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小説

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#ハピバレ2015

タマさんのお散歩 【小説】

 タマさんがその店に立ち寄ったのは、ほんの気まぐれである。
 それを言うなら二月だというのに、暖かな陽気に誘われて散歩に出よう思いついたのも気まぐれだし、垂直に立てた尻尾を誇らしげに揺らしながら歩く黒猫の後をつけてみようと思ったのだって気まぐれだ。

 黒猫は、後ろのタマさんに気がついているのかいないのか、尻尾をふりふり動かしながら道の端をゆっくり歩く。
 どうせすぐに気がついて、どこかに逃げてし

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