【1日1文献】作業療法士が適切と考える高齢者を対象とした急性期作業療法のアウトカム指標の予備的検討─フォーカスグループインタビューとノミナルグループテクニックを用いた質的研究─#高齢者#急性期#アウトカム指標

参考文献:作業療法士が適切と考える高齢者を対象とした急性期作業療法のアウトカム指標の予備的検討
─フォーカスグループインタビューとノミナルグループテクニックを用いた質的研究─
筆者:本田 拓也谷村 厚子
発行日:2023年
掲載元:作業療法42 巻 (2023) 3 号
検索方法:インターネット
キーワード:急性期高齢者(アウトカム指標)

【抄録】
・本研究の目的は,作業療法効果の測定に適切と考えられるアウトカム指標とその選択理由を,グループインタビュー技法を用いて検討し,合意形成されたものを高齢者の急性期作業療法発展の資料として提示することである.
・対象は急性期病院に従事した経験のある作業療法士8名で,分析はノミナルグループテクニックと質的統合法を用いた.
・結果,30項目のアウトカム指標が採択された.
・定量的なものからは握力など,定性的なものからは生活行為に関わる質的な改善などが採択された.
・高齢者を対象とした急性期作業療法では,対象や環境の特性を踏まえた上で生活行為に焦点を当てた支援の効果を測定することができるアウトカム指標が重要と考えられた.

メモ
・日本の高齢者人口は増加の一途をたどり,2019 年 には高齢化率が 28. 4%1)となり,今後高齢者が急性期 病院を利用する需要は増えていくことが予想される. 
・また,近年では持続可能な運営を目指した医療費適正 化計画に向け,一般病床における在院日数の短縮化2) が進み,高齢者を対象とした急性期病院におけるリハ ビリテーション(以下,リハ)の提供が可能な期間 は短くなってきている
・そのため,今後急性期の作業 療法では短期間で効果的な支援を行うことが求められ る.

・身体障害分野の急性期病院におけるリハの 役割について,水間3)は「早期離床により合併症の発 症・増悪を予防しつつ機能回復を促進し,早期退院や 転院を促進すること」と述べている.
・その中でも急性 期リハにおける作業療法の役割は「意識改善を早め, 次の段階のアプローチへの早期移行と二次的合併症 の予防」であり4),早期離床や心身機能の改善のみで はなく,早期から活動(手段的日常生活活動(以下, IADL)や日常生活活動(以下,ADL))や参加(社会・ 家庭での役割等)の獲得につながるように意識した介 入を行い,患者が再びその人らしい生活を獲得できる ようにすることを常に念頭に置き,作業療法を提供 することが求められる5).
・急性期リハでは心身機能の 改善を目的とした介入を行うイメージが強いが,実際 には活動や参加の改善に焦点を当てた介入も行われて おり6),その両面で効果を示していく必要がある

参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jotr/42/3/42_299/_pdf/-char/ja 

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