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個人的にオススメしたい時代劇7選

ぷらすです。
以前、僕の映画感想ブログでオススメした映画「子連れ狼 地獄へ行くぞ!大五郎」(1974)を、もちだみわさんが観てくださって、Twitterの方で「他にもオススメの古い時代劇があれば教えて欲しい」という、大変嬉しいコメントを頂きました!

(ΦωΦ)フフフ…僕に時代劇を語らせたらウザイですよー。

というのは半分冗談として(え、半分?)、個人的にオススメしたい時代劇映画を7本、ここで紹介しようと思います!

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用心棒(1961)

ご存知、黒澤明の代表作。
本作の7年前に制作された「七人の侍」はどちらかといえば合戦物的な要素が強かったのに対し、この作品はヤクザの抗争で荒れ果てた宿場町を桑畑三十郎と名乗る一人の浪人が救うという、誰が観ても面白いエンターテイメントに振り切った作品です。

主役の桑畑三十郎には世界のミフネこと三船敏郎。
敵役の新田の卯之助は、今や日本を代表する名優の仲代達矢。
と書くと、三船敏郎がひたすら無法者を斬りまくるチャンバラ映画だと思われるかもですが、この三十郎が刀を抜くシーンはそれほど多くはなくて、どちらかといえば口八丁と策略で、対立するヤクザの2代勢力を手玉に取り潰し合わせるという潜入スパイもの的な物語こそが見所だったりします。

また、それまでの時代劇と言えば、斬られ役が止まっている主役に向かって次々に“斬られに行く”のが常識だったわけですが、本作では三十郎の方から“斬りに行く”殺陣が(当時としては)革新的だったんですね。
つまり、“専守防衛”ではなくて“攻め”の殺陣というか。
西部劇にヒントを得たという物語も、非常にドライでクールなので、洋画を観ている気分で観られます。

椿三十郎(1962)

前年公開「用心棒」の続編的作品。
と言っても物語に直接的な繋がりはなく、主人公の名前も桑畑三十郎から椿三十郎に変わっています。
物語のプロット自体は「用心棒」と同じですが、こちらは三船演じる三十郎が、上司の汚職を告発しようとする正義に燃える若侍たちの作戦参謀として手助けをするという物語。
殺陣シーンは「用心棒」に比べるとかなり少なめですが、ラストシーンでの仲代達矢との対決は世界中にインパクトを与えた名シーンですね。(これ、あるアクシデントから偶然生まれたらしいですがw)

あと、台本もカメラ割りもほぼ同じで、主役の三十郎を織田裕二が演じた2007年公開のリメーク版があるんですが、このオリジナル版と観比べると、何とも言えない“味わい”を楽しめるのではないかと思いますよw

座頭市と用心棒(1970)

勝新太郎の代表「座頭市」シリーズ20作目にして、三船敏郎演じる「用心棒」と座頭市の対決が実現という、時代劇ファンにとっては盆と正月が一緒に来たような夢の作品です。(当時、三船は東宝の、勝は大映のトップスター)
もちろん、黒澤明の「用心棒」とは別人という設定ですが、“三船敏郎”が“用心棒”を演じたら、それはもう「用心棒」なのです。
ちなみに、友情出演程度のチョイ役かと思ったら、台本に「用心棒」って書いてあって、三船敏郎が驚いたというのは有名な逸話です。

盲目のヤクザで、仕込杖を逆手に持つ居合いの達人“座頭市”と、剣の達人“用心棒”という、真逆なスタイルの二人が戦う殺陣は必見!

雲霧仁左衛門(1978)

五社英雄監督、仲代達矢主演の時代劇。
自作の映像化に寛容だった原作者の池波正太郎が、この作品のせいでチェックが厳しくなったという曰くつきの作品で、原作は雲霧仁左衛門率いる怪盗団vs火付盗賊改の出し抜き合いであり、ある種のケイパーもの(策を弄して相手を騙す計画犯罪もの)なんですが、五社監督は、そんな池波作品のプロットを全部ぶっ壊して、映像インパクトだけは凄いトンデモ時代劇にしちゃったんですね。

っていうか、その映像も方も、物理法則とか完全無視でして。
水平になぎ払った剣で斬られた首が、真上にぴょーんと飛び上がったり、部屋の中に馬に乗ったまま踏み込んでそのまま敵と斬りあったりと、もうメチャクチャだけどよく分からない熱量だけは感じるっていう、エロ・グロ・ナンセンスを全部ぶち込んだ作品です。

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座頭市(1989)

1962年の劇場版第1作から27年に渡り演じてきた、天才・勝新太郎の「座頭市」総決算とも言うべき作品です。
過去作のセルフオマージュてんこ盛りなので、往年のファンはもちろん楽しめますが、まだ「座頭市」を観たことがない人にもオススメの作品。

老齢に差し掛かり、初期のようなスピードはないものの、長きにわたって座頭市を演じ続けてきた勝新のアイデアとサービス精神の詰まった本作は、数ある映画・テレビシリーズ全作品の中でも、最高傑作だと思いますよ!

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浪人街(1990)

1928年(昭和3年)制作・公開の『浪人街 第一話 美しき獲物』4度目のリメイク作品。
ストーリーをざっくり要約すると、社会の最底辺である売春婦や無職のヒモが権力に立ち向かうことで、武家社会のバカバカしさを描くという物語です。
この作品の特徴は、とにかく殺陣がカッコ悪いこと。

それは本作が、天下泰平が続いた幕末を舞台にしていて、ちゃんと剣術の出来る侍がほぼいないという設定だからですが、もう一つは当時、時代劇スターが集団退社してしまったことで、殺陣が出来ない若手でも殺陣がリアルに見えるよう時代を幕末に設定し、見栄えを良くするために人数を増やした苦し紛れの作戦が、「集団殺陣」というジャンルを生み出したという内幕があったりします。

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幕末太陽傳(1957)

1957年公開の日活時代劇。
といっても、いわゆる“チャンバラ映画”ではなく、幕末の品川を舞台にしたドタバタコメディーなんですね。

主演は「赤かぶ検事」などで知られるフランキー堺。
一文無しで遊郭旅籠の相模屋で豪遊したあげく、それがバレると相模屋の手伝い(というか遊女や客を相手に商売)を始める主人公、佐平次の物語で、「居残り佐平次」「品川心中」「三枚起請」「お見立て」など、古典落語をベースに動乱の幕末を生きる庶民の逞しい姿をコミカルに描いています。

その一方で、石原裕次郎相手に高杉晋作など幕末の志士を相手に啖呵を切ったり、おちょくってみせるなど、シニカルな風刺劇でもあります。

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というわけで、僕が個人的にオススメしたい時代劇7作品でした。
一口に“時代劇”と言っても、戦国武将ものからチャンバラ、コメディに至るまで多様な物語があり、作品の中には(公開当時)の社会問題や監督の思想・哲学など、現代的なテーマを時代劇に置き換えて語っているものも少なくありません。

「時代劇は年寄りの観るもの」と決めつけずに、DVDレンタルやネット配信のアーカイブで、気になった作品を観てもらえると嬉しいですよー!

ではではー(´∀`)ノ

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