
「だいたい3000字くらいで」などのざっくりした依頼で書き始めるわけだが、そもそも私がワード文書時点でこだわって調整した1行あたりの文字数も、掲載される段階で分解する。
読者がPCで読むのか、タブレットで読むのか、スマホで読むのかもわからない。つまりは、手元を離れた段階の完成図が頭に浮かびにくい。

加えて、読者対象が曖昧模糊としているのも、私にとって「書きにくい」。
雑誌ならば、書籍ならば、だいたい読む層というのは想像もつく。
なるべくいろんな人に読んでもらいたいとは思っても、やはり定価2000円近くのビジネス書を高校生や大学生が読むとは考えにくいし、同じくビジネス誌を主婦や学生が読むとも考えにくい。
反対に社会的・文化的な内容を掲載してる雑誌を、バリバリのビジネスパーソンが購読してるとも考えにくい。
ので、そこでも自ずとリズムや語り口調は制限されるがゆえに、ある意味、迷うこともない。
その制限がWebだとかなり緩和される。

自由でもあるが、自由すぎてかえって不自由。
プールではなんとか泳げても、大海は無理!

そんな感じ。

まぁ、要するには、Web媒体はまだ慣れていないということに尽きるわけだけど。

……精進します。

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